日本の大手自動車メーカー・日産自動車株式会社(NISSAN)が11月7日(木)、決算発表を行いました。決算発表時間は、大引け後の16:40。10月26日の記事でもお伝えしたように、11月5日(火)から東証の取引時間が午後3時30分まで延長し、決算発表時間を前倒しする企業も多い中、日産は引け後を選びました。同日に発表したNTTの発表が場中だったのと対象的ですよね。
日産の決算発表内容は、非常に厳しいものでした。
【25年3月期第2四半期累計(4-9月期)の業績要点】
・営業利益:329億円(90.2%減)
・純利益:192億円(93.5%減)
・世界販売台数:158万5千台(3.8%減)
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内田社長は記者会見で「このような厳しい状況を迎えていることは、痛恨の極み」と心境を明かしました。
日産は、この業績不振に伴い、
・世界で9千人のリストラ(約1割の従業員)
・世界での生産能力を2割削減
を発表しました。
さらには、保有する三菱自動車の株式を一部売却し、内田社長の報酬を今月から50%返上(そもそも昨年度6億5,700万円の報酬ですから、もともと高いですよね)するようです。
株主に還元する配当は、今年9月の中間配当は無配… 来年3月の期末配当は従来25円が計画されていましたが、未定に変更されてしまいました。おそらく出ないでしょうね… 私も権利確定まで保有していたので、大変残念です(涙。内田社長も「痛恨の極み」でしょうけれど、株主にとっても同様です(汗。
なお、日産の想定為替レート(ドル円)に関して、以前は155円としていましたが、149円に修正したとのこと。せっかく155円に近づいていたのですが…w しかし、米国が利下げ方向へと進み、日本が利上げ方向へと進むわけですから、149円くらいが妥当かもしれません。
北米でのハイブリッド車がないのがネックか
業績不振の要因としては、日産の稼ぎ頭であった北米市場でEV需要が減速しハイブリッド車が広がっている中、日産はそのラインナップを持っていない点が大きいでしょうね。なにしと、EVシフトしておりますし。そこで、ディーラーへの販売奨励金を積み増ししたことも、コストがかさみ、収益悪化に繋がったといえるでしょう。しかも、中国でも日産EV車の売上が伸びていない状況ですから、八方塞がりな状況です。
株価の反応と造船太郎
さてさて、この決算発表を受け、大変気になるのが株価です。
日産の決算発表が大引け後だったこともあり、場中では株価は伸びていましたが、引け後、PTSは大幅に下落。370円くらいまで下げています。翌日11月8日(金)の9時は売りが集中するでしょうね。
ところで、日産株といえば、造船太郎氏。9月18日に彼が日産株を大量に購入した際は大いに市場をざわつかせました。なにしろ、MEGA BIGで話題になった人だけに、「今回も勝機を見出しているのでは?」と思わせたからです。しかし、その後、10月29日にまとめて売却、さらには、11月1日には再び大量購入、とめまぐるしい動きを見せていました。
今回の決算発表で、私は真っ先に造船氏の状況が気になって、彼のX(旧Twitter)を見てみると、決算直前の11月5日午前9時台に利確していたそうで。409.9円のタイミングなので、大損することを回避できたようです。その後の投稿で「売っといて良かった」と心境を明かし、さらには、「僕の配当300万返して。ネイルも叩き割りました。」と投稿。少し前までは、NISSANのロゴをネイルに入れてましたが、そのネイルも今は無くなってしまったようです。私自身、420円の時に売却済みでしたから、最近ではベストなタイミングで逃げられたと言っても良さそうです。
まあ、自動車メーカーは毎月、月次報告を公表しているので、株保有するかどうかは、日頃から報告の内容を確認した上で行うべきですよね、やはり。決算発表を見てから慌てるよりも、日頃のデーテを見て判断していくのが賢明でしょう。
大いに世間を賑わせた日産株。いずれにしても、日本を代表する歴史ある大手自動車メーカーですから、今後の再起を願って見守っていきたいと思います。造船太郎氏が去った今、再び、カルロス・ゴーン氏のような救世主が必要なのかもしれません。
(追加)株価は年初来安値 更新
上記は11月8日付けの記事ですが、昨夜てっぺん回ってから夜に書いておりました。
そして、朝が来まして、日産の株価をウォッチしてみたところ、案の定の暴落(汗。
年初来安値の370円でスタートしました。
昨日比で8%程の下落。
現在、昼休み中でして、下記が本日の前場の値動き。
寄りで売り注文が集中していたことがわかります。
その後、やや持ち直していますが、380円台にとどまっている状況です。
株価が低くなってきますと、通常は配当利回りが高くなることに期待が高まって買う方も出てくるものですが、現状の日産は配当が期待できなくなったこともあり、しばらくは買いが入る要素が少なさそうです。やはり、カルロス・ゴーン氏のような強い経営者の登場、あるいは、冴えた”物言う株主”の登場が必要なのかもしれません。
いずれにしても、私は日産株をすこし前に売却しており、現状は保有しておらず。復活を期待しつつ、長い目で見守っていきたいと思います。
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