美容脱毛サロン業界のトップ企業「ミュゼ・プラチナム」が、2025年8月18日、運営会社MPH(東京)による破産開始決定を受けました。負債総額は約260億円、債権者は約20万人に上ります。
そのミュゼの苦境が、かつて家電業界で北米市場を席巻した船井電機の再建失敗や破産を加速させたとの見方が浮上しています。両社に共通するのは、異業種M&Aにおける“資金リスクの連鎖”といえる構造的な脆弱性です。
背景①:ミュゼ・プラチナムの経営不振
・創業と急成長
ミュゼは2003年創業、リーズナブルな価格帯と豊富なキャンペーンで全国展開を果たし急成長しました。
・度重なる広告費未払い
2015年には前運営会社「ジンコーポレーション」が広告費約20億円の未払いで問題を抱え、事業譲渡を余儀なくされました。以後も経営体制は安定せず、2019年には当期赤字約20億円を計上。
背景②:船井電機の経営再建への挑戦
・業績低迷の歴史
かつて北米で液晶テレビシェア1位を誇った船井電機は、その後中国メーカーとの価格競争に苦しみ、赤字や売上減少が続きました。
・秀和システムによるTOBと再建の失敗
2021年に秀和システム(出版社)によるTOBで非上場化。その後、上田智一氏がHD体制において再建を模索しましたが、思うような改善には至らず。
転機:ミュゼ買収と“ミュゼ転がし”
・美容分野への多角化
船井電機HDは2023年4月、美容事業への成長期待からミュゼ・プラチナムを完全子会社化しました。上田氏は家電の低迷を補うため「粗利益の高い美容分野に再建の可能性を見出した」とコメントしています。
・買収の誤算と負担増大
買収後にミュゼが抱える広告費未払い(約22億円)が明らかになり、船井電機が連帯保証を負う羽目になりました。この資金支出が資金繰りを急激に悪化させる大きな要因となりました。
・“ミュゼ転がし”の構図
このM&Aと売却の流れは“ミュゼ転がし”と呼ばれ、資産切り売り型の資金調達手法として批判されました。2024年3月にはミュゼをKOC・JAPAN社へ売却するなどの動きがありました。
破局:船井電機破産へ
・株式仮差し押さえ・準自己破産
広告費問題をめぐり、広告会社が船井電機HD株の仮差し押さえを申請、認められたことで資金ショックは致命的に。
2024年10月、ついに準自己破産申請が行われ、経営は行き詰まりました。
・影響の波及
負債総額は460億円に達し、数百人の従業員が即日解雇されました。本業再建の余地を失ったM&Aは、逆に企業の崩壊を加速させる結果となりました。
最新情報:ミュゼ・プラチナムの破産決定
・本日、破産開始決定
2025年8月18日、東京商工リサーチが発表。ミュゼ運営のMPHに対し、東京地裁から破産開始決定が下されました。債務総額は約260億円、債権者には顧客を含む約20万人が含まれていますリビンマガジンBizデイリースポーツ。サービスは別会社が引き継いでおり、破産対象外とされています。
・前倒れた清算プロセス
なお、2025年6月2日にはMPHが株主総会で解散を決議し、清算手続きを進めていたことも報じられています。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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