前回の記事で、NTTの決算発表と将来性についてお伝えしました。今回の記事では、一歩踏み込んで、「AIの発展と電力需要の増加」という社会的背景が、いかにNTTの事業成長にとって追い風であるか、についてお伝えしたいと思います。

最近、AIが急速に普及しておりますよね。ChatGPT等、私たちの暮らしや仕事を進化させてくれて、便利にしてくれるツール。その一方で、裏側では深刻な問題が静かに進行しています。それは、電力不足の危機。実は、AIを動かすためには膨大な電力を必要としており、その規模は私たちが想像するよりもはるかに膨大。AIの頭脳であるデータセンターは、まさに電気の大食い王。 24時間365日、膨大なデータを処理し続けるためサーバーを動かし、そしてそのサーバーを 冷やすためにとてつもない量の電力を消費し続けているのです。

世界中でAI開発競争が激化する今の時代、このデータセンター(DC)をどれだけ確保できるかが国や企業のの競争力を決めると言っても過言ではありません。その需要に応えるため、巨大IT企業がデータセンターを建てているのです。そのセンターを動かす電力をどこから持ってくるのか。二酸化炭素の排出を抑えることが叫ばれる昨今ですから、原子力発電や再生可能エネルギーによる電力創出が求められます。原発は、天候に左右されずに安定して大量の電力を創出でき、二酸化炭素の排出も少なく、理想。東日本大震災という大きな事故もありましたが、だからこそ、日本は世界でも厳しい安全基準を作り、危機を乗り越える技術を培ってきました。今、このエレルギーが世界的に再評価されています。日本の中で特に注目されているのが、北海道。原子力発電所、 北海道電力の原子力発電所3号機が12年以上の長きに渡る安全審査の末、遂に再稼働への道を歩み始めました。さらに、北海道には豊かな自然がもたらす再生可能エネルギーのポテンシャルも高い。広大な土地は太陽光発電に、そして海からの風は 風力発電にうってつけの場所。原発という安定したクリーン電源と再エネという未来のクリーン電源の2つを両立できる場所、北海道。大量の電力を必要とするAI時代に大きな需要の可能性を秘めた場所、と言えるでしょう。

可能性あふれる北海道。ここに目をつけた企業の動きは始まっています。次世代反動体の国産化を目指すRapidus(ラピダス)が巨大工場を建設し、 ソフトバンクも大規模なデータセンターの建設計画を発表しました。こうした巨大プロジェクトが本格的に動き出せば、北海道の電力需要は今後10年で10%以上も増加すると見込まれています。将来的な電力需要が見込まれているのですから、 電力会社にとってはまさに大きなビジネス チャンスですよね。
その一方で、別の動きも予想されます。北海道でたくさんのクリーンエネルギーを創出しても、データセンターの多くが遠く離れた大都市圏に存在ます。AIやデータを最も多く使う場所、東京や大阪。北海道 と東京や大阪はあまりに遠く、距離が離れていますよね。そのため、データを送るのに時間がかかってしまい、いわゆる通信の遅延が発生してしまうのです。これは、リアルタイム性が求められるAIサービス等には致名的… この距離の壁を乗り越えための方法について考えた時、NTTの存在がクローズアップされてくるのです。
それを考える前提として、まず日本の国家戦略について考えてみます。政府はワット・ビット連携という構想を掲げています。ワット・ビット連携とは、ワット(電力インフラ)側の脱炭素電源の有効活用と、ビット(情報通信インフラ)側のAI用DC適地確保という要請に応えつつ、上手く連携し、さらにAIを活用した地域振興・経済成長にもつなげていくことを狙ったもの。電力インフラと情報通信インフラの連携を意味します。生成AIの急速な普及に伴い、データセンターでの電力消費が急増することが予想されているこれからの時代、電力ワットが 豊富な地方と通信ビットで情報をたくさん使う都市を上手く連携させよう、という取り組みです。

北海道のような地方でクリーンなエネルギーを使ってデータセンターを動かし、そこで処理されたデータを超高速の通信で東京のような大規模都市に届けようという動き。これよって大都市圏への一極集中を解消し、地方を活性化させることに繋がります。
この超高速通信を実現する技術こそ、NTTグループが進めている次世代情報通信基盤なのです。その名前は、私もNTTテーマの記事でたびたびお伝えしている「IOWN(アイオン)」。

IOWNは、従来のような光と電気信号を都度変換して伝える形式ではなく、全て光で情報を伝える技術。 光のスピードでデータを運ぶので、北海道と東京という遠く離れた物理的な距離をあっという間に接続。通信の遅延を劇的に減らすことができるのです。北海道で創出するクリーンな電力を日本全国、そして世界中に届けるNTTの通信技術。これこそ、政府が進めるワット・ビット連携の実現ですよね。なので、NTTは国策銘柄と言っても良いでしょう。これによってAI 時代の電力不足問題とデータセンタービジネスの課題を解決する道が見えてきます。これは、日本国内だけにととどまらず、世界へと展開できる技術。発展性のあるテーマです。
ということで、NTTを単なる電話の会社ととらえるのではなく、通信、さらには電力も関連した企業としてとらえることが重要でしょう。そう考えた時、NTTの将来性は明るく、株の価値も高いと思います。私自身は、昨年の暴落時に握り始めましたが、これからもガチホし、下げたタイミングでは着実に買い増しして株主としての価値を高めていこうと思っております。





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