船井電機 破産の要因は何だったのか?

船井電機株式会社 株式劇場

電機メーカー「船井電機」といえば、私にとって思い出のあるメーカー。18歳の頃、上京して一人暮らしを始めた頃、買ったビデオデッキが船井電機のものだったのです。確か前面に「FUNAI」のロゴが目立ってました。当時、私は両国に住んでいて、船橋屋というディスカウントストアでビデオデッキを探していた時、手頃な料金で売られていたのを見つけ、購入したのでした。SONYやVICTORなどのメジャーなロゴではないけれど、故障もせずに大学時代を通して使えていた気がします。

昨日、その船井電機の名を久々に聞いたのですが、それは「船井電機破産」のニュース報道でした。10年以上ぶりくらいに久々に聞いたので、懐かしさとともに「まだあったのか」というのが率直な感想でした。

「この数十年の間、いったい船井電機は、どのような道を辿っていたのだろう?」と、私は久々にあった昔の同級生に会うような気持ちで調べ始めました。

私が大学を失業し、SONYなどのブランドの家電製品を買えるようになり、FUNAIも卒業した頃w 時は2000年代、船井電機は自社ブランドというよりも、OEM事業などの黒子的な動きに徹したようで、業績は拡大していたのだそう。北米でも製品は売れていたそうで、大谷翔平選手が在籍していたロサンゼルス・エンゼルスと契約を結んで広告展開もしていたのだそうです。私がご無沙汰している間に「世界のFUNAI」になっていたとは… ただ、2010年代以降は、中国や台湾メーカーの低価格ブランドの台頭もあり、安売り競争激化で業績は悪化へ。日本へと軸足を移し、再び「FUNAI」ブランド再起をかけて、ヤマダ電機と協業したりしていたものの、業績は回復せず。2021年には秀和システムグループの傘下に。2023年には、持株会社 船井電機・ホールディングスの傘下入りし、脱毛サロン「ミュゼ」を展開するミュゼプラチナムを買収したものの、たった1年弱で売却。そして今月2024年、ミュゼのネット広告代金の未払いについて、船井電機HDが連帯保証を行っていたとの報道がきっかけとなり、10月24日に破産手続開始が決定したのだそうです。

こんなリアルドラマが繰り広げられていたとは。。
2017年に創業者の船井哲良氏が90歳で亡くなった後、相続した創業家の長男が医師をしており、事業承継せずに2021年には持ち株を売却され、その後に迷走路線へと進んでしまったようです。まあ、テレビなどの家電の業績不振によって、その次の核となる製品を見出そうとして、ミュゼに代表されるような美容家電などを模索していたのでしょうけれど、見出しきれないまま、むしろミュゼの負の遺産が重くのしかかってきてしまった、と。そんな展開だったのでしょう。

今年に入ってからは混乱の様相。春先に取締役9人のうち3人が途中辞任し、昨年会長に就任した元パナソニック専務執行役員の柴田雅久氏の代表権外れ、5月に外部から5名が取締役に。しかし、その後も立て直しは難しかったのでしょう。

そして、今回の破産手続きの開始決定を受け、約2000人の全従業員が即日解雇されてしまったそうです。会社が倒産した時は致し方ないのでしょうね。

そういえば「船井電機の株を持っていた方も大惨事だったのでは?」と思ったのですが、2021年8月26日まで東証一部に上場していたものの、前述の通り、2021年に秀和システムの傘下企業によるTOBを受けて上場廃止となっていました。今回、株式投資していた方がいなかっただけ被害もすくなくてすんだ、とも言えますね。ちなみに、2021年に上場廃止した際は313億円の時価総額がありました。その時、株を保有していた方々は 1株918円で売却しています。単元株で91,800円。割安ではあるものの、こうして破産となってからでは 0円になってしまうので、それよりもマシであったと考えるべきですかね。

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【STOCK EXPRESS(ストックエクスプレス)】(略称:STOCK.EX)株主視点の経済ニュース考察を発信してまいります!
語り手は、SHUN
渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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