ソフト99、TOBをめぐる攻防が新局面へ!エフィッシモが買付期間を延長、MBO側も歩調を合わせる【ソフト99劇場:第5章】

ソフト99、TOBをめぐる攻防が新局面へ!エフィッシモが買付期間を延長、MBO側も歩調を合わせる M&A・TOB・アクティビスト

カーケア用品大手のソフト99コーポレーション(東証スタンダード)をめぐり、旧村上ファンド系の投資ファンド・エフィッシモ・キャピタル・マネージメントと、同社経営陣によるMBO(経営陣が参加する買収)の対立が続いています。当サイトでも第1章から第4章までお届けしてまいりましたが、今回は第5章。ロングシリーズ化しつつあります(笑)。
両者はそれぞれ実施しているTOB(株式公開買い付け)の期限を11月13日まで延長することを発表し、攻防は新たな局面を迎えました。

エフィッシモ、TOB価格は据え置きで延長

エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは10月29日、TOBの期限を10営業日延長し、11月13日までとすることを発表しました。買付価格は1株4100円で据え置きとなります。
同社は延長の理由について、「応募状況に鑑み、株主に更なる判断機会を提供し、成立の確度を高めるため」と説明しています。

エフィッシモは9月16日、ソフト99経営陣によるMBOに対抗する形でTOBを開始しました。これは、「少数株主の利益が十分に保護されていない」との判断に基づくものです。
ソフト99の第2位株主で約12%の株式を保有するキーパー技研が、すでにエフィッシモのTOBに応募する意向を示しており、動向が注目されています。(10月15日の記事参照:ソフト99、TOBをめぐり新局面へ!大株主キーパー技研が方針転換、エフィッシモの対抗TOBに応募

MBO側もTOB期間を4度目の延長

一方、ソフト99コーポレーションも10月31日、自社によるMBOのTOB期間を同じく11月13日まで延長すると発表しました。これで期間延長は4度目となります。買付価格は1株2680円で据え置かれました。
ソフト99側は10月17日に当初の2465円から215円引き上げたものの、エフィッシモが提示する4100円との差は依然として大きいままです。
同社は「非公開化後の経営見通しや財務負担を踏まえると、さらなる価格引き上げは困難」との立場を示しています。

株主の判断が焦点、形成するのは“揺れる心理”

両者のTOB期間がそろったことで、株主にとってはどちらに応募するかの選択が迫られます。
市場関係者の間では「キーパー技研の動きに加え、4100円という高い提示価格を前に、どちらに応募するか迷う株主が一定数存在している」との見方が出ています。
MBOの買付価格がエフィッシモの提示額に大きく劣ることから、価格差が株主判断の最大の要因となっています。
一方で、経営陣による安定的な企業運営を重視する株主もおり、意見は割れています。

MBOを巡る環境に“暗雲”も

近年、上場企業の非公開化を目的としたMBOが相次いでいますが、アクティビスト(物言う株主)による介入が増え、買付価格の妥当性がしばしば議論となっています。
今回のソフト99のケースも例外ではなく、「経営陣によるMBOは本当に株主全体の利益にかなうのか」という問いが改めて浮上しています。
市場では、MBO発表後に株価が買付価格を上回るケースが多く、TOBの成立が難航する例も見られます。
今回のソフト99のTOBも、株価水準や主要株主の動向次第では、今後の展開がさらに流動的になる可能性があります。

今後の見通し

両TOBの期限がそろったことで、11月13日が大きな分岐点となる見通しです。
市場関係者の間では、「キーパー技研を含む主要株主の最終判断が、買収構図の行方を決定づける」との見方が強まっています。
株主にとっては、経営陣による安定志向のMBOを支持するか、株主価値を最大化しようとするエフィッシモの提案を取るか、慎重な判断が求められます。

両者の思惑が交錯する中、11月13日を迎えるまでの株主動向と市場反応に、引き続き注目が集まりそうです。当サイトでは次回もその動向をお伝えします。いよいよ第6章へ突入し、決着するのでしょうか?注目してまいります。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

STOCK EXPRESS車掌 SHUN

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【ソフト99劇場:今までの展開】
・第1章:ソフト99 × エフィッシモ攻防戦――「PBR1倍割れMBO」に挑む対抗TOBの行方
・第2章:ソフト99、MBOを巡り対抗TOB勃発!2位株主 KeePer技研の判断がカギに
・第3章:ソフト99、MBO vs. エフィッシモの対抗TOBで揺れる —MBOの株式公開買付価格引き上げ、期間も延長
・第4章:ソフト99、TOBをめぐり新局面へ!大株主キーパー技研が方針転換、エフィッシモの対抗TOBに応募

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【STOCK EXPRESS(ストックエクスプレス)】(略称:STOCK.EX)株主視点の経済ニュース考察を発信してまいります!
語り手は、SHUN
渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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