本日2025年10月8日、種苗業界最大手のサカタのタネ(東証プライム:1377)の株価が急騰し、前日比530円高の4,155円を付けました。終値 3,995円。前日7日に発表された2026年5月期第1四半期決算(6〜8月期)および自己株式のTOB(株式公開買い付け)実施が好感された形です。
▼サカタのタネ株価推移(2025年10月7日〜8日)

サカタのタネ株価推移(2025年10月7日〜8日)
想定超えの好決算、営業利益は前年同期比63.5%増
同社の第1四半期連結営業利益は44億6,200万円(前年同期比63.5%増)と大幅な増益を記録しました。
主力の野菜種子事業が海外を中心に好調に推移したことに加え、ロイヤリティー収入の増加などが利益を押し上げました。円高によるマイナス影響も吸収し、結果として上半期計画(営業利益50億円)に対する進捗率は約89%という高水準に達しました。
通期の業績予想(営業利益110億円、前期比10.3%減)は据え置かれましたが、第1四半期終了時点での進捗率40.6%は想定を上回るペースです。純利益も36億円(前年同期比3.2倍)と大幅に伸長しました。
自己株TOBを発表、株主還元策が評価
同時に同社は、自己株式取得(上限110万株、総額36億円)および自己株式のTOB実施を発表しました。
TOB価格は1株あたり3,285円で、買付期間は10月8日〜11月6日。買付予定数は110万株で、発行済株式総数の約2.42%に相当します。
また、同社代表取締役会長の坂田宏氏が実質保有する資産管理会社ティーエム興産が、現金化を目的に保有株式の一部(100万株)を応募する予定です。
この株主還元姿勢が市場で好感され、決算発表翌日の株価は急伸しました。
市場関係者の見方:「ポジティブサプライズだが、今後は成長継続が鍵」
アイザワ証券の三井郁男ファンドマネージャーは、「純利益の伸びが大きく、前期の災害損失剥落など一時的な要因もあるが、決算と還元策の両面でポジティブサプライズだった」と評価しています。
一方で、株価は過去2年間、4,000円付近で上値を抑えられており、「足元では利益確定売りも出やすい。さらなる上昇には、成長の持続性を示すことや通期業績予想の上方修正が必要」との見方も示しています。
今後の焦点:成長戦略と為替動向
サカタのタネは、世界的な農業需要の高まりを背景に、野菜種子のグローバル展開強化を進めています。為替動向が業績に与える影響は大きいものの、販売構成の多様化とロイヤリティー収入拡大による収益安定化が進んでいる点は注目に値します。
市場では、今回の好決算とTOBを受けて「業績下方修正リスクが後退した」との見方も出ており、今後の業績動向や株主還元方針の継続に注目が集まっています。
株式情報
(2025年10月8日時点)
項目 内容
銘柄コード 1377
株価 3,995円(前日比+370円)
時価総額 約1,900億円
予想PER 約18倍(会社予想ベース)
配当利回り 約1.8%(予想)
TOB価格 3,285円
TOB期間 2025年10月8日〜11月6日
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
ぜひ、ブックマークしてご購読くださいませ。
▼記事更新通知は 私のXにて♪
https://x.com/shun699





コメント