政府・与党は、富裕層ほど税負担率が下がる「1億円の壁」問題の是正に向けて、超富裕層への追加課税を強化する方針を固めました。以前からウワサにはなっておりましたが、いよいよ現実化してまいりましたね。。現在は合計所得30億円超で適用されているミニマム課税(追加負担)について、対象水準を一気に6億円超へ引き下げる案を軸に最終調整を進めています。これにより、高所得者層の課税対象が大幅に拡大します。
2026年度税制改正大綱に年内にも盛り込む見通しで、税収増分は与野党が合意したガソリン旧暫定税率廃止による減収の補填に充てられます。10月22日の記事(高市政権、金融所得課税の強化を提起!富裕層中心に増税論議が再燃)にてお伝えしていた通りですね。以下に詳しく見ていきましょう。
背景に「富裕層の税負担が逆転する構造」 金融所得の固定税率が歪み生む
「1億円の壁」とは、所得増加に伴って上昇するはずの税負担率が、総所得1億円を超えたあたりから反転し低下していく現象を指します。給与所得では税率が最大55%(住民税含む)まで上がる一方で、株式売却益や配当などの金融所得は金額に関係なく約20%で固定されていることが主因です。
富裕層は所得の多くが金融所得で構成されるため、結果的に中間層よりも税負担率が軽くなる逆転現象が生じています。国税庁データでも、所得5,000万〜1億円で負担率25.9%がピークとなり、その後は下降。100億円超の富裕層の負担率は16.2%と、年1,500万〜2,000万円層(17.2%)より低いという実態が示されています。
この構造的な不公平感の解消が、今回の制度見直しの大きな狙いです。
ミニマム課税の適用範囲を大幅拡大 対象者は想定300人から増加へ
今回見直されるミニマム課税は、高所得者に最低限の税負担を求める仕組みです。現行制度では、合計所得金額から非課税枠3.3億円を差し引き、22.5%の税率を適用し、それが通常課税を上回る場合に差額を徴収します。
この制度は2025年から適用が始まったばかりで、対象者は当初約300人と見込まれていました。今回の適用所得基準引き下げ(30億円 → 6億円)によって、対象者数は大幅に増えることが予想されます。負担増は主に超富裕層に集中する見込みです。
税収増分はガソリン税の財源に 旧暫定税率廃止へ1.5兆円を補填
与野党は10月に、ガソリン・軽油の旧暫定税率を廃止する方針で合意しました。しかし、廃止によって国と地方の税収は年間1.5兆円規模で減ると試算されています。
今回の富裕層増税は、その財源確保の柱として位置づけられます。政治的にも合意済みの「ガソリン税引き下げ」の実現に向け、超富裕層への負担強化が不可欠と判断された形です。
金融所得への規制強化の流れが鮮明に
今回の税制改正は、超富裕層への課税強化が中心ではあるものの、投資家にとっては以下の観点が気になるところです。
・金融所得課税をめぐる議論が今後さらに広がる可能性
「1億円の壁」問題が注目される中、金融所得課税そのものの見直しを求める声も高まる可能性があります。
・資産構成の見直しを迫られる高所得層が増える
適用所得基準が6億円まで下がることで、影響を受ける投資家層が広がり、節税戦略や投資行動の変更が予想されます。
・ガソリン税減税による消費行動への間接効果
ガソリン価格安定は個人消費にプラスに働く可能性があり、一部業種には追い風となる可能性があります。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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