ホンダ、四輪赤字とEV逆風を乗り越えられるか ― 大幅減益決算と構造改革、株主還元強化で問われる再成長シナリオ ―

ホンダ、四輪赤字とEV逆風を乗り越えられるか ― 大幅減益決算と構造改革、株主還元強化で問われる再成長シナリオ ― 自動車株

4~12月期は大幅減益、四輪事業が足を引っ張る結果に

ホンダが2月10日に発表した2025年4~12月期の連結決算(IFRS)は、純利益が前年同期比42%減の4,654億円となり、2年連続の減益となりました。売上収益は15兆9,756億円と微減にとどまったものの、営業利益は48%減の5,915億円と大きく落ち込みました。

最大の要因は四輪事業の急失速です。同事業の営業損益は1,664億円の赤字と、前年同期の4,026億円の黒字から大きく悪化しました。北米を中心としたEV市場の減速、米国関税の影響、EV関連の一過性費用約2,670億円の計上が利益を大きく圧迫しました。

二輪・金融は堅調も、EV戦略の見直しが重荷に

一方で、二輪事業は新興国を中心に販売が伸び、堅調な利益を確保しました。また金融サービス事業も安定的な収益を維持しており、ホンダ全体としての収益基盤の厚みは依然として健在です。

ただし、EV市場環境の急変を受け、ホンダは2030年時点のEV販売比率目標を従来の30%から20%へ引き下げました。EVモデルの開発中止や生産縮小に伴う減損・引当金計上が短期的な業績悪化につながっており、電動化戦略の再構築が急務となっています。

通期予想は据え置き、自社株消却で資本効率を強化

2026年3月期通期の業績予想については、営業利益5,500億円、純利益3,000億円と従来見通しを据え置きました。市場予想は下回るものの、業績の下振れリスクを織り込んだ慎重な姿勢がうかがえます。

同時に、ホンダは発行済み株式の14.1%にあたる約7億4,700万株の自己株消却を発表しました。資本効率向上を明確に打ち出す姿勢は、株主還元を重視する投資家にとって一定の評価材料となりそうです。

開発体制を再分離、「技術のホンダ」回帰を狙う

注目すべき動きとして、四輪開発部門を本社から分離し、本田技術研究所へ再移管する組織改革を決定しました。開発を経営管理から切り離し、自由度の高い環境で次世代車の競争力を高める狙いがあります。

中国EV勢や米国勢が先行する自動運転・ソフトウェア分野での巻き返しに向け、効率よりも「技術力の再構築」を優先する姿勢が鮮明になりました。日産との経営統合が破談となった後も、北米生産やソフトウェア分野での連携を模索しており、外部協業も重要な鍵となります。

投資家視点:短期逆風、長期は再評価余地も

足元ではEV市場の減速や四輪事業の赤字が重く、業績モメンタムは弱い状況です。しかし、潤沢なキャッシュ、安定した二輪・金融事業、そして大規模な株主還元策はホンダの下支え材料となります。
構造改革が実を結び、次世代車で再び競争力を示せるか。ホンダ株は今後、「短期の業績回復」よりも「長期の技術再生ストーリー」が問われる局面に入ったと言えそうです。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

STOCK EXPRESS車掌 SHUN

株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS
ぜひ、ブックマークしてご購読くださいませ。
▼記事更新通知は 私のXにて♪
https://x.com/shun699

【Dear Overseas Investors: Summary in English】

Honda Faces Earnings Pressure as Auto Business Struggles, Steps Up Structural Reform

Honda Motor reported a sharp decline in earnings for April–December, with net profit down 42% year on year, dragged by heavy losses in its automobile business. Weak EV demand, U.S. tariffs, and one-off EV-related costs pushed the auto segment into the red, despite solid performance in motorcycles and financial services.
For the full year ending March 2026, Honda kept its profit outlook unchanged but announced the cancellation of 14.1% of outstanding shares to improve capital efficiency. The company is also restructuring by moving vehicle development back to its R&D subsidiary, aiming to restore technological competitiveness amid intensifying global EV competition.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

コメント

PROFILE

【STOCK EXPRESS(ストックエクスプレス)】(略称:STOCK.EX)株主視点の経済ニュース考察を発信してまいります!
語り手は、SHUN
渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

▼お問い合わせ

REQUEST(お問い合わせ)
下記メールアドレス(⭐︎を@に変えてお送りくださいませ。)s⭐︎shun.onl

▼Privacypolicy

Privacy policy (プライバシーポリシー)
私達のサイトアドレスは です。当サイトは、個人情報の保護に関する法令及び規範を遵守するとともに、以下のプライバシーポリシーに従い、ご提供いただいた個人情報を適切に取り扱い、及び、保護に努めます。また継続的な見直し、改善を行ないます。【個人情…

PVアクセスランキング にほんブログ村

タイトルとURLをコピーしました