日本の大手自動車メーカー・日産自動車株式会社(NISSAN)が、西村あさひ法律事務所の太田洋弁護士を起用したことが本日11月21日明らかになりました。西村あさひ事務所は日本国内最大規模の大手法律事務所。太田洋弁護士は、敵対的買収防衛やアクティビスト・ファンド対応を得意としており、”村上ファンドの天敵弁護士”とも評される方。東京ドームや東芝機械(現 芝浦機械)を物言う株主から防衛した実績もあり、この分野での著書「敵対的買収とアクティビスト」も人気。
11月12日の記事でもお伝えしたように、”物言う株主”として有名な旧村上ファンド出身者(幹部の高坂卓志氏・今井陽一郎氏、佐藤久彰氏の3名)が設立した投資ファンド「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」が日産の大株主に躍り出ています。9月末時点で2.5%を保有したことが明らかになっており、現在はもっと保有比率を高めているかもしれません。彼らは日産のコーポレート・ガバナンスの問題点を改善して株価を上げようとしてくるでしょう。これは客観的に見れば良い側面が多いと思いますし、だからこそ、最近は株価も改善傾向にあったと思うのですが… 日産としては懸念を感じ、これに対抗して西村あさひ法律事務所の太田洋弁護士を起用したのでしょう。
私自身は先日、日産株を売却してしまっており、保有していないのですが、多くの株主は「物言う株主に日産をテコ入れしてほしい」と思っているのではないでしょうか? 今回の日産の動きは、株価的には逆風になってしまう懸念も感じます。
果たして、村上ファンドの天敵弁護士が日産の経営陣を守ることが日産の株主のためになるのか、あるいは、このまま停滞を続けてしまう要因になってしまうのか… 実に悩ましいところです。
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