エフィッシモの動き
アクティビスト投資家として知られるエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが、太平洋工業株式会社(7250)の株式を買い増し、保有比率を10.45%に引き上げたことが9月17日提出の変更報告書で明らかになりました。報告義務発生日は9月9日です。同ファンドは直前の11日に9.35%保有を報告しており、短期間で持ち株を増やしています。
エフィッシモは「投資および状況に応じた経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」を保有目的として掲げており、単なる投資以上のスタンスを取る可能性がうかがえます。
太平洋工業は、岐阜県大垣市に本社を置く企業で、自動車部品や家電製品、電子機器製品を製造・販売しています。以下に同社の動向を詳しく見ていきましょう。
太平洋工業のMBOとTOB
太平洋工業は7月にMBO(経営陣が参加する買収)を発表し、非公開化に向けたプロセスを進めています。創業家が出資する特別目的会社を通じて自社株を買い取り、長期的な成長戦略に集中できる体制を整えることが狙いです。
・TOB価格:1株2050円
・最低取得目標:62.02%
・TOB期間:当初9月8日まで → 延長して9月24日まで
背景には、自動車産業の「電動化シフト」があります。太平洋工業は2030年度までにEV関連部品の売上比率を70%に高める方針を掲げており、大規模な設備投資を計画しています。非公開化することで、市場の短期的な利益圧力から解放され、長期的な投資判断を取りやすくする狙いがあります。
▼TOBとは・・・
https://stockexpress.jp/tob/
株価の推移と市場の見方
▼太平洋工業 株価推移(2025年9月1日〜18日)

太平洋工業 株価推移(2025年9月1日〜18日)
株価はTOB価格を大幅に上回っており、9月17日の終値は2671円、翌18日も2662円と高値圏を維持しました。ただし、18日は7日続伸後の反動から売りに押される場面もありました。
市場では「TOB価格2050円と現株価の乖離が大きいことから、応募するメリットは乏しい」との声が強まっています。一方で、エフィッシモのようなアクティビストの買い増しは「TOB価格の引き上げを促すのでは」との思惑を呼び、株価を下支えする要因となっています。
投資家として
今回の事例は、MBO案件としてだけでなく、アクティビストと経営陣の思惑が交錯する点でも注目されます。
1.短期的な視点
TOB価格と市場価格の差を利用した売買チャンスが発生しています。市場での売却が現状では有利ですが、価格見直し観測もあり、動向次第ではさらに上振れる可能性があります。
2.中長期的な視点
非公開化が成立すれば株式は市場で取引できなくなるため、投資家は応募するか売却するかの判断を早めに下す必要があります。
3.戦略的な視点
自動車部品業界では電動化対応をめぐる再編が進んでおり、太平洋工業の動きは業界全体の流れの一部と位置づけられます。他の部品メーカーにも非公開化や統合の動きが波及する可能性があり、セクター全体の投資判断にも影響を与えるでしょう。
エフィッシモによる太平洋工業株の買い増しは、単なる株式保有比率の引き上げにとどまらず、MBO進行中の企業に対するアクティビストの影響力を示すものです。電動化という産業変革期において、経営戦略と株主の利害がどのように交錯していくのか、投資家にとって注視すべき事例となっています。
念の為ではございますが、投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【続編】(10月8日)
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(太平洋工業、株価はTOB価格を大幅に上回り、MBO成立見通しに不透明感!TOB期間を再延長)





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