造船太郎(ぞうせんたろう)氏が本日11月1日、大手自動車メーカー・日産自動車株式会社(NISSAN)株を大量に購入したことを自身のX(旧Twitter)にて明らかにしました。株の数は、55万株。約2億円分です。造船氏といえば、つい先日10月29日、保有していた日産株をすべて利確したことを明らかにしたばかり。わずか、3日間で買い戻すとは、私も驚きました。
確かに、造船氏が10月29日に売却した際、「政治情勢が不安定で決算も微妙そうなので一旦売りました。」とコメントしており、「一旦」という言葉から、いずれ良きタイミングで再び購入するのだろうな、ということは予感しておりました。しかし、これほど早いタイミングだとは。個人的には、早すぎる気がしますが。。ちなみに、造船氏が10月29日に利確した時点での日産株価は、およそ410円。そして、本日買い戻した時点での株価は、401.8円程。確かに、本日は東京市場全体が株価下落基調にあり、買うには良いタイミングだったとも言えるかもしれませんね。造船氏は株価が落ち始めたタイミングで一旦利確し、その後、落ちきったと思われるタイミングで買い戻したわけで、8円程度の損失を防げたわけです。
本日は金曜日ということもあり、週末を迎えるにあたってのリスク回避の意味合いもあって、結構な株が売られたと思われます。しかし、このタイミングで造船氏が買い向かったということは、彼の頭の中でのシナリオとしては、週末に株価が下落するようなリスクはないこと、そして、株価にプラスになるような出来事が起こる可能性があること、などを想定しているのかもしれません。
確かに、先週末の衆院選で与党が過半数割れした際には、政局不安から株価下落の懸念も広がりましたが、その後の政治展開を見ておりますと、比較的安定するのではないか、と思われる展開になってきています。というのも、首相指名選挙で石破総理は勝てるのかどうか(立憲民主党の野田氏が総理になるのではないか)との懸念がありましたが、鍵を握っている国民民主党の玉木代表が自身に投票する意向を明らかにしているため、与党が数で上回る可能性が濃厚になってきたのです。玉木代表が野田氏に投票すると、野党が優勢になる可能性もありましたが、その可能性が低くなってきました。これにて、与党継続の可能性が高まり、政局不安が払拭できたのかと。
また、日産の業績見通しに関して、10月29日の記事でもお伝えしたように、為替レートが日産の想定為替レートに近づいてきたこともプラス材料かと。一時期、夏に円高に転じ始めていた際には、日産の想定がズレていると炎上しかけていたものの、今では最も想定レートが現実に近い企業になってきているのです。
ご参考までに、自動車系輸出系各社の想定為替レート一覧を下記にて再掲載。
豊田自動織機 148円
トヨタ自動車 145円
デンソー 145円
アイシン 145円
ニデック 145円
スズキ 145円
マツダ 143円
三菱自動車 142円
SUBARU 142円
ホンダ 140円
ヤマハ発動機 140円
アドバネクス 140円
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日産の日本国内の業績は、それなりに良いと思います。「国内10月販売台数速報」が発表されましたが、日産は2万2362台で 前年比プラス2.6%。
ご参考までに、自動車メーカー各社の国内10月販売台数を下記に掲載。
ホンダ 2万9311台 前年比プラス7.2%
日産 2万2362台 前年比プラス2.6%
スズキ 1万1371台 前年比プラス19.8%
マツダ 1万1344台 前年比プラス0.5%
スバル 7616台 前年比マイナス13.6%
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各社とも比較的順調に伸びておりますよね。
一方、ボリュームの大きな北米事業での業績が肝かなと。来週、10月度の北米業績が報じられると思うので、その数値に注目ですね。
さらに、11月7日に予定されている、日産の2025年3月期第2四半期決算発表にも注目したいです。正直なところ、この決算に関しては、まだまだ数値は微妙かなと私は予想しております。業績が本格的に復活していくには、時間がかかるでしょう。
長い目で見つつ、将来に向かって、日産からの事業に関する新情報の発信にも注目していきたいと思います。
さらに気になる世界情勢としては、米国大統領選。トランプ優勢が伝えられていますが、トランプ氏勝利の場合、円高ドル安方向に進む可能性が高く、日産をはじめとした自動車関連企業の株価は下落の可能性も高いかもしれません。このあたりについて、造船太郎氏が どのように読んでいるのか、聞いてみたいところです。
週明けの動向に注目しつつ、週末を過ごしたいと思います。
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