キリンHD、決算はイマイチだが株価は上昇!その理由に迫る

キリンHD、決算はイマイチだが株価は上昇!その理由に迫る 株式劇場

総合飲料食品グループ「キリンホールディングス株式会社KIRIN)が8月7日(木)大引け後(15:30)に決算発表を行いました。発表された期間は、2025年12月期 第2四半期累計(上期:1〜6月)。結果、売上収益は増えており過去最高を記録していますが、利益はダウンしました。
連結最終利益は528億円に減り(前年同期比7.7%減)、通期計画の1500億円に対する進捗率は35.2%にとどまり、5年平均の52.5%も下回っています。通期計画は据え置かれていますから、下期(7-12月期)の連結最終利益は971億円に急拡大する計算になります。これは、前年同期比98倍。何か勝算があるのでしょうか?気になるところです。
新たな収益の柱も見えてきた一方で、国内市場はなかなか厳しいようですね。
なお、そのような状況でもトレードマークでもある高配当はしっかり維持し、2025年からは株主還元方針も大きくアップデートされます。

詳しく見ていきましょう。

キリンHDの決算発表から事業状態を分析してみる

キリンホールディングス株式会社 決算(2025年12月期 第2四半期累計(上期:1〜6月)

キリンホールディングス株式会社 決算(2025年12月期 第2四半期累計(上期:1〜6月)

キリンHDの第2四半期累計売上高は、1兆1363億円で前年費でプラ3.7%増加です。増加の要因は、前年の4クォーターから連結した 株式会社ファンケル(FANCL)の通年寄与。ヘルスサイエンス飲料、サプリメント、スキンケア製品が好調のようです。「ファンケルってキリングループの一員なんだよなぁ」とあらためて実感。
それから、オーストラリア、ニュージーランド、東南アジアにおける ブラックモアズ(Blackmores)の増収もありました。
一方、売上減少の要因としては、国内ビール販売数料の減少があります。4月に価格改定後に想定以上の減少がありました。 また、為替の円高影響も。米ドル、豪ドル安による減収要因として約 227億円。

営業利益は、687億円 でマイナス15%。減少している要因は、協和キリンの特別希望退職制度関連費用やアミノ酸事業の上渡関連費用。また、円高の影響も。
増加要因としては、ファンケル、協和発酵バイオの業績改善。酒類事業での原材料費やマーケ費用の効率化による増益効果もありました。

経常利益は、837億円でマイナス22.8% 。減少要因は営業利益減少に加えて金融収益の減少。為替差益の減少。金融費用の増加もありました。また、ファンケルや協和キリン富士フイルムバイオロジクスなどの減益もありました。増加の 要因としてはフィリピン市場の好調 でサンミュゲルブルアリーズの持ち分法 利益の増加もありました。

そして、最終利益に関しては528億円で-7.7% 。経常利益減少がダイレクトに影響しています。

財務状況を見てみると、自己資本比率は2022年(38.5%)から今(34%)に至るまで低下傾向にあります。食品飲料大手としては、標準からやや低めな印象。自己資本比率低価の背景には ファンケル追加取得などによる資産増加と負債増加などが影響していると思われます。
剰余金は安定して推移しており、財務安定性が感じられます。配当金や成長投資の原資と なるので、安定した株主還元を支える基盤になる要素です。

キリンHD 財務状況 2022年〜2025年上半期

キリンHD 財務状況 2022年〜2025年上半期

高配当は維持

キリンと言えば、上場してから減配していないところが大きな魅力。1947年に上場した会社ですから、70年以上も配当金を 減らしていないのですから、すごいことですよね。業績が悪化しても減配しない方針を掲げ、毎期配当を継続しています。

配当利回りは、現時点で 3.5%程。これくらいあれば、配当狙い(インカムゲイン目的)の投資家にとっても魅力的な水準と言えると思います。

▼キリンHDの配当金推移
kirin-配当金推移2016-2025

最近10年程の推移を見ても着実に増えてますよね。2年横ばいの年はあっても減配はなく、その後、着実に増配してくれる、という安心感。安定高配当株と言って良いのではないでしょうか。

2024年度までは配当性向40%以上が基準でしたが、今年2025年からはDOE5%が基準に原則として累進配当を採用。配当性向は明確な目標を出していないものの40から50%台で推移して利益に応じて調整していくのではないでしょうか。
自社株買い(自己株式取得)は機動的に実施していきます。事業売却やポートフォリオを見直して得た資金を自社株買いに活用可能。柔軟に対応していく方針が定款にも明記されました。

ヘルス分野などの成長分野への投資と株主還元をバランス良く実施していく方針も掲げられました。これも好感度高いですよね。

株価は上昇

8月7日(木)大引け後(15:30)の決算発表の翌日、8月8(金)の終値 は2,100円。株価は上昇しました。決算発表の報道に「減益」が目立ったものもあったため、下落に転じるかなと思いきや、上昇。しっかり決算の中身を見極めて可能性を感じた投資家が多かったということでしょうか。連休明けの8月12日はさらに株価が上昇し、2,144円をつけました。13日、14日も2,100円台を保っています。決算発表を境に明らかに上昇モードに入っていそうです。

キリンHD 株価推移(2025年8月7日〜14日)

キリンHD 株価推移(2025年8月7日〜14日)

PER11.4倍。食品業界の平均が約15倍 前後のため、現在でも割安と言って良い水準だと思います。
PBR1.5。日本企業には1倍を下回るようなところもあり問題視されることもありますが、キリンは1倍を上回っており、食品業界大手としては標準的、あるいはやや高めの水準といったところでしょうか。

キリンHDは、実は三菱グループの一員でもあり、三菱系企業の株を多く保有している私としては、以前から注目してきた企業。しかし、まだキリンの株は保有していないんですよね(汗。配当金も連続高配当ですし、状況をウォッチしながら虎視眈々と買い時を見極めていきたいと思います。

【追加記事:2025年9月2日】
▼「キリンホールディングス株、米系証券の格上げ等で上昇 — 高配当の魅力や伊藤園好決算も追い風に」
https://stockexpress.jp/kirinholdings20250902/

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渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

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