本日2025年10月28日、イビデン<4062>の株価は大幅続伸となりました。背景の一つは、10月27日の記事(ニデック、特別注意銘柄に指定へ)でもお伝えしたように、ニデックの不適切会計問題に端を発して、日経平均株価の構成銘柄を入れ替えると発表し、ニデックを除外し、イビデンを新たに採用することが決定したこと。この発表を受け、ニデックの株価がストップ安になるのを横目に、イビデンの株価は急騰。日経平均株価の構成銘柄に入ることが材料視されています。入れ替えは11月5日に実施される予定で、SMBC日興証券によれば約3,300億円規模の買い需要が発生し、16日分超の売買インパクトが見込まれています。リバランスは11月4日の大引けで行われる見通しです。これを受け、市場ではイビデン株への資金流入が加速しています。
▼イビデン株価推移(2025年10月23日〜28日)

イビデン株価推移(2025年10月23日〜28日)
インテル×エヌビディア提携の恩恵を受ける稀有な企業
9月28日の記事(イビデン、AI市場で存在感拡大へ!エヌビディアとインテルの提携が追い風に)でもお伝えしたように、エヌビディアによるインテルへの出資(総額50億ドル)を受け、両社の戦略的パートナーシップが注目されています。データセンター向けおよびPC向けの共同開発を進める両社において、イビデンは極めてユニークな立場にあります。
同社はかつてインテル向け売上が8割近くを占めていた一方で、現在はエヌビディアのGPU向けパッケージ基板を独占的に供給しているとされ、両社の主要サプライヤーとして強固な関係を築いています。このため、インテルとエヌビディアの提携によって、イビデンは双方からの受注拡大が期待される「橋渡し的存在」となっています。
岐阜・大野新工場が稼働、AIサーバー基板の生産能力を拡大
10月10日には、岐阜県大野町に新設された大野事業場の開所式が行われました。同拠点では高機能ICパッケージ基板の量産が開始され、生成AIサーバー向け製品の生産能力を2024年度比で約1.5倍に引き上げる計画です。大野事業場はイビデン最大規模の工場であり、河島浩二社長は「世界最先端の生産設備を導入した」とコメントしています。
同社は2025年度に1,000億円規模の設備投資を予定しており、2027年度に向けてさらなる増産体制を整備する見込みです。AIサーバー需要の急拡大に対応するため、残りの建屋スペースや新たな工場建設も視野に入れています。
AIブームを追い風に過去最高益更新へ
イビデンの2026年3月期第4四半期決算では、電子事業の営業利益が前年同期比で164%増と大幅な伸びを示しました。生成AIサーバー向け需要が業績を強力に牽引しており、AI関連基盤の世界的な需要増加が同社の収益拡大を後押ししています。
さらに、同社は2027年までにAI基盤の生産能力を2024年比で2.5倍に拡大する計画を掲げています。加えて、「ガラスコア基盤」や「コパッケージドオプティクス(光技術統合基盤)」など次世代技術の開発にも注力し、半導体パッケージ分野での競争優位を維持・強化する方針です。
中期成長戦略:2030年に売上7,500億円へ
中期経営計画では、2030年度に売上高を現状比2倍の7,500億円規模に拡大し、営業利益率15〜20%の達成を目指しています。AI市場の拡大を背景に、イビデンは日本を代表する半導体材料メーカーとして、今後も成長が期待される銘柄です。
イビデンは日経平均採用を追い風に、AI関連投資拡大と世界的な半導体需要の高まりを背景に、株式市場で注目度が一段と高まっています。エヌビディアとインテルという2大顧客を抱え、AI時代の「基盤を支える企業」として、長期的な成長ストーリーが描かれています。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
ぜひ、ブックマークしてご購読くださいませ。
▼記事更新通知は 私のXにて♪
https://x.com/shun699





コメント