2月2日、特殊ガラスメーカーの岡本硝子株式会社(おかもとがらす)の株価が急騰。買い注文が寄り付きから殺到し、株価はストップ高水準まで一気に駆け上がる展開となりました。終値は、前日比 +150円高(+15.32%)の1,129円。昨日の記事(南鳥島沖「レアアース泥」揚泥成功で資源安全保障に追い風――関連銘柄が高騰か!?)でお伝えしたように、南鳥島沖の深海資源開発を巡るニュースが、関連銘柄として岡本硝子に強い追い風となっています。市場が注目したのは、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」が、南鳥島沖の水深約6000mでレアアースを含む泥の回収に成功したと伝わった点です。
投資家の関心は「この成功が一過性の材料なのか、それとも国家プロジェクトの現実味が増した転換点なのか」に移りつつあり、岡本硝子はその象徴的な銘柄として短期資金の標的になっています。以下にて詳しく見ていきましょう!
南鳥島の“資源ニュース”が株式市場を刺激
今回の材料は、単なる技術ニュースではありません。レアアースは電気自動車(EV)、風力発電、スマートフォン、防衛装備など幅広い分野に不可欠であり、国家の経済安全保障に直結する戦略物資です。
特に供給面では中国依存が強いことから、国産供給源の確保は日本にとって長年の課題でした。そうした中で「水深6000m級の深海から実際に泥を回収できた」という報道は、これまで“可能性”にとどまっていた南鳥島の資源が、いよいよ“現実の事業”へ近づくシグナルとして受け止められています。
株式市場では、このテーマが一気に広がり、深海開発に関わる企業が関連株として再評価されました。その中でも岡本硝子は、時価総額規模が比較的小さいこともあり、値動きが増幅しやすい銘柄として注目度が高まりました。
岡本硝子は「深海開発の目」になり得る存在
岡本硝子が関連銘柄として強く意識される理由は、同社が手掛けてきた深海探査・観測分野の技術にあります。深海資源開発は、掘る技術だけでは成立しません。
実際の商業化に向けて最大の関門になるのは、環境影響評価(EIA)です。深海底の泥を巻き上げることで生態系へどの程度影響が出るのか、国際的に説明可能なデータを継続的に取得しなければ、開発は途中で止まるリスクがあります。
この局面で重要になるのが「深海で観測し、証拠を残す」技術です。岡本硝子は深海用観測装置・探査機の領域で存在感を示してきた経緯があり、投資家の間では同社を単なる“周辺企業”ではなく、プロジェクトの継続可否に関わる重要パーツと見る向きが増えています。

江戸っ子1号 イメージ
つまり、深海資源開発の成否が「掘削」だけでなく「観測・証明」によって左右される以上、岡本硝子の技術が“必要不可欠なピース”になる可能性がある、という期待が株価に織り込まれ始めた格好です。
もう一つの材料:AI時代の放熱ニーズと高機能材料
岡本硝子は、深海開発というテーマだけで評価されているわけではありません。私が投資家として注目しているもう一つの軸が、AI関連の放熱・高機能材料です。
生成AIの普及でデータセンター投資が加速する中、GPUなどの高発熱部品を安定稼働させるには、高性能な放熱部材が不可欠になります。ここに関連して、同社が手掛ける高機能材料(例:AlN基板など)への期待が浮上しています。
深海資源開発は「国家プロジェクト × 資源安全保障」、AI材料は「世界的成長市場 × 半導体周辺需要」という性格を持ち、投資テーマとしては方向性が異なります。
しかし短期相場では、この“二つのストーリーを同時に持つ”点が投資家の想像力を刺激し、株価の加速要因になっているとみられます。
株価シナリオ:短期は過熱、ただしテーマ性は継続
足元の株価上昇は、ニュースのインパクトと需給要因が強く、短期的には過熱感も意識されます。特にストップ高局面では、値幅制限により売買が偏り、翌営業日も同様の展開になりやすい一方、材料出尽くしとなれば急落も起こり得ます。
したがって短期では「上がるか下がるか」以上に、「出来高の増加」「信用買い残の積み上がり」「連続ストップ高後の急変動」といった需給の歪みが重要になってきます。
一方で中期目線では、南鳥島プロジェクトが段階的に進むにつれ、追加のニュース(実証試験、環境評価、商業化ロードマップ、参画企業の拡大など)が継続的に出やすいテーマでもあります。材料が連続しやすい分野であることから、短期の乱高下を経ても、テーマ株として市場に残り続ける可能性は十分あります。
岡本硝子は「深海資源×AI材料」の複合テーマ株へ
今回の相場は、南鳥島沖でのレアアース泥回収成功というニュースが引き金となり、「資源安全保障」という国家レベルのテーマが株式市場で急速に再燃した形です。
岡本硝子はその中で、深海観測という独自ポジションが意識され、投機資金も含めた買いが集中しました。
短期的には急騰の反動リスクもありますが、深海資源開発とAI関連材料という複数テーマを持つ点は、今後も同社が相場の中心に残りやすい要因と言えます。投資家としては、ニュースの熱量だけでなく、プロジェクト進捗・需給動向・次の材料を冷静に見極める局面に入っています。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Okamoto Glass Jumps on Japan’s Deep-Sea Rare Earth Breakthrough
Okamoto Glass Co. (7746) surged after reports that Japan’s deep-sea drilling vessel Chikyu, operated by JAMSTEC, successfully recovered mud containing high-grade rare earth elements from around 6,000 meters below the seabed near Minamitorishima Island.
The market is increasingly viewing the Minamitorishima project as more than a scientific milestone, interpreting it as a step toward Japan securing a domestic supply chain for strategic rare earth materials amid heightened geopolitical risks. Okamoto Glass drew investor attention due to its deep-sea monitoring and observation technologies, which are considered critical for environmental impact assessments—often a key hurdle for commercial-scale seabed resource development.
Beyond the rare earth theme, investors are also highlighting the company’s potential exposure to AI-related demand through high-performance heat dissipation materials used in next-generation servers and data centers.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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