1月5日の大発会において、株式会社IHI(アイ・エイチ・アイ/IHI Corporation)(7013)の株価が高騰し、市場の注目を集めました。終値は3,002円と前日比247.5円高(+8.99%)となり、大幅反発を記録しました。東証プライム市場の値上がり率ランキングでは堂々の3位にランクインし、年初から強い買い意欲が確認される展開となっています。
▼IHI 株価推移(2025年12月29日〜2026年1月5日)

IHI 株価推移(2025年12月29日〜2026年1月5日)
テクニカル面でも改善が顕著です。株価は25日線、75日線を明確に上抜け、昨年12月9日につけた戻り高値3,080円が視野に入ってきました。週足ベースでは、これまで上値抵抗として意識されていた13週移動平均線を突破。一目均衡表でも、雲下限までの調整を経た後に雲上限を一気に上抜けており、遅行スパンも上方シグナルを点灯させています。中期的なトレンド転換を示唆する動きとして、投資家の関心を集めています。
以下にて詳しく見ていきましょう!
170年の重工業から「空」へ向かう企業変革
IHIといえば、橋梁や発電設備、ボイラーといった日本のインフラを支えてきた重工業の象徴的存在です。170年にわたる歴史を持つ同社は、まさに「地に足の着いた」企業というイメージが強い存在でした。
しかし現在のIHIは、そのイメージを大きく塗り替えつつあります。同社が進めているのは、単なる事業ポートフォリオの見直しではなく、企業のアイデンティティそのものを変えるほどの大転換です。その中心に位置付けられているのが、航空宇宙防衛事業です。今やこの分野は、IHIの連結営業利益において極めて大きな比重を占める中核事業となっています。
「選択と集中」が生んだ収益構造の変化
この変革の背景にあるキーワードは「選択と集中」です。IHIはここ数年で、車両用ターボチャージャーや交通システム、汎用ボイラーなど、かつての主力事業を相次いで売却・整理してきました。長年続けてきた事業からの撤退は容易な決断ではありませんが、経営資源を高付加価値かつ安定収益が見込める分野へ集中させる狙いが明確です。
特に注目されるのが、収益モデルの変化です。橋梁などのインフラ事業は、受注から建設、引き渡しまでのプロジェクト型で、収益は一過性になりがちでした。一方、航空エンジン事業では、納入後も整備や部品交換といったアフターマーケット収益が長期にわたり発生します。IHIはプロジェクト収益型から、長期・安定型のサービスビジネスへと、財務的なDNAを書き換えようとしていると言えます。
成長を牽引する航空・防衛・宇宙の三本柱
IHIの成長戦略を支えているのが、民間航空エンジン、防衛事業、そして宇宙事業の三本柱です。中でも民間航空エンジン事業は、航空機需要が今後20年で倍増すると見込まれる中、強力な追い風を受けています。本体販売後に続く整備やスペアパーツ供給が、安定的な利益を生む構造が評価されています。
防衛事業も重要な成長ドライバーです。日本の安全保障環境の変化を背景に、防衛予算は増額傾向にあり、この流れは中長期的にも継続すると見られています。IHIは航空エンジンや関連システムで不可欠な存在となっており、安定需要が期待されます。
宇宙事業は現時点では規模こそ小さいものの、ロケット部品や先端技術の蓄積が進んでおり、将来の成長に向けた重要な布石となっています。
市場が評価する強気シナリオ
IHIは中期経営計画において、売上高・営業利益ともに過去最高水準を見込んでいます。2030年に売上高約8,000億円、2040年には1兆円超という具体的な目標を掲げており、足元の好調な業績がその実現可能性を裏付けています。加えて、外部人材の登用やDX推進など、組織文化の改革にも積極的で、変革への本気度がうかがえます。
今回の株価急反発は、こうした中長期戦略と業績の方向性を市場が改めて評価した結果と言えるでしょう。伝統的な重工業企業から、航空宇宙と安全保障を担う成長企業へ。IHIの「空」への挑戦は、株式市場においても新たな評価ステージに入りつつあります。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
IHI Shares Surge as Investors Revalue Aerospace and Defense Strategy
IHI Corp. shares jumped sharply on January 5, the first trading day of the year in Japan, signaling renewed investor confidence in the company’s transformation. The stock closed at ¥3,002, up 8.99% from the previous session, ranking third among gainers on the Tokyo Stock Exchange Prime Market.
From a technical perspective, the share price has clearly broken above its 25-day and 75-day moving averages, with the previous rebound high near ¥3,080 now within reach. Weekly charts also show a breakout above key resistance levels, reinforcing expectations of a medium-term trend reversal.
Beyond the charts, investors are increasingly focused on IHI’s strategic shift toward aerospace, defense, and space. The company, with a 170-year history rooted in heavy infrastructure such as bridges and power systems, is reshaping its identity by concentrating resources on higher-value, more stable businesses.
Aerospace and defense have become core profit drivers, supported by long-term maintenance and aftermarket revenues from aircraft engines, as well as rising defense spending in Japan. Space-related businesses, while still small, are positioned as a future growth option.
With clear mid- to long-term growth targets and improving earnings visibility, markets are reassessing IHI not as a traditional heavy industry player, but as a high-tech aerospace and defense company.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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