カーケア製品メーカーの株式会社ソフト99コーポレーションが進めるMBO(経営陣参加による買収)が、異例の展開を見せています。応募期限は10月2日を迎えますが、投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネジメントが高値で対抗TOB(株式公開買い付け)を仕掛け、行方は大きな注目を集めています。9月20日の記事でもお伝えした本件、まだまだ揺れています。以下に最新動向を見ていきましょう。
対抗TOBで揺れるMBOの行方
8月6日、創業家の田中秀明社長が設立した堯アセットマネジメントが、1株2465円でTOBを発表しました。しかしエフィッシモはこれを「著しく割安」と批判し、1株4100円という大幅な上乗せ価格で対抗TOBを開始。株主にとっては利益最大化を巡る大きな選択肢が示された格好です。
ソフト99の株主構成は、創業家が約3分の1を保有。MBO成立の条件は35.04%(約756万株)を確保することとされており、創業家の持ち株を合わせると、成立に必要な水準に届く設定となっています。
カギを握るKeePer技研
焦点は、第2位株主であるKeePer技研(持株比率約12%)です。KeePer技研は堯アセットマネジメントとMBO応募契約を締結済みで、応募による有価証券売却益約23億円を2026年6月期の業績予想に織り込んでいます。
ただし、より高値を提示するエフィッシモのTOBに応じれば、60億円超の特別利益が発生する計算です。その場合、契約違反として損害賠償請求を受ける可能性もあり、KeePer技研は難しい判断を迫られています。
株主総会での緊迫感と専門家の見方
9月26日のKeePer技研の株主総会では、「株主の利益を最大化すべきではないか」との質問が出され、一時緊張が走りました。谷好通会長は「誠実に答えを出すしかない」と語るにとどまりました。
専門家は「KeePer技研がエフィッシモのTOBに乗り換えれば多額の利益を得られる。MBOに応募せざるを得ない契約を結んだのであれば、その合理性も問われる」と指摘しており、同社の判断は株主代表訴訟リスクや事業シナジーの維持といった複雑な要素を含んでいます。
企業価値を巡る主張の対立
ソフト99は9月25日にエフィッシモのTOBへ反対を表明し、田中社長の経営関与が失われれば企業価値が大きく損なわれると主張しました。
一方でエフィッシモは「田中社長は企業価値を高められなかった」と反論し、取締役会の姿勢に強い違和感を示しています。
日本MBO市場への示唆
2025年のMBO件数は既に過去最高を記録していますが、今回の事例は「安値でのMBOは株主から受け入れられにくい」という市場環境の変化を浮き彫りにしました。わずかな隙でもアクティビストや投資ファンドが対抗TOBを仕掛ける時代に突入しており、ソフト99を巡る攻防は、日本のMBO市場が新たな局面に入ったことを象徴する出来事と言えるでしょう。
投資家にとっては、今後のKeePer技研の判断と、対抗TOBの帰趨が最大の注目点となりますね。
念の為ではございますが、投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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▼ソフト99、MBOの株式公開買付価格引き上げ、期間も延長

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