台湾の電子部品大手 国巨(ヤゲオ) が進めていた 芝浦電子に対する株式公開買い付け(TOB) が成立する見通しとなりました。応募株式数は3日時点で買付予定の下限を大幅に上回り、約 87% に達しました。買収総額は約 1,090億円 にのぼります。芝浦電子はTOB成立後、東京証券取引所スタンダード市場から上場廃止となる見込みです。
ミネベアミツミとの競り合いに勝利
ヤゲオは2024年2月に芝浦電子への買収提案を打ち出し、5月にTOBを開始しました。当初、芝浦電子は「同意なき買収」として反対姿勢を示していましたが、ホワイトナイト(友好的買収者)として参戦した ミネベアミツミ のTOBが不成立に終わると、最終的にはヤゲオ案への賛同に転じました。ミネベアミツミといえば、石川佳純さんが会社名を連呼するCMの印象が強い会社ですが、ここで登場していたのですね。
買い付け価格は最終的に 1株7130円 に設定され、ミネベアミツミの提示額(6200円)を上回る水準で株主に応募が広がりました。
外為法審査の長期化と不透明性
今回の買収劇では、外為法(外国為替及び外国貿易法) に基づく審査が異例の約7カ月に及びました。芝浦電子は当初、外為法上は事前審査不要の区分でしたが、その後「コア業種」に再分類され、承認を得るまでに長期間を要しました。
審査の予見可能性が低いことは、企業戦略の策定に支障を与えるとの指摘もあり、今後の海外企業による日本企業買収のハードルとして注目されています。
芝浦電子とヤゲオの狙い
芝浦電子は「サーミスタ」と呼ばれる温度センサーで世界首位のシェアを持ち、EV(電気自動車)、産業用ロボット、再生可能エネルギー分野などで需要が拡大しています。
一方、コンデンサーや抵抗器を主力とするヤゲオは、センサー事業の獲得により製品ラインアップを拡充し、総合電子部品メーカーとしての地位を高める狙いです。ヤゲオの陳泰銘会長は「芝浦電子の強みを世界市場に展開できる」と語り、米エヌビディアなどを例に挙げて販路拡大を強調しました。
投資家への影響と今後の展望
今回のTOBは、日本の大手企業に対する 「同意なき買収」 が海外企業によって成立した初のケースとみられ、投資家にとっても大きな転換点です。台湾勢は強固な製造基盤とグローバルな販売網を背景に、日本企業とのM&Aを加速させています。
電子部品分野で依然として世界シェア3割を維持する日本勢ですが、AIやEVなど次世代市場への対応の遅れが指摘されています。今後は、台湾勢との補完関係を通じた成長機会が生まれる一方で、日本企業の自立的な競争力強化が課題となりそうです。
投資家にとっては、
・芝浦電子株式の上場廃止による出口戦略、
・ヤゲオグループの世界市場展開力、
・外為法審査の不透明性が今後のM&A市場に与える影響
といった点が注視すべきポイントとなるでしょう。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
ぜひ、ブックマークしてご購読くださいませ。
▼記事更新通知は 私のXにて♪
https://x.com/shun699
ヤゲオと芝浦電子は本日10月21日、東京都内で記者会見を開き、ヤゲオが芝浦電子に対して行っていたTOBが成立したと発表しました。
–
芝浦電子が2026年1月13日付で東京証券取引所スタンダード市場から 上場廃止となることが正式に決定

–





コメント