1月5日の大発会で、東京電力ホールディングス(9501)の株価が急騰し、市場の注目を集めました。株価は前日比60.7円高(+9.23%)の718.0円で取引を終え、東証プライム市場の値上がり率ランキングで2位にランクインしました。背景には、同社が今後10年間で11兆円超に及ぶ大規模な新規投資を計画しているとの報道があり、成長期待が一気に高まった格好です。
▼東京電力HD 株価推移(2025年12月29日〜2026年1月5日)

東京電力HD 株価推移(2025年12月29日〜2026年1月5日)
以下にて詳しく見ていきましょう!
11兆円超の成長投資計画が株価を強く刺激
今回の株価急騰の最大の材料は、東京電力HDグループ全体での大規模な成長投資計画です。発電事業会社JERAの持ち分を含めたグループ合算で、今後10年間に11兆円超を投じる方針が明らかになりました。これは直近10年間(2015~2024年度)の投資額約7兆円と比べて約1.5倍にあたります。
投資の柱は、原子力発電と再生可能エネルギーです。脱炭素化の流れを踏まえ、2040年度には電力供給に占める脱炭素電源の割合を6割超へ引き上げる目標を掲げました。24年度時点では約2割にとどまっており、長期的な電源構成の大転換を進める姿勢が鮮明になっています。
柏崎刈羽原発再稼働が収益改善の起爆剤に
短期的な業績改善要因として注目されるのが、柏崎刈羽原子力発電所6号機の再稼働です。東京電力HDは1月20日に再稼働を予定しており、これにより年間で約1000億円規模の収支改善効果を見込んでいます。
同社は福島第1原発の廃炉・賠償費用を抱え、長年にわたり財務面で厳しい状況が続いてきました。柏崎刈羽原発の再稼働は、電源の安定化と同時に、収益体質の立て直しに向けた重要な一歩と位置付けられています。投資家からは「再稼働の進展が見えたことで、先行き不透明感が後退した」との見方も出ています。
AI時代を見据えたデータセンター向け電力供給戦略
中長期の成長ドライバーとして市場が評価しているのが、AIやデジタル化の進展に伴う電力需要の拡大を取り込む戦略です。東京電力HDは、データセンター向けの電力供給に本格的に注力する方針を示しています。
首都圏では、AI開発やクラウド需要を背景にデータセンターの建設が急増しています。同社は送電網の整備に約2兆円を投じ、2040年度に首都圏で12ギガワットの電力供給を目指します。これは24年度実績の2.2ギガワットから約5.4倍に拡大する計画で、世界的にもトップクラスの成長率を実現するとしています。
外部資本も活用し「稼げる企業」への転換を目指す
もっとも、東京電力HD単独でこれだけの投資資金を賄うのは容易ではありません。直近の業績を見ると、連結最終損益は赤字が続き、フリーキャッシュフローも7年連続でマイナスとなっています。そこで同社は、国内外のファンドやインフラ関連企業などからの出資を募り、外部資本を積極的に活用する方針です。
筆頭株主である原子力損害賠償・廃炉等支援機構とともに策定する新たな経営計画では、成長投資と財務改善を両立させ、「稼げる企業体制」への再構築を打ち出す見通しです。
投資家の視線は「実行力」と「収益化」に
今回の株価急騰は、東京電力HDが脱炭素とAI需要という二つの大きな潮流を成長機会として明確に打ち出した点が評価された結果といえます。一方で、巨額投資の実行力や、原発再稼働の着実な進展、データセンター向け電力供給の収益化など、今後の課題も少なくありません。
市場では「長期ビジョンは評価できるが、実際に利益を生み出せるかが次の焦点」との声が多く、東京電力HDの次の一手に投資家の注目が集まっています。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
TEPCO Shares Surge on ¥11 Trillion Growth Investment Plan
Tokyo Electric Power Company Holdings (TEPCO) shares jumped sharply on January 5, closing at ¥718, up 9.2% from the previous day and ranking second among gainers on the Tokyo Stock Exchange Prime Market.
The rally was driven by reports that TEPCO plans more than ¥11 trillion in new investments over the next decade. The group aims to expand spending on nuclear power and renewable energy, raising the share of decarbonized power sources to over 60% by fiscal 2040, from about 20% currently.
A key near-term catalyst is the planned restart of the Kashiwazaki-Kariwa Nuclear Power Plant Unit 6 on January 20, which is expected to improve annual earnings by around ¥100 billion.
TEPCO is also positioning itself to benefit from rising electricity demand linked to AI and digitalization. The company plans major investments in transmission networks to supply data centers in the Tokyo metropolitan area, targeting 12 gigawatts of capacity by 2040.
Given its strained finances, TEPCO intends to привлеч external capital from domestic and overseas funds and infrastructure investors. Markets are now focused on the execution of its investment plan and its ability to translate large-scale spending into sustainable earnings growth.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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