株式会社きんでん(Kinden – Corporation/東証プライム・コード1944)の株価が急伸しています。10月29日には一時、前日比1,000円高(+19.38%)の6,158円まで上昇し、株式分割を考慮した上場来高値を更新しました。その後も上昇基調を維持し、10月31日の終値は6,178円(前日比+888円、+16.79%)となりました。
▼きんでん株価推移(2025年10月28日〜31日)

きんでん株価推移(2025年10月28日〜31日)
株主の皆様、おめでとうございます!この背景には、会社が発表した2026年3月期の業績予想の大幅上方修正があり、市場の強い買い材料となっています。以下にて詳しく見ていきましょう。」
過去最高益を更新へ 純利益37%増の見通し
きんでんは10月28日、2026年3月期の連結純利益を前期比37%増の645億円と発表しました。これは過去最高益の更新見込みであり、従来予想の520億円(前期比+10%)から大幅に上方修正されました。市場予想平均(QUICKコンセンサス・558億円)も大きく上回る水準です。
売上高は前期比5%増の7,420億円、営業利益は33%増の810億円と、それぞれ上方修正されています。年間配当も前期比30円増の120円へと引き上げられ、株主還元姿勢の強化が鮮明となりました。
立花証券の島田嘉一アナリストは「配電工事やデータセンター関連などの電気工事受注が伸び、複合的に業績を押し上げている。配当の積み増しも投資家に好感されている」と分析しています。
電力不足が追い風 好採算案件の選別が可能に
きんでんは関西を地盤とする総合設備エンジニアリング企業で、電力・通信・環境関連の設備工事を手掛ける業界大手です。近年の電力不足やデータセンター建設ラッシュを背景に、送配電設備の需要が急拡大しており、同社にとって強い追い風となっています。
従来は価格競争が激しい環境もありましたが、現在は需要の高まりを背景に採算の良い案件を選別して受注できる立場に変化しました。これにより利益率が大幅に改善し、事業構造そのものがより収益性の高いものへと転換しています。
さらに、受注高は前期比21.6%増の4,608億円、手持ち工事高も16%増と堅調に拡大しており、将来の収益基盤が盤石であることを示しています。
長期的な電力需要が成長を後押し
AI普及やデータセンター建設、脱炭素化に伴う電力インフラ再構築など、電力需要は今後も増加が見込まれます。これらの社会構造変化により、きんでんには長期的に安定した案件供給が見込まれています。
また、事業の大部分が国内に集中しており、為替変動の影響を受けにくい点も安定性の観点から評価されています。関西電力エリアでの原発再稼働やリプレース計画なども、今後の受注機会拡大につながる可能性があります。
投資家視点の注目ポイント
・構造的な追い風:国内の電力需給逼迫を背景に、インフラ整備需要が長期にわたり拡大する見通しです。
・利益率の改善:好採算案件の選別による利益率向上が続いています。
・上方修正余地:今回の業績予想は保守的との見方もあり、さらなる上振れの可能性があります。
・豊富な受注残高:受注・手持ち工事ともに増加傾向で、中長期の成長を下支えしています。
・株主還元の強化:年間配当120円(前期比+33%)は、企業の自信と株主重視の姿勢を象徴しています。
今後の見通しと株価動向
市場では、「きんでんの業績拡大は一過性ではなく、構造的な成長局面に入った」との見方が広がっています。AIや再エネ、データセンターなど電力インフラ需要の波に乗り、今後5〜10年にわたって安定的な成長が続くとの期待が高まっています。
一方で、株価は短期的に急騰しており、利益確定売りなど需給調整局面への警戒も必要です。とはいえ、割高感は限定的との見方もあり、中長期では上値を追う展開が続く可能性があります。
きんでんは、電力インフラの拡充とデータセンター投資拡大という時代の追い風を最大限に活かす企業として注目されています。業績の上方修正と増配、そして構造的な事業転換を背景に、投資家にとって魅力的な成長ストーリーを描きつつあります。今後も「利益を伴った成長」と「安定した株主還元」が両立できるかが、きんでん株の評価を左右する鍵となりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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