マンダム、MBO価格を3割引き上げ!創業家主導で非公開化に前進【マンダム劇場 第5章】

マンダム、MBO価格を3割引き上げ!創業家主導で非公開化に前進 M&A・TOB・アクティビスト

男性用化粧品「ギャツビー」や「ルシード」で知られる株式会社マンダムは、経営陣によるMBO(マネジメント・バイアウト)を巡るTOB(株式公開買い付け)の価格を1株あたり2,520円に引き上げると発表しました。従来の1,960円から約3割の上積みとなり、買収提案の成立可能性が一気に高まりました。当サイトにてマンダム社のMBOには注目してきまして、第1章から第4章まで展開してきましたが、今回は第5章。遂に”マンダム劇場”の結末が近づいてきたようです。以下にて見ていきましょう!

村上ファンド系株主と応募契約 成立へ大きく前進

今回の価格引き上げにより、マンダム株の約20%を保有する旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンス(代表:野村絢氏=村上世彰氏の長女)や、シンガポール拠点のひびき・パース・アドバイザーズ(約5%保有)と応募契約が結ばれました。これにより、MBOの成立可能性は極めて高まっています。

買収を進めるのは、欧州の投資ファンド「CVCキャピタル・パートナーズ」傘下のカロンホールディングス(HD)。9月26日にTOBを開始し、当初は12月4日までとしていた買付期間を12月18日まで延長しています。

今回の新価格は11月27日の終値(2,428円)を約4%上回る水準で、反対姿勢を示していた主要株主を取り込む形となりました。なお、発表を受け、マンダムの株価は上昇し、翌11月28日の終値は、前日比+85 (+3.50%)の2,513円をつけました。

背景:非公開化の狙いは「アジア市場への長期投資」

マンダムがMBOに踏み切った背景には、短期的な株価変動を気にせず中長期的な経営判断を行うための「非公開化」の必要性があります。
日本市場の縮小が続く中、同社はインドネシアをはじめとする東南アジア市場の拡大に注力しており、デジタルマーケティングや現地サプライチェーンの構築、M&Aなど、大規模な先行投資が求められています。

しかし、上場企業であるがゆえに四半期決算ごとに短期的な利益を求められる環境では、こうした長期的戦略を実行しにくいという課題がありました。CVCキャピタルとの提携により、グローバルでのブランド展開やデジタル戦略強化を加速させる狙いがあるとみられます。

市場の評価と今後の注目点

当初提示された1,960円というTOB価格に対し、市場では「著しく割安」との見方が強く、株価はTOB価格を上回って推移していました。今回の価格引き上げは、そうした市場の声を反映した形といえます。

カロンHDは買付下限を発行済株式の56.02%に設定しており、TOB成立後はスクイーズアウト(少数株主の強制買収)を通じて完全子会社化、上場廃止を目指す計画です。
創業家株主(西村元延会長・健社長ら)は約11.8%を保有しており、野村氏らの応募契約締結により、MBO成立はほぼ確実視されています。

今後は、他の第三者による対抗買収提案が出るかどうかが焦点となりますが、現時点ではマンダムのMBOが実現に大きく近づいたとみられます。

日本企業MBOの象徴的事例に

今回のマンダムのMBOは、老舗企業が外部パートナーと手を組み、グローバル市場での再成長を目指す象徴的な事例です。株主優待の廃止など個人投資家には寂しい側面もありますが、経営の自由度が増すことで、アジアでのブランド再構築やデジタル化など、新たな成長ステージへの変革が期待されます。

投資家にとっても、本件は「MBO発表時の提示価格は最終価格とは限らない」ことを示す好例となりました。市場の動向を正確に読み取ることの重要性を改めて浮き彫りにした案件といえるでしょう。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

STOCK EXPRESS車掌 SHUN

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【マンダム劇場 今までのストーリー】
・第1章:マンダムMBOに波紋!村上世彰氏長女・野村絢氏らが66億円投下し6%超取得
マンダムMBOに波紋!村上世彰氏長女・野村絢氏らが66億円投下し6%超取得
化粧品メーカー、株式会社マンダムが発表したMBO(経営陣による自社株買収)を巡り、アクティビスト(物言う株主)として知られる村上世彰氏の長女・野村絢氏らが同社株を取得したことが明らかになりました。9月24日、旧村上ファンド系の投資会社であるシティインデックスイレブンスが提出した大量保有報告書によると、野村絢氏がマンダムの発行済み株式の6.67%を取得しました。シティインデックスイレブンスも100株を保有しており、取得総額は66億円にのぼります。 マンダムは男性化粧品ブランド「ギャツビー」などを展開してきましたが、国内では若年層人口の減少に直面し、収益性の低下が続いていました。創業家出身の経営陣は、非公開化によって事業の競争力維持・強化やビジネスモデルの変革に取り組むとしています。しかし、野村絢らが6%以上を保有する株主が経営に助言・提案を行うことで、MBO条件に修正が入る可能性が出てきます。

・第2章:旧村上ファンド系がマンダム株を11.54%まで買い増し!MBO成立に不透明感も
旧村上ファンド系がマンダム株を11.54%まで買い増し!MBO成立に不透明感も
旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンスが、マンダム株を買い増ししたことが明らかになりました。29日付で関東財務局に提出された大量保有報告書によれば、村上世彰氏の長女である野村絢氏らとの共同保有比率は従来の9.61%から11.54%へ上昇しました。報告義務発生日は9月19日です。旧村上ファンド系の勢いは止まりませんね。今回の動きは、進行中のMBO(経営陣が参加する買収)を巡る株主間の綱引きを一層複雑にしています。 マンダムを巡っては、欧州大手PEファンドのCVCキャピタル・パートナーズ傘下のカロンホールディングス(東京都千代田区)が、MBOの一環としてTOBを実施中です。買付価格は1株あたり1,960円で、11月10日までに約793億円を投じて全株取得を目指しています。TOB発表当日の終値に対し32%のプレミアムを付けていますが、29日の終値は2,222円とTOB価格を大幅に上回っています。市場価格がTOB価格を上回る状況は、投資家が「提示価格は割安」と受け止めていることを示唆しています。 今回の買い増しで、野村氏らはマンダム株の1割超を押さえました。これはTOBの成立に対して大きな影響力を持つ水準です。過去の事例では、アクティビストの参入によりTOB価格が複数回引き上げられたケースもあり、今回も同様のシナリオの可能性も出てきました。今後の動向について、この記事にて詳しく分析してみます。

・第3章:マンダム、MBO巡り混迷続く!アクティビストの影響で新たな買収提案を模索
マンダム、MBO巡り混迷続く!アクティビストの影響で新たな買収提案を模索【マンダム劇場 第3章】
化粧品大手のマンダム(東証プライム:4917)は11月6日、2025年3月期第2四半期の決算説明会を開催しました。説明会では、同社が進めるMBO(経営陣による自社株買収)に関して、沢田正典CFOが「企業価値および株主共同の利益につながる実現可能な買収提案を得るため、速やかに動く」と述べ、新たな提携先を模索する方針を強調しました。マンダムは、英投資ファンド「CVCキャピタル・パートナーズ」傘下のカロンHDと連携し、9月26日より1株1960円でのTOB(株式公開買い付け)を進めています。当初、TOB期間は11月10日までの予定でしたが、マンダム側が一部意見を変更したことにより、期限を11月19日まで延長しました。 しかし、村上世彰氏の長女でアクティビスト投資家として知られる野村絢氏らが、マンダム株を21%まで買い増したことにより、MBOの行方は不透明感を増しています。野村氏らはTOB価格を「著しく割安」と指摘し、「創業家が不当に利益を得る目的でMBOを推進している」と強く批判。追加取得の際は、マンダムが策定した情報開示の方針に従う姿勢を示しています。この記事で動向を詳しく分析します。

・第4章:マンダム、MBOを巡り攻防激化!村上世彰氏 長女が20%超を取得し、TOB成立は不透明に

【Dear Overseas Investors: Summary in English】

Mandom Raises MBO Offer by 30%, Paving the Way for Privatization

Mandom Corp., known for its “Gatsby” and “Lucido” brands, has raised its tender offer price for its ongoing management buyout (MBO) from JPY 1,960 to JPY 2,520 per share—a 30% increase. The revised offer significantly boosts the likelihood of the deal’s success.
The buyout is led by CVC Capital Partners–backed Calon Holdings. Following the price increase, major shareholders including City Index Eleventh—an investment firm linked to the former Murakami Fund and holding over 20%—and Singapore-based Hibiki Path Advisors (5%+) agreed to tender their shares.
Mandom aims to go private to accelerate long-term investments in Southeast Asia, free from the short-term pressure of quarterly earnings. Partnering with CVC provides the company access to global expertise in digital marketing, supply chains, and regional expansion.
With key opposing shareholders now supportive, the MBO is widely expected to proceed, although the market continues to watch for any competing proposals.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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PROFILE

【STOCK EXPRESS(ストックエクスプレス)】(略称:STOCK.EX)株主視点の経済ニュース考察を発信してまいります!
語り手は、SHUN
渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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