化粧品メーカーの株式会社マンダム(東証プライム:4917/Mandom Corporation)を巡り、経営陣によるMBO(マネジメント・バイアウト)計画に対してアクティビスト投資家が強く反発する構図が鮮明になってきました。「物言う株主」として知られる村上世彰氏の長女・野村絢氏らが、同社株式の20%超を取得し、MBO実施を目的としたTOB(株式公開買い付け)に対し強い影響力を及ぼし始めています。この騒動、当サイトでも動向に熱視線を送っており、今まで3回にわたって特集してきましたが、今回で第4回目。以下にて解説していきます!
MBO計画とTOB価格にアクティビストが「待った」
マンダムは既存ブランドの成長鈍化や海外市場での競争激化などの課題を背景に、上場維持のもとでの改革では短期的な株主価値に悪影響が出ると懸念。これを避けるべく、英CVCキャピタル・パートナーズ系のカロンホールディングス(HD)と連携し、1株1,960円でのTOBを9月26日より開始しました。
しかし、MBO発表直後から株価は急騰。11月14日の終値は2402円とTOB価格を大幅に上回り、市場はMBO価格の「割安さ」を強く意識する展開となりました。
野村氏らはTOB条件を「本源的価値と比べ著しく割安」と批判し、短期間で株式を20%超まで買い進め、経営陣に揺さぶりをかけています。
創業家の利益偏重を批判 ガバナンス問題も争点に
野村氏サイドはさらに、創業家に属する西村健社長らがTOB後に議決権34%を保有する計画に強い疑念を表明。「創業家が不当に利益を得る目的でMBOを推進している」と厳しく批判しています。
これに対しマンダムは11月4日、TOB成立可能性が「相応に低下した」との認識を示し、アクティビスト側が20%以上を取得する場合に目的説明を義務化する方針を発表。応じない場合は新株予約権の無償割り当て(ポイズンピル)により、議決権比率を希薄化する構えも示しました。
企業とアクティビストの対立が本格化する中、ガバナンスのあり方が投資家の大きな関心事となっています。
CFO「適正水準」と強調も、市場株価は大幅上回り
11月6日の決算説明会では、沢田正典CFOがCVC系の買付価格1株1960円について「適正な水準」と説明。一方で市場株価は2,400円前後で推移しており、投資家の間では引き続きTOB価格の妥当性を問う声が強まっています。
また沢田CFOは、「他の株主共同利益に寄与する提案があれば検討する」と述べ、CVC以外の新たなスポンサーの受け入れ可能性も示唆しました。MBOの枠組み自体が見直される可能性も否定できません。
第2四半期決算は好調 ただし株主対立の長期化リスクも
同日に発表された2025年3月期第2四半期決算では、
・連結経常利益:前年同期比 37.8%増の28.7億円
・通期進捗率:68.8%
と堅調な結果となりました。
事業としては収益改善が進んでいる一方、株主間の対立が長期化した場合、経営改革や海外戦略の実行スピードに影響が出る可能性も指摘されています。
ひびき・パースも5%を取得 株主構成は一段と流動化
さらに、シンガポール拠点の資産運用会社ひびき・パース・アドバイザーズが5.01%を保有していることも判明しました。
保有目的は「経営陣への助言、重要提案行為」とされており、今後の議決権行使方針が焦点となります。
11月19日のTOB期限へ マンダムは重大局面に
マンダムを巡る攻防は、
・CVC連携のMBOが成立するのか
・野村氏陣営が主導権を握るのか
・新たなホワイトナイトが現れるのか
という三つ巴の展開を迎えています。
11月19日のTOB期限がいよいよ迫る中、そこに向け、株主構成の変化や追加提案が投資家心理に大きく影響を与える見通しです。
国内企業におけるMBOのあり方やアクティビストとの対話姿勢を問う、非常に象徴的な案件となっており、今後の展開は引き続き市場から注目を集めることになりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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・第1章:マンダムMBOに波紋!村上世彰氏長女・野村絢氏らが66億円投下し6%超取得

・第2章:旧村上ファンド系がマンダム株を11.54%まで買い増し!MBO成立に不透明感も

・第3章:マンダム、MBO巡り混迷続く!アクティビストの影響で新たな買収提案を模索

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