2月8日の衆議院選で自民党が 316議席という歴史的大勝利を収めたことで、翌2月9日・10日の日本株市場は祭り騒ぎのような上昇を見せました。日経平均株価は57,000円を突破。そして、不動産株や防衛株、ネット関連株は急騰。しかし、NTTの株価はほとんど反応せず、2月10日の株価は約153.8円で終えました(汗。
▼NTT株価推移(2026年2月4日〜10日)

NTT株価推移(2026年2月4日〜10日)
こうした動きは多くの投資家に疑問を投げかけています。私自身もNTT株主としてもどかしい気持ちでです(笑。NTTは高市政権の方向性に親和性が高そうですし(昨年11月24日野記事参照:日本政府、「国家戦略技術」を創設!AI・半導体・通信・核融合・宇宙など6分野を重点支援へ)、私は選挙前は 株価が上昇するかな、と期待を持っていたのですが…
なぜNTTの株価は取り残されているのでしょうか?
以下にて詳しく見ていきましょう!!
NTT株が動かない背景 — 3つの逆風
・まず1つ目の逆風は NTTグループの業績懸念 でしょう。最新の決算では営業収益が10兆4,210億円と過去最高水準で増収増益となったものの、事業構造の変化や部門別の伸び悩みを受けて市場の評価は弱含みです。特に携帯事業の競争激化やドコモ部門のシェア低下が重視されており、成長性を懸念する声が出ています。
先日発表された決算でも、モバイル競争激化で減益見通しとの内容がありましたよね。
※2月5日の記事参照:【NTT 決算発表】26年3月期純利益を下方修正!モバイル競争激化で一転減益見通し、成長投資との両立が焦点に
さらに、NTTデータの完全子会社化によって有利子負債が大きく膨らんでおり、今後の金利上昇局面では負担増が懸念されます。
・2つ目は 政府保有株の将来売却リスク です。これまで政府は一定割合のNTT株を法律により保有してきましたが、今後の法律改正により政府株が市場に放出される可能性が指摘されており、需給面の悪化につながるとの懸念があります。これは市場心理にとって重石となっています。2024年春のNTT株価急落も、この懸念からでしたよね。まあ、私はそのタイミングから買い始めたのですが。
・3つ目は NTT法の見直し・廃止リスク です。政府主導で制度改革が進めば、完全民営化への道筋が開かれる可能性もありますが、制度設計や実行時期が不透明であるため、投資家は様子見姿勢を強めています。しかし、1月24日の記事(NTT法廃止論議が株価の行方を左右――経済安全保障と成長戦略の交差点に立つNTT)でもお伝えしたように、NTT法は、今までNTTの自由な経営判断や成長戦略を制約する足かせのような存在であったと見ることもでき、NTT法改正によって、自由度が増し、競争力が増す可能性も高いと思います。なので、私はNTT法改正もしくは廃止は、むしろ追い風的な側面が強いと感じております。
NTTの希望材料 — 潜在的な成長シナリオ
逆風がある一方で、 IOWN構想 などの将来技術はNTTの価値を大きく変える可能性があります。IOWNは次世代光通信技術であり、AI時代の電力消費やネットワーク需給に対応するもので、実用化フェーズへ進んでいます。商用展開の進展が具体化すれば、NTTは単なる通信企業から AIインフラ企業への変貌 を遂げる可能性があります。これは長期的な評価材料です。
また配当利回りは高水準であり、 配当利回り3%台を維持 している点は保有者にとって魅力的です。PERやPBRなどの指標も他の通信株やグロース株と比べて割安感があり、安定株としての位置づけも維持されています。
投資家としての具体的戦略
こうした環境下で 既にNTT株を保有している投資家は、慌てて売却する必要はないでしょう。配当利回りの高さや企業基盤の堅牢性を考えると、株価が横ばいでも配当収益を享受しながら、将来の材料が出てくるのを待つ戦略も有効です。
一方で 新規購入を検討している投資家 は、今すぐ全力投資をするよりも、 需給環境の不透明感が和らぐまで段階的に買い進める戦略 が賢明かもしれません。138円台など年初来安値に近い水準で押し目を拾うようにすることで、リスクを抑えた投資が可能となります。まあ、そこまで極端には下がらないと思いますが。
静かなるNTTの反転シナリオ
現在、日経平均が堅調に推移する一方でNTT株が取り残されている主因は、 政治リスクの後退とは別の企業固有リスク に市場が注目している要因が大きそうです。しかし、長期的な成長シナリオや技術ポテンシャル、そして配当政策は依然として投資家に魅力的な要素を提供していると思います。政府保有株の扱いや技術商用化の進展など、 NTT株価の転換点となるイベントが現実化したときこそ、次の大きな投資機会が到来する可能性 があることは頭に入れておきたいところです。
NTTは比較的高配当ですし、連続増配を続けてくれていますから、私は引き続き保有し、株価が150円くらいの時には買い増しも続けようと思っています。昨年11月6日の記事(【NTT】“150円で買って160円で売る”レンジ投資法が有効かも)でもお伝えしたように、NTTの株価は150円と160円を行ったり来たりしていますから、適宜売買を繰り返して利ざやも得つつ、見守っていきたいなと。
株価が低迷しているということは、買い増ししやすいという側面もありますから、私はポジティブにとらえて対応していこうと思っています。一方、KDDIのように、ずっと株価が冴えないなと思っていたら、大きな問題が発覚した事例もありますから、リスクがないかどうかはウォッチしておきたいところです(汗。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
NTT Shares Lag Despite Japan Market Rally After Election
Despite a record surge in Japanese stocks following the landslide victory of the Liberal Democratic Party in the recent general election — which lifted the Nikkei 225 above 57,000 points on strong investor optimism — NTT’s share price has remained essentially flat around ¥150 and failed to participate in the market rally.
While broader indices climbed on expectations of fiscal stimulus and political stability, NTT’s stock showed limited movement even as the market boomed, reflecting company-specific concerns that investors view as counterweights to broader market strength.
One key issue is NTT’s corporate performance and outlook. Recent financial data show that NTT revised its full-year earnings forecasts downward despite solid revenue, largely due to challenges in its competitive mobile business and integration impacts from acquisitions. Additionally, the structure of its share ownership — including a significant portion historically held by the government — and potential future changes in that ownership have created uncertainty over future share supply and valuation.
For international investors, this relative weakness suggests that NTT’s current valuation largely reflects its traditional telecommunications business, with limited upside from broader market sentiment. However, dividend yields and strategic investments in new technologies such as next-generation networks remain longer-term positives to monitor.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.




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