ホンダ、上場来初の最終赤字へ!EV戦略見直しで最大6900億円損失、経営転換の正念場

ホンダ、上場来初の最終赤字へ!EV戦略見直しで最大6900億円損失、経営転換の正念場 自動車株

ホンダ、上場来初の最終赤字見通し

本田技研工業株式会社ホンダ/東証プライム 7267)が3月12日、2026年3月期の連結最終損益が最大6900億円の赤字になる見通しを発表しました。前期は8358億円の黒字だったため、業績は大幅な悪化となります。

従来予想は3000億円の黒字でしたが、今回の修正で一転して大幅な赤字となり、アナリスト予想平均(約4597億円)も大きく下回りました。最終赤字は同社として上場以来初めてとなります。
営業損益も5700億円の赤字、経常損益は6500億円の赤字と見込まれています。一方で売上収益は21兆1000億円と従来予想を据え置き、売上規模は維持される見通しです。

EV戦略の見直しが巨額損失の主因

今回の業績悪化の最大の要因は、電気自動車(EV)戦略の見直しです。
ホンダは北米市場で計画していたEV3車種
・Honda 0 SUV
・Honda 0 Saloon
・Acura RSX
の開発および販売計画を中止しました。

EV市場の拡大が想定より遅れていることに加え、米国での政策変更やEV補助金の見直しなどが背景にあります。この戦略転換に伴い、設備や開発投資の減損などを含めて
・8200億〜1兆1200億円の営業費用
・1100億〜1500億円の投資損失
を計上する見込みです。
さらに、来期以降にも追加費用が発生する可能性があり、EV戦略見直し関連の損失は最大2兆5000億円規模に達する可能性も指摘されています。

EV市場減速と競争激化の二重苦

ホンダが戦略修正を迫られた背景には、自動車業界の環境変化があります。
米国では環境規制の緩和や補助金政策の見直しによって、EV市場の成長ペースが想定より鈍化しています。

一方、中国やアジアではEV専業メーカーが急速に台頭し、ソフトウェア中心の「SDV(ソフトウェア定義車)」競争が激化しています。
こうした状況の中で、ホンダはEV開発への投資を進めた結果、
・内燃機関車
・ハイブリッド車
の競争力低下を招き、四輪事業の収益性が悪化しました。

また米国の関税政策の変更も重なり、主力市場である北米事業の収益環境も厳しさを増しています。

ハイブリッド車強化へ戦略転換

ホンダは今後の四輪戦略として、EV一辺倒の方針を見直し、ハイブリッド車を軸とした戦略へ再調整する方針です。
特に以下の地域での事業強化を掲げています。
・日本市場
・北米市場
・インド市場

今後は次世代ハイブリッド車の投入や商品ラインアップの拡充を進め、四輪事業の収益回復を目指します。
同時に、事業規模に合わせた固定費削減など体質改善も進める方針です。

二輪事業と金融サービスが収益の支え

ホンダの強みは四輪事業だけではありません。
同社は
・世界最大級の二輪事業
・金融サービス事業
という安定収益源を持っています。

これらの事業は依然として高い収益力を維持しており、EV関連損失が発生する中でも、キャッシュ創出力は依然強いとされています。

配当は維持、株主還元方針は継続

今回の業績修正にもかかわらず、ホンダは配当予想を据え置く方針を示しました。
同社は株主還元指標としてDOE(株主資本配当率)を採用しており、短期的な利益変動に左右されない安定配当を重視しています。
また今回の業績悪化を受け、
・社長・副社長:月額報酬30%返上(3カ月)
・経営幹部:20%返上
など、役員報酬の自主返上も発表されました。

投資家の視点:EV戦略転換はリスクかチャンスか

今回の巨額赤字は、短期的には株価の重荷になる可能性があります。
しかし市場では、EV投資の過剰リスクを整理し、収益性を重視した戦略転換と評価する声も出始めています。
特にハイブリッド車は世界的に需要が強く、トヨタと並ぶ技術力を持つホンダにとって、競争力を取り戻す可能性もあります。
今後の焦点は
・5月に発表予定の中長期戦略
・ハイブリッド車の新モデル投入
・北米市場の収益回復
となりそうです。

EV戦略の見直しはホンダにとって大きな転換点となりました。巨額損失の先に、次の成長戦略が見えるのか。投資家の視線が集まっています。

3月12日の大引け後に発表された本件。PTSでは早くもホンダの株価が急落しています。

▼ホンダ株価推移(PTS) 2026年3月12日 19:00現在

ホンダ株価推移(PTS) 2026年3月12日 19:00現在

ホンダ株価推移(PTS) 2026年3月12日 19:00現在

明日 3月13日の金曜日も、朝からホンダ株が売られる可能性が高いでしょうね。一方、配当は維持の方針とのことですから、株価下落により利回り 5%ほどになります。高配当ということもあり、買いも入るかもしれません。ウォッチしていきたいと思います。

さてさて、つい最近までは日産自動車の経営が心配されておりましたが、ホンダまでも… 今まで日本を牽引してきた自動車産業は近い将来、主役の座を明け渡してしまうのでしょうか。ここで踏ん張って勢いを取り戻してほしいものです。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】

Honda Forecasts Record ¥690 Billion Net Loss as EV Strategy Reset Hits Earnings

Honda Motor announced on March 12 that it expects a net loss of up to ¥690 billion ($4.6 billion) for the fiscal year ending March 2026, marking the first net loss since the company was listed. The revised forecast sharply contrasts with the previous estimate of a ¥300 billion profit and follows major write-downs tied to its electric vehicle (EV) strategy overhaul.

The automaker decided to cancel three planned EV models for the North American market, including the Honda 0 SUV, Honda 0 Saloon, and Acura RSX, after EV demand slowed more than expected. The strategic shift will result in ¥820 billion to ¥1.12 trillion in operating expenses and ¥110–150 billion in investment losses, mainly from asset impairments and development cancellations.

Despite the earnings shock, Honda maintained its annual dividend forecast, emphasizing stable shareholder returns. The company plans to rebalance its strategy by strengthening hybrid vehicle development and expanding operations in key markets such as North America, Japan, and India, while relying on strong cash generation from its motorcycle and financial services businesses.

Honda said additional restructuring costs related to the EV strategy could reach up to ¥2.5 trillion in total in the coming years, as the automaker adapts to shifting global demand and intensifying competition in the EV market.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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