株式会社三井E&S(東証プライム・7003)は2025年11月12日 14:30、2026年3月期第2四半期(2025年4月~9月)の連結決算を発表しました。売上高は前年同期比14.1%増の1,655億円、営業利益は同114.9%増の198億円と、大幅な増収増益となりました。経常利益も227億円(同70.8%増)と堅調に推移しています。一方で、前期にあった関係会社株式売却益の反動から、親会社株主に帰属する中間純利益は175億円(同45.7%減)となりました。
決算発表の時間が場中の14:30だったこともあり、株価は大きく動き、激しくアップダウン。不思議な動きをしました。
▼三井E&S 株価推移(2025年11月12日 13:00〜15:30)

三井E&S 株価推移(2025年11月12日 13:00〜15:30)
10月18日の記事(三井E&S、17年10カ月ぶり高値!目標株価引き上げと業績上振れ観測で人気)でお伝えした頃から、さらに株価が高騰しておりますね。
三井E&Sの決算内容について、以下にて詳しく見ていきましょう!
事業別の動向:舶用推進・物流が利益をけん引
・主力の舶用推進システム事業では、脱炭素対応の二元燃料エンジンが堅調に伸び、売上高は751億円(前年同期比11.5%増)、営業利益は89億円(同111.2%増)となりました。二元燃料エンジンとは、たとえばLNG液化天然ガスと重油の両方が使えるようなエンジン。アンモニア焚きエンジンの開発を強化し、川崎重工業と共同開発したLPG/アンモニア運搬船の基本設計承認(AiP)を日本海事協会から取得するなど、次世代燃料対応技術の実用化を進めています。造船関連は、高市政権下で国策銘柄でもあり、追い風が吹いていますよね。

・物流システム事業も好調で、米国・東南アジアでの大型案件が寄与し、売上高は310億円(同15.8%増)、営業利益は67億円(同179.9%増)と大幅な改善を示しました。港に置かれる大きなクレーンなどですね。環境技術面では、水素燃料電池を用いた荷役機械の実証実験を横浜港で開始するなど、脱炭素物流分野にも取り組んでいます。

・成長事業推進事業では、ドローン点検やAI活用の新サービス「FALCONs」などデジタルソリューションの展開を進め、営業利益は29億円(前年同期比72.8%増)となりました。
・周辺サービス事業では、海外子会社を中心に売上を伸ばし、営業利益は16億円(同240.7%増)と好調でした。
財務体質が強化、純資産比率42%に上昇
第2四半期末時点の総資産は4,544億円、純資産は1,952億円と前年同期比で増加し、自己資本比率は42.0%(前年37.8%)に上昇しました。現金及び預金は前年末比95億円増の449億円と、キャッシュ・フローの改善も確認されています。
通期業績予想を上方修正
三井E&Sは同日、通期の連結業績予想を上方修正しました。売上高3,400億円(前回予想比横ばい)、営業利益3,000億円(同25%増)、経常利益3,100億円(同34.8%増)、純利益2,600億円(同30%増)を見込んでいます。
舶用推進・物流両セグメントで好採算案件が順調に進行しており、アフターサービス事業も堅調なことから、収益性の改善が進むとしています。なお、為替前提は、当初1ドル=140円でしたが、145円に見直されました。円安も上方修正の一因になっていると思われます。
株主還元と今後の見通し
中間配当は1株あたり15円を予定し、期末配当は「未定」としています。これにより、今期の年間配当は従来30円(中間15円・期末15円)を計画しておりましたが、未定に。このあたりが株価の大きな動きにつながったのでしょうかね。実際のところ、利益改善の上方修正を踏まえて、増配の検討の余地を模索しているようなので、”前向きな未定”としてプラス要因かと思われます。確定したら速やかに公開されるそうです。
今後の経営方針としては、2025年5月に発表したローリング型中期経営計画「Rolling Vision 2025」に基づき、2030年を見据えた中核事業の強化と新規事業への投資を継続する方針です。
同社は「財務・人材両面での成長戦略を推進し、企業価値の持続的向上を図る」としています。
投資家として
今回の決算では、営業・経常段階での利益体質改善が明確に表れています。特に、脱炭素技術やデジタルサービスなど成長分野の取り組みが今後の業績拡大の原動力になるとみられます。一方、関係会社株式売却益の剥落で純利益が減少した点は一時的要因とみられ、キャッシュ創出力の強化と自己資本比率の改善は投資家にとってポジティブな材料といえます。
三井E&Sは、堅調な本業収益と技術開発を背景に、次世代エネルギー・物流分野での競争力を着実に高めています。脱炭素やデジタル変革をテーマとした中長期成長戦略の実行により、今後も安定した利益成長が期待されます。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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