2026年3月期は純利益1兆1300億円、想定を超える増益ペース
ソニーグループは2月5日、2026年3月期の連結業績予想(国際会計基準)を発表し、純利益が1兆1300億円になる見通しを示しました。前年10月に金融事業を分離した後の継続事業ベースで比較すると、前期比6%の増益となります。従来予想からは800億円の上方修正で、今期に入って3度目の修正となりました。
市場予想平均(QUICKコンセンサス)を上回る内容であり、売上高は12兆3000億円、営業利益は1兆5400億円を見込みます。売上高は3000億円、営業利益は1100億円、それぞれ引き上げられ、営業利益は前期比で2割を超える増加となる計画です。金融事業(ソニーフィナンシャルグループ)分離後も、グループ全体として高い成長力を維持している点が改めて示されました。
画像センサー事業が中核に、ハイエンド戦略が奏功
業績を牽引しているのが、イメージング&センシング・ソリューション(半導体)事業です。同事業の営業利益は3500億円と、前期比34%増を見込み、従来予想を400億円上回りました。スマートフォン向け画像センサーの販売が好調で、とりわけ高価格帯モデル向けの需要が堅調に推移しています。
ソニーGは低価格帯スマートフォン市場の減速を想定しつつも、ハイエンド向けに特化した製品構成を進めており、センサーの大型化や高付加価値化によるプロダクトミックスの改善が利益率を押し上げています。円安の進行も収益を後押ししており、半導体事業は引き続きグループの成長エンジンとしての役割を担っています。
音楽事業はIP価値の最大化が進展
音楽事業も大幅な増益を見込んでいます。営業利益は4450億円と前期比25%増となり、600億円の上方修正です。主因は、スヌーピーで知られる漫画「ピーナッツ」の知的財産(IP)を保有するピーナッツ・ホールディングスの株式追加取得に伴う再評価益です。
加えて、音楽配信のストリーミング収入やライブ、グッズ販売といった周辺ビジネスも堅調に推移しています。ソニーGはIPを起点とした長期的な収益創出モデルを重視しており、音楽・映画・ゲームを横断したIP活用の広がりが、安定的なキャッシュフロー創出につながっています。
ゲーム事業は「ハード依存」からの脱却が進む
ゲーム&ネットワークサービス分野では、営業利益5100億円と23%増を見込みます。PlayStation5(PS5)のハード販売は成熟期に入り、数量面では伸びが鈍化していますが、収益構造は大きく変化しています。
継続課金型のサブスクリプションサービスや、ストーリー更新型の「ライブサービス」タイトルが安定収益源となっており、25年4〜12月期のサブスクリプション売上高は前年同期比12%増の5546億円に達しました。25年12月時点の月間アクティブユーザー数は1億3200万人と過去最高を更新しており、巨大なユーザーベースが将来収益の土台となっています。
メモリー価格高騰という不透明要因
一方で、半導体メモリー価格の上昇は引き続きリスク要因です。ゲーム機やカメラ、スマートフォンなど幅広い製品でメモリーを使用するソニーGにとって、コスト上昇の影響は無視できません。1月27日の記事(ソニーグループ株、8日続落で5カ月ぶり安値!PS5採算悪化懸念と半導体逆風で投資家心理冷える)でもお伝えしたように、PlayStation等に必要な半導体メモリーのコスト上昇による利益圧迫は、ソニーGの株価下落要因にもなっていると思われます。任天堂と同様ですよね。
陶琳CFOは、2026年の年末商戦向けPS5に必要な最低限のメモリー確保にはめどが立ったと説明しましたが、来期以降の価格戦略については慎重な姿勢を示しています。市場では、ハードウェア収益への影響をどこまで抑えられるかが注目されています。
自社株買い拡大で株主還元姿勢を強化
同社は同日、自己株式取得枠を従来の1000億円から1500億円へ拡大すると発表しました。発行済み株式数の約0.92%に相当する5500万株を上限とし、株主還元への積極姿勢を明確にしています。成長投資と株主還元の両立を図る姿勢は、資本効率を重視する投資家から高く評価される可能性があります。
構造改革の成果が数値として顕在化
金融事業の分離やテレビ事業の切り出しなど、ソニーGは近年、大規模な事業再編を進めてきました。その結果、コンテンツとデバイス、半導体を軸とした事業ポートフォリオがより明確になり、収益力の底上げが進んでいます。
今回の決算は、短期的な業績改善にとどまらず、構造転換が着実に成果を生み始めていることを示す内容となりました。株価は発表直後に上昇後、いったん落ち着いたものの、市場では中長期視点での企業価値向上を評価する動きが続いています。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Sony Group Raises Profit Outlook on Semiconductor and IP Strength
Sony Group said it expects consolidated net profit of ¥1.13 trillion for the year ending March 2026, marking a 6% increase on a continuing-operations basis and exceeding market expectations. The company raised its forecast for the third time this fiscal year, driven by strong demand for smartphone image sensors, higher-margin product mix, and favorable currency effects.
Operating profit is projected to rise 21% to ¥1.54 trillion, with the semiconductor business and the music segment as key growth drivers. In music, gains were supported by the revaluation of its expanded stake in Peanuts Holdings, highlighting Sony’s IP-led growth strategy. The gaming business also posted solid profit growth, supported by subscription services and a record user base, offsetting slower hardware sales.
Sony also expanded its share buyback program to ¥1.5 trillion, reinforcing its commitment to shareholder returns, while acknowledging ongoing risks from rising memory costs.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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