三菱HCキャピタル(8593、東証プライム)は2月13日大引け後(15:30)、2026年3月期第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表しました。経常利益は前年同期比34.1%増の1,878億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同55.1%増の1,349億円と大幅な増益を達成しました。売上収益は1兆6,597億円(前年同期比6.9%増)、営業利益は1,948億円(同41.3%増)と、収益性の改善が鮮明となっています。
とりわけ直近3カ月(10~12月期)の経常利益は前年同期比79.0%増の638億円に拡大し、売上営業利益率も7.4%から12.2%へと大幅に上昇しました。単なる増収効果にとどまらず、利益率そのものが改善している点が今回の決算の特徴です。
以下にて詳しく見ていきましょう!!
実力増益を確認 特殊要因を除いても堅調
純利益の増加には、複数の大口アセット売却益の計上や、米州事業における貸倒関連費用の減少が寄与しました。また、航空エンジンリース会社ELFC、コンテナリースのCAI、鉄道車両リースのPNWなど海外子会社の決算期変更に伴う取込期間調整の影響も含まれています。
ただし、こうした一時的要因を除いても、基礎的な収益力は着実に向上しています。リース料収入の増加、海外事業の採算改善、貸倒コストの正常化など、継続性のある改善が積み上がっている点は投資家にとって重要なポイントです。
航空エンジンと物流インフラが稼ぎ頭に
セグメント別に見ると、航空部門の利益は前年同期比22.8%増の454億円と堅調に拡大しました。世界的な航空需要の回復に加え、エンジンリースという参入障壁の高い分野での強みが発揮されています。機体ではなくエンジンに特化することで、希少性の高いアセットを保有し、安定的な収益を確保するビジネスモデルを構築しています。
ロジスティクス部門も前年同期比44.3%増の253億円と高い伸びを示しました。コンテナや鉄道車両など、世界物流を支えるハードアセットの需要は底堅く、リース料収入に加えてアセット売却益の計上も利益拡大に寄与しました。
海外カスタマー部門は米州での貸倒関連費用減少や欧州事業の伸長を背景に、前年同期比210%増益と大幅改善しました。
一方、環境エネルギー部門は74億円の損失を計上していますが、前年同期にあった大口貸倒や減損の剥落により赤字幅は縮小しています。これは脱炭素関連事業への先行投資段階と位置付けられています。
通期純利益1600億円計画を維持 上振れ余地も
2026年3月期通期の純利益予想は1,600億円(前期比18.4%増)とし、会社計画は据え置かれました。第3四半期までの進捗率は約84%に達しており、過去の傾向から見ても順調な水準です。市場予想(QUICKコンセンサス)は1,640億円とやや高めであり、今後の業績動向次第では上振れも視野に入ります。
営業収益や経常利益についても通期見通しは維持されており、経営陣は足元の好調さを認識しつつも慎重な姿勢を崩していません。
三菱商事出身幹部の登用で戦略加速
今回の決算と同時に発表された役員人事も注目されます。三菱商事出身の幹部が環境エネルギーや財務・北米事業の要職に就任し、事業ポートフォリオの高度化とガバナンス強化を進める体制が整えられました。1人目は岡 隆文氏。三菱商事の社会インフラ戦略の中心にいた人物で、環境エネルギー事業本部長に就任します。2人目は川上 和義氏。三菱商事の執行役員で財務部長を務め、商事グループ全体の財務を統括していた人物です。川上氏は財務経理本部と経営企画本部の副本部長を務めながら、北米の持ち株会社の会長にも就任します。
特に北米事業では初代CRO(チーフ・リスク・オフィサー)を設置し、リスク管理体制を強化しています。金融規制強化で銀行が撤退しつつある市場を取り込む一方で、モデルリスクを含む高度な管理体制を構築し、持続的な成長を目指します。
AI・脱炭素領域へ拡張 「アセットプラットフォーム」戦略
三菱HCキャピタルは従来のリース会社の枠を超え、インフラ・アセットプラットフォーム企業への転換を進めています。航空・物流といった物理インフラに加え、Eメタノールなど次世代燃料事業、AIデータセンター向け設備ファイナンス、GPUリース、ロボット倉庫システムなど、デジタル社会を支える物理資産への投資を強化しています。
AI分野ではソフトウェアではなく計算資源やデータセンター設備といった「基盤」を握る戦略を採用しており、長期的な需要拡大を見据えた布石といえます。
27期連続増配の安定感 再評価余地も
同社は27期連続増配という実績を持ち、安定的な株主還元姿勢を貫いています。足元の株価水準は予想PER約12倍、PBR1倍強とされ、同業他社と比較するとやや高い評価ですが、事業構造の高度化を踏まえればプレミアム評価の余地もあります。
世界物流の回復、航空需要の拡大、AI・脱炭素分野への成長投資という複数の成長軸を持つ三菱HCキャピタル。今回の決算は、単なる増益にとどまらず、企業の進化と将来戦略を印象付ける内容となりました。今後は環境エネルギー部門の黒字化や北米事業の成長持続性が、株価の中長期的な評価を左右することになりそうです。
本日の決算発表が大引け後でしたが、週明け月曜日の株価上昇に期待が高まります。私自身、株主として持株の価値が高まるのはとても嬉しいですが、買い増しのハードルが高まるのは懸念でもあります(汗。すこしでも下落するタイミングで着実に持株を増やしていこうと思います。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Mitsubishi HC Capital Posts 55% Profit Surge in Q3, Aviation and Logistics Drive Growth
Mitsubishi HC Capital (TSE: 8593) reported strong earnings for the first nine months of fiscal year ending March 2026, with net profit attributable to shareholders rising 55.1% year-on-year to ¥134.9 billion. Ordinary profit increased 34.1% to ¥187.8 billion, while operating profit climbed 41.3% to ¥194.8 billion, reflecting improved profitability across key segments.
Growth was led by the aviation and logistics businesses. Aviation segment profit rose 22.8% to ¥45.4 billion, supported by higher lease revenues in aircraft engine leasing. Logistics profit surged 44.3% to ¥25.3 billion on stronger container and railcar demand and asset sales gains. Overseas operations also improved, particularly in the Americas, where credit-related costs declined.
The company maintained its full-year net profit forecast of ¥160 billion, implying 18.4% annual growth. With a progress rate of approximately 84% at the end of the third quarter, the results suggest potential upside if current momentum continues.
Beyond core leasing, Mitsubishi HC Capital is expanding into next-generation infrastructure, including sustainable fuels, AI-related data center financing, and logistics automation. Investors are closely watching whether this shift toward a broader asset-platform model will support further valuation re-rating.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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