パワーエックス、上場初日は株価乱高下も急反発!国産蓄電池ベンチャーに成長期待集まる

パワーエックス、東証グロース上場初日は乱高下も急反発!国産蓄電池ベンチャーに成長期待集まる IPO

上場初日は売り優勢スタートも、終値は高値引け

大型蓄電池を手掛ける株式会社パワーエックス(TYO:485A)が12月19日、東京証券取引所グロース市場に新規上場しました。公開価格は1株1,220円でしたが、初値は1,130円と公開価格を7.4%下回る形でスタートしました。取引開始時点では売り気配が強く、公開価格ベースで買い約108万株に対し、売りは約270万株と、差し引き約162万株の売り超過となっていました。
しかし、その後の値動きは一変します。売り一巡後に買いが急速に集まり、株価は1,430円まで上昇。終値も1,430円となり、結果的に初値からは大幅な上昇を見せました。上場初日はボラティリティの高い展開となりましたが、市場の関心の高さを印象づける一日となりました。

▼パワーエックス 株価推移(上場初日. 2025年12月19日)

パワーエックス 株価推移(上場初日。2025年12月19日)

パワーエックス 株価推移(上場初日。2025年12月19日)

「永遠に、エネルギーに困らない地球」国産蓄電池への挑戦

株式会社パワーエックス(岡山県玉野市、取締役 代表執行役社長CEO:伊藤正裕)は、「永遠に、エネルギーに困らない地球」を企業ビジョンに掲げ、日本のエネルギー自給率向上をミッションとしています。現在、日本のエネルギー自給率は約12.6%にとどまり、エネルギーの約9割を海外に依存しているのが現実です。同社はこの構造的課題に対し、「Made in Japan」の蓄電池を軸に真正面から挑んでいます。

事業の中核は、BESS(バッテリー・エネルギー・ストレージ・システム)と呼ばれる蓄電池事業で、売上の8割以上を占めています。大型電力網や工場向けの「PowerX Mega Power」と、ビルや太陽光発電向けの中小型モデル「PowerX Cube」を展開し、用途別に明確な製品戦略を取っている点が特徴です。国内設計・国内製造、自社開発ソフトによるセキュリティ、全国サポート体制を強調する姿勢は、エネルギーを国の重要インフラと捉える同社の思想を色濃く反映しています。

IPO資金は新工場へ集中投下、生産能力は将来8倍超へ

今回のIPOで調達する約60億円の資金は、成長を加速させるための投資に充てられます。特に注目されるのが、岡山県に建設予定の新工場への投資で、約50億円と調達額の8割以上を占めます。この新工場により、生産能力は2029年に現在の8倍以上へ拡大する計画です。
1GWhは一般家庭約30万世帯が1日に使用する電力量に相当するとされており、同社の設備投資計画は、日本の電力インフラを支える規模を視野に入れたものといえます。新製品の研究開発やオフィス集約も進め、量と質の両面で競争力を高める構えです。

売上は急拡大、赤字は拡大も「成長期の影」

財務面では、急成長ベンチャーならではの明暗がはっきりと表れています。2023年度に約3億円だった売上高は、2024年度には約61億円へと急拡大し、わずか1年で約19倍の成長を記録しました。市場ニーズの強さを示す数字といえます。
一方で、純損失は2023年度の約61億円から、2024年度には約80億円へと赤字が拡大しています。これは工場建設や研究開発といった先行投資によるもので、同社も成長段階における一時的な赤字と位置づけています。すでに417億円の受注残高を抱えている点は、将来の売上の可視性という意味で投資家にとって一定の安心材料となっています。

有名投資家CIS氏も参戦、長期視点での期待感

市場の注目を集めた要因の一つが、有名個人投資家のCIS氏による言及です。CIS氏はX(旧Twitter)上で、特売りスタートとなった新規上場株を「根こそぎ買ってみた」と投稿し、パワーエックス株を下落局面で購入したことを示唆しました。「来期黒字見込みで一気に買われる可能性」「国防関連でもありそう」とコメントし、長期投資の姿勢をにじませています。
さらに、地下避難所などでの蓄電池需要に言及し、「事故がないここの蓄電池はめちゃ需要ある」と評価。日本ではまだ整備が進んでいない分野ながら、将来的な需要拡大を見据え、気長に保有する考えを示しており、個人投資家心理にも影響を与えた可能性があります。

成長ストーリーを信じるか、実行力が試される局面へ

パワーエックスは、巨大な市場規模、国の後押し、そして国産蓄電池という明確な差別化要因を武器に、成長ストーリーを描いています。一方で、継続する赤字からの脱却や、新工場の立ち上げを計画通りに実行できるかといったリスクも無視できません。
上場初日の株価推移は、期待と不安が交錯する同社の現状を象徴しているともいえます。巨額の先行投資を乗り越え、将来の利益創出へとつなげられるのか。パワーエックスは、上場を新たな起点として、真価が問われるステージに入ったと言えそうです。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

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【Dear Overseas Investors: Summary in English】

PowerX Shares Rebound Sharply on Tokyo Debut as Investors Eye Japan-Made Battery Growth Story

PowerX Inc., a Japanese large-scale battery manufacturer, made its debut on the Tokyo Stock Exchange Growth Market on December 19 under the ticker TYO:485A. The stock opened at ¥1,130, below its IPO price of ¥1,220, reflecting heavy selling pressure at the start of trading. However, sentiment quickly reversed, with shares surging to ¥1,430 and closing at the same level, signaling strong investor interest in the company’s long-term potential.

Headquartered in Tamano, Okayama Prefecture, PowerX positions itself as a key player in strengthening Japan’s energy security. The company focuses on domestically manufactured battery energy storage systems (BESS), which account for more than 80% of its revenue. Its flagship products range from large container-type batteries for power grids and factories to smaller systems for buildings and solar power facilities.

PowerX is currently in an investment phase. Revenue jumped from about ¥300 million in fiscal 2023 to approximately ¥6.1 billion in fiscal 2024, while net losses widened due to aggressive spending on R&D and new production facilities. Backed by an order backlog of roughly ¥41.7 billion, the company plans to use most of its IPO proceeds to build a new factory in Okayama, aiming to expand production capacity more than eightfold by 2029.

The stock also drew attention after prominent Japanese investor CIS disclosed on social media that he had purchased PowerX shares, citing expectations of future profitability and demand for domestically produced batteries with potential strategic and infrastructure uses.

Despite ongoing losses, PowerX’s rapid growth, large addressable market, and “Made in Japan” strategy have positioned it as a closely watched name among investors seeking exposure to Japan’s energy transition and battery sector.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

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渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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