― 2度目の延期、再開時期は市場環境を見極めて判断 ―
ファイントゥデイホールディングス株式会社(以下、ファイントゥデイHD)は本日10月20日、11月5日に予定していた東京証券取引所スタンダード市場への新規上場を延期すると発表しました。延期は昨年に続き2度目となります。
同社は、今回の判断について「昨今の株式市場の動向などを総合的に勘案した結果」と説明しており、募集株式の発行および株式売出しを中止することを決定しました。これに伴い、上場手続きも延期されます。上場再開の時期については、今後の市場動向を見極めた上で判断する方針です。
背景と経緯
ファイントゥデイHDは今月3日に東京証券取引所スタンダード市場への新規上場が承認され、上場日は11月5日を予定していました。(10月4日の記事参照:ファイントゥデイHD、11月スタンダード市場上場へ)
しかし、直近の株式市場では新規上場銘柄の公開価格割れが相次ぐなど、投資家心理の悪化が懸念されており、同社はこうした環境を踏まえた慎重な判断を下したとみられます。
同社は2024年12月にプライム市場での上場を予定していた時期にも、市場環境を理由に売出しを中止しており、今回が2度目の上場延期となります。
予定していた公募概要と業績見通し
当初の計画では、売り出し株総数を1,581万8,700株とし、10月27日に売出し価格を決定する予定でした。
2025年12月期(IFRS)業績予想では、売上高1,133億円(前期比5.5%増)、営業利益136億円(同6.9%減)、純利益77億円(同679.1%増)を見込んでいます。前期比での営業減益予想ながら、純利益の大幅な増加を計画しており、収益構造の改善を示唆する内容となっていました。
ファイントゥデイHDの事業概要
同社は2021年5月、資生堂のパーソナルケア事業を引き継ぐ形で設立されました。資生堂と英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズの共同出資により「ファイントゥデイ資生堂」として事業を開始。
その後、2022年8月に資生堂の生産事業取得契約を締結し、2023年1月に現社名へと変更しました。
主力ブランドには、ヘアケアの「TSUBAKI」、スキンケアの「専科(SENKA)」、メンズケアの「UNO」などがあり、日本を含むアジア11カ国・地域で事業を展開しています。研究開発から生産、販売までを一体化した運営体制が同社の強みとされています。
今後の見通し
ファイントゥデイHDは「株式市場の動向を注視し、最適なタイミングで上場手続きを再開する」としています。
資生堂グループからの独立後、同社はグローバル市場での成長を目指しており、上場を通じた資金調達によってブランド価値向上や海外展開の加速を図る狙いがあるとみられます。
投資家の間では、再上場時期や市場環境の改善に注目が集まる見通しです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【続報】(2025年10月22日)
▼「なぜ、ファイントゥデイが上場延期したのか」について深堀してみました。
https://stockexpress.jp/finetoday20251022/





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