対抗TOBが成立、株主還元を重視する動きが奏功
カーケア用品大手のソフト99コーポレーション(東証スタンダード上場)をめぐる株式公開買い付け(TOB)を巡り、投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネジメントによる対抗TOBが成立しました。これによりエフィッシモは議決権ベースで約36%を保有する筆頭株主となり、ソフト99の経営方針に大きな影響を与える立場となります。当サイトでも9月20日の記事(ソフト99 × エフィッシモ攻防戦――「PBR1倍割れMBO」に挑む対抗TOBの行方)から第5章まで特集してまいりましたが、遂に第6章にて決着、というカタチになりました。今までの経緯も踏まえ、以下にて詳しくご説明していきます。
MBOは不成立、創業家主導の非公開化計画が頓挫
ソフト99はこれまで、創業家出身の田中秀明社長が全株式を保有する特別目的会社「堯(ぎょう)アセットマネジメント」を通じてMBO(経営陣による自社買収)を進めていました。目的は、カーケア市場のニーズ変化や環境規制の強化といった不確実性の高い事業環境の中で、中長期的な成長戦略を迅速に実行できる体制を整えることでした。田中社長側は当初、1株2465円でTOBを開始(2024年8月7日)し、後に2680円へ引き上げました。しかし最終的な応募株数は560万1461株にとどまり、下限(756万6400株)に届かずMBOは不成立となりました。
エフィッシモが1株4100円提示、少数株主保護を訴え
一方でエフィッシモは、ソフト99によるTOB価格が「PBR(株価純資産倍率)1倍を下回る著しく割安な水準」であり、少数株主の利益が損なわれると強く批判しました。
この懸念を背景に、エフィッシモは9月16日から11月13日まで独自のTOBを実施し、1株4100円という高水準の買い付け価格を提示しました。これはソフト99側の提示額より約66%高い価格にあたります。
その結果、エフィッシモは676万7917株(31.3%)の応募を獲得し、買い付け予定数の下限(616万3300株)を上回りました。既存保有分と合わせ、議決権ベースで約36%の株式を握ることとなりました。
今後の焦点:ガバナンス改革と資本政策
今回の結果により、ソフト99の非公開化計画は頓挫し、経営体制の見直しが避けられない状況です。筆頭株主となったエフィッシモは、ガバナンス改善や資本効率の向上を重視する姿勢で知られており、今後の経営方針や株主還元策への影響が注目されます。
特に、カーケア用品や住宅ケア関連事業など成熟産業における成長戦略をどのように再構築するのかが焦点となるでしょう。株主からは、資本政策の透明化や成長分野への投資拡大を求める声が強まる可能性があります。
株価への影響と投資家視点
今回のTOB成立により、ソフト99株価は企業価値見直しの動きが強まる局面にあります。市場では、エフィッシモの経営関与による資本効率改善期待が高まる一方、経営陣の体制再編や株主構成の変化に伴う中期的な不透明感も意識されています。
投資家にとっては、今後の株主還元方針やガバナンス強化策の行方を注視する局面となりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
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【ソフト99劇場:今までの展開】
・第1章:ソフト99 × エフィッシモ攻防戦――「PBR1倍割れMBO」に挑む対抗TOBの行方
・第2章:ソフト99、MBOを巡り対抗TOB勃発!2位株主 KeePer技研の判断がカギに
・第3章:ソフト99、MBO vs. エフィッシモの対抗TOBで揺れる —MBOの株式公開買付価格引き上げ、期間も延長
・第4章:ソフト99、TOBをめぐり新局面へ!大株主キーパー技研が方針転換、エフィッシモの対抗TOBに応募
・第5章:ソフト99、TOBをめぐる攻防が新局面へ!エフィッシモが買付期間を延長、MBO側も歩調を合わせる





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