日産と三菱商事、自動運転サービス参入へ!株価インパクトやリスクを探る

日産と三菱商事、自動運転サービス参入へ!株価インパクトと投資リスクを探る 三菱商事

日産自動車(7201)と三菱商事(8058)は、2027年度から本格的な自動運転サービスを開始する方針を打ち出しました。両社が3月に折半出資で設立した合弁会社「Moplusモプラス)」を通じ、まずは都市部を中心にサービス展開を始め、2029年度までに100台規模の自動運転車両を導入する計画です。近年、何かとお騒がせな日産。一時は三菱商事による買収説なども噂されたりしておりましたが、業務連携は以前から行なっており、私が昨年11月4日の記事でもお伝えしたように、EVバッテリーや自動運転で提携も発表しておりました。

サービスの概要と技術的挑戦

提供を目指すのは、特定条件下で運転手なしに遠隔管理が可能な「レベル4」の自動運転サービスです。日産は電気自動車「リーフ」や「セレナ」をベースに実験車を開発中で、モプラスが事業主体として地域交通や自治体向けに乗り合いサービスを展開する見込みです。

11月からは横浜市でソフトバンク子会社などと協力し、最大20台規模の実証実験を開始予定です。こちらは「レベル2」相当の運転支援段階で、27年度までに技術水準をレベル4に引き上げる計画です。

日産にとっての意義

日産は現在、収益性の低下に直面しており、EPSが赤字PBRも0.27倍2024年10月12日の記事も参照)と低い評価に甘んじています。従来の自動車販売モデルから脱却し、モビリティサービス分野に活路を求めることは、生き残りをかけた戦略といえます。短期的には期待先行で株価が上昇する可能性がありますが、不確実性は依然高く、投資家にとってはリスクを織り込む必要があります。

三菱商事にとっての意義

一方で、財務基盤が盤石な三菱商事にとって、この事業はDX戦略やスマートシティ構想の一環と位置づけられます。単なる移動サービスにとどまらず、都市インフラ運営へと踏み込む壮大な戦略投資です。企業規模の大きさから株価インパクトは限定的とみられますが、長期的に新たな成長ドライバーとして期待されます。

市場環境と競争リスク

日産は現状「レベル2相当」の技術を持つに留まっており、都市部で完全自動運転を実現する「レベル4」への飛躍は大きな挑戦です。技術開発が遅れれば、先行するウェイモや百度との差が拡大する恐れがあります。

自動運転分野は米ウェイモや中国バイドゥなどが先行しており、競争環境は厳しい状況です。ウェイモはすでに日本でもデータ収集を開始しており、27年度時点では数年先行される可能性があります。また、巨額の初期投資や継続的な運営費が必要となるため、事業収益化までには時間を要する見込みです。

競合環境

ウェイモ(米Alphabet傘下)
すでに米国で商用サービスを展開、日本国内でも地図データの収集を開始。27年度時点で数年の先行優位を持つ可能性があります。

百度(中国)
中国国内で10都市以上に自動運転タクシーを展開。25年以降はアジア、中東、欧州へ進出予定で、国際市場での競争力は高いとみられます。

国内プレーヤー
ホンダはGMクルーズとの連携見直しを余儀なくされ、競争環境は再編段階です。日産・三菱にとっては競合減少のチャンスである一方、提携リスクの存在も示唆されています。

株価インパクトのシナリオ分析

日産

短期的シナリオ
市場では新規事業への期待感が先行し、株価は一時的に上昇する可能性があります。特にEVや自動運転といった成長テーマへのシフトは投資家心理を改善させやすいと考えられます。

中長期的シナリオ
成功には巨額の投資が必要で、収益化まで時間を要します。事業赤字が長期化すれば、キャッシュフローの圧迫要因となり、株価に下押し圧力がかかる可能性があります。EPS赤字、PBR 0.27倍という現状を踏まえると、事業成果が見えるまで市場は慎重なスタンスを取るでしょう。

三菱商事

短期的シナリオ
企業規模が大きいため、この事業単体での株価への影響は限定的です。ただし、DX戦略やスマートシティ事業の一環と評価され、中期的な成長ポテンシャルが意識される可能性があります。

中長期的シナリオ
インフラ構築や運営力を活かせば、新たな収益モデルの確立につながります。一方で長期のキャッシュバーンを伴うため、投資コミットメントの持続力が市場から注視されます。

投資家としての視点

本プロジェクトは日産にとっては「起死回生の一手」三菱商事にとっては「未来都市戦略の布石」と言えます。ただし、技術面のハードル、規制や社会受容性、両社の企業文化の違いなど、解決すべき課題は多く残されています。投資家は短期的な株価の変動にとどまらず、長期的なキャッシュフローへの影響と、両社の持続的な投資コミットメントを注視する必要があるでしょう。

私自身、日産の株は昨年すべて売却済みですが、三菱商事の株はメイン保有株の一つとして重要な株でもあります。明日からの株価の動向をウォッチしてまいります。

樺澤俊悟(SHUN)/ 三菱商事の株主として、三菱商事株主総会に出席。2025年6月20日、ザ・プリンスパークタワー東京 地下2階コンベンションホールにて。

SHUN// 三菱商事の株主として、三菱商事株主総会に出席。2025年6月20日、ザ・プリンスパークタワー東京 地下2階コンベンションホールにて。(C) STOCK EXPRESS

念の為ではございますが、投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

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PROFILE

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渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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