化粧品メーカー、株式会社マンダムが発表したMBO(経営陣による自社株買収)を巡り、アクティビスト(物言う株主)として知られる村上世彰氏の長女・野村絢氏らが同社株を取得したことが明らかになりました。最近、野村絢氏の活動がかなり活発化してきておりますよね。以下に詳しく見ていきましょう。
6.67%を保有、取得総額は66億円
本日9月24日、旧村上ファンド系の投資会社であるシティインデックスイレブンス(東京・渋谷)が関東財務局に提出した大量保有報告書によると、野村絢氏がマンダムの発行済み株式の6.67%を取得しました。シティインデックスイレブンスも100株を保有しており、取得総額は66億円にのぼります。これって、高島屋株の件と同じパターンですよね。保有目的については「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行う」としています。
MBOの枠組みとTOB価格
マンダムは今月10日、MBOを実施する方針を発表しました。投資ファンドがマンダム株を取得する目的で設立した会社がTOB(株式公開買い付け)を実施し、ほぼ全株式の取得をめざしています。TOB価格は1株1,960円で、発表当日の終値(1,484円)に比べて32%高い水準となります。想定される買い付け総額は793億円です。
事業環境と非公開化の狙い
マンダムは男性化粧品ブランド「ギャツビー」などを展開してきましたが、国内では若年層人口の減少に直面しています。私自身、以前は使っておりましたが、最近はご無沙汰です。
さらに、注力してきたインドネシア市場でも成長が鈍化しており、原材料費の高騰を価格に転嫁しきれず、収益性の低下が続いていました。創業家出身の経営陣は、非公開化によって事業の競争力維持・強化やビジネスモデルの変革に取り組むとしています。
投資家としての分析
TOB価格との裁定余地
公開買付価格1,960円に対し、現在の株価がどの水準で推移するかが焦点です。アクティビストの参入により、TOB価格の引き上げ期待が市場で意識される可能性があります。
アクティビスト参入による条件変更リスク
6%以上を保有する株主が経営に助言・提案を行うことで、MBO条件に修正が入る可能性が出てきます。少数株主保護や価格妥当性が争点となる公算もあります。
今後の展開シナリオ
1.経営陣が現行条件のままMBOを進める場合、株価はTOB価格1,960円近辺で安定的に推移する見込みです。
2.野村氏らが価格引き上げを求めた場合、TOB条件の修正や交渉の長期化が予想されます。
3.交渉決裂や条件不調和の場合、MBO成立リスクも残されています。
投資家の売買戦略の考え方
1.裁定取引的アプローチ
現在株価がTOB価格を下回る水準であれば、TOB応募を前提とした裁定取引を検討する余地があります。ただし、成立リスクやスケジュール遅延に伴うコストも織り込む必要があります。
2.条件引き上げ期待によるホールド戦略
アクティビストが参入したことで、買付価格の上方修正余地を期待し、TOB価格を超える株価水準での売却益を狙う戦略も考えられます。もっとも、経営陣が強硬に現行条件を維持した場合には、期待外れとなるリスクが伴います。
3.リスク回避的な早期売却
MBOの成立不透明感や交渉長期化リスクを嫌い、株価がTOB価格近辺で推移する段階で利益確定を優先する投資家も一定数いると見込まれます。
過去事例との比較
アドバンテスト子会社TMTのMBO(2007年)
アクティビスト株主が関与した結果、TOB価格が修正され、少数株主にとって有利な条件に変更された例があります。
スティールパートナーズとブルドッグソース(2007年)
外部株主と経営陣が真っ向から対立したケースで、最終的に経営側が防衛策を発動しました。今回も対立の度合いによっては、同様の緊張関係が高まる可能性があります。
最近の日本企業MBO案件
MBO案件では、アクティビストの存在がTOB価格の上方修正につながる事例が散見されます。市場は「条件見直し」を織り込む動きに敏感であり、今回のマンダムも同様の展開をたどる可能性があります。
野村絢氏らによる6%超のマンダム株取得は、同社MBOを巡る力学に新たな緊張感をもたらしました。投資家にとっては、TOB価格を基準とした裁定余地に加え、条件変更や成立リスクをどう見込むかが投資判断のポイントとなります。今後の大量保有報告の追加提出や、経営陣側からの開示が、市場の判断材料として注視していきたいと思います。
念の為ではございますが、投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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