メルカリ(4385)の株価は本日10月15日の東京株式市場で大幅に反発し、前日比296円(14.18%)高の2,380円で取引を終えました。14日に発表した単発アルバイト仲介サービス「メルカリ ハロ」の事業撤退を投資家が好感した形です。以下に詳しく見ていきましょう。
▼メルカリ株価推移(2025年10月14日〜15日)

メルカリ株価推移(2025年10月14日〜15日)
不採算事業からの早期撤退を評価
メルカリは、2025年12月18日をもって「メルカリ ハロ」のサービスを終了すると発表しました。同サービスは2023年3月に首都圏でスタートし、同年4月には全国に展開したものの、競合他社であるタイミー(215A、グロース市場)やLINEヤフーの「LINEスキマニ」などとの競争が激化。収益性が伸び悩む中、開始からわずか1年9カ月で撤退を決断しました。
市場では、不採算事業からの撤退によるコスト削減を好感する動きが広がりました。東海東京インテリジェンス・ラボの沢田遼太郎シニアアナリストは「人件費や広告費などの削減につながる点がポジティブに捉えられている」と分析。また「主力のフリマアプリや新規成長分野への経営資源集中への期待も高まっている」と述べています。
競合のタイミー株も上昇
一方、メルカリの撤退を受け、競合のタイミー株も大幅高となりました。一時上昇率が16%を超える場面も見られました。沢田氏は「競合が減ることが素直に好感されている」とし、単発バイト仲介市場では今後、数社による寡占化が進む可能性を指摘しています。リクルートホールディングス(6098)も3月に同分野での開発中止を発表しており、業界全体として淘汰の流れが強まっているようです。
▼タイミー株価推移(2025年10月14日〜15日)

タイミー株価推移(2025年10月14日〜15日)
利便性向上も収益化の壁に直面
「メルカリ ハロ」は、メルカリアプリ内に「はたらく」ボタンを設置するなど、求人閲覧から応募までをスムーズに行える設計が特徴でした。登録者数は2024年6月時点で1,200万人を突破しましたが、利用者の多くが他社サービスと併用しており、稼働数が伸び悩みました。
当初は事業者向け利用料を無料にしていましたが、2025年4月に有料化したことで求人件数が減少したとみられています。メルカリは「市場環境の変化や利用状況を踏まえて総合的に撤退を決定した」とコメントしています。
投資家の視線は主力事業の成長へ
今回の事業撤退は、メルカリが採算性を重視し、経営の選択と集中を進めていることを象徴しています。株価は6月に付けた高値から一時調整局面にありましたが、今回の発表をきっかけに投資家心理が改善しました。
今後は、主力であるフリマアプリ事業や、米国を中心とした海外事業の収益拡大がどこまで進むかが焦点となりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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