米半導体大手のエヌビディア・コーポレーション( NVIDIA Corporation)は11月20日早朝(日本時間)、世界中の投資家が熱視線を送る中、決算を発表。2025年11月〜2026年1月期(第4四半期)の売上高見通しとして650億ドル(±2%)を発表しました。市場予想の616億~620億ドルを上回り、AI関連投資の勢いが依然として強いことを示しました。決算発表直前にはAIバブル懸念が高まっていましたが、強気な業績見通しが示されたことにより、同社株は時間外取引で4〜6%上昇し、時価総額は一時2200億ドル増加しました。
売上の主役はデータセンター AIアクセラレーターが過去最高の需要に
第3四半期(8〜10月期)の売上高は前年同期比62%増の570億ドルとなり、7四半期ぶりに成長が再加速しました。
特に中核のデータセンター部門が512億ドルと市場予想を大きく上回り、業績を牽引しています。
CEOのジェンスン・フアン氏は、「ブラックウェルの売り上げは桁外れで、クラウドGPUは完売状態」と述べ、AIインフラ需要の広がりを強調しました。
AIバブル懸念をCEOは否定 “5000億ドル規模の需要”を改めて強調
市場では、過剰なAI設備投資がバブル状態に発展しているとの見方が広がっています。しかし、フアンCEOは次のように反論しました。
「AIバブルについて多くの議論があるが、われわれの視点から見える状況は全く異なる」
同氏は、先端GPUについて予約額が5000億ドル規模に達するとの見通しを再提示。また、AIアクセラレーター「ブラックウェル」に加え、次世代「ルービン」が2026年まで並外れた成長を押し上げると述べています。
CFOのコレット・クレス氏は、この5000億ドル目標を「上回る可能性もある」と発言し、強気姿勢を示しました。
株式市場は好感、関連銘柄にも買い広がる
決算を受け、エヌビディア株は時間外で約4〜6%上昇。
関連銘柄にも波及効果があり、コアウィーブは10%超、ネビウスも8%以上上昇しました。
ザックス・インベストメントのマルベリー氏は「AIの勢いが衰えていないと確認され、市場が強く反応した」と指摘しています。
一方で残る懸念:AI投資の持続性・顧客集中・AI経済の資金循環
アナリストの一部からは、バブル懸念払拭には「不十分」との指摘もあります。
● 投資の持続性への疑問
AIインフラ投資の成長が急速である一方、長期的に続くかどうかには疑問の声が上がっています。
売上の61%を上位4社が占め、顧客集中が進んでいる点もリスクとして挙げられます。
● AI企業への投資増加と資金循環への不安
エヌビディアは主要顧客への出資を進めており、資金循環が「循環的バブル状態」を形成する懸念があります。
● GPUレンタル事業の急膨張
クラウド顧客にGPUを貸し出す契約総額は260億ドルと前期の2倍以上に拡大。
ビジネスモデルの変化が財務リスクにつながる可能性もあります。
成長の壁は“電力不足” データセンター稼働リスクが現実に
急速なAI計算需要の高まりに対し、電力供給が追いつかない問題が深刻化しています。
米研究機関によると、データセンターの電力消費は2028年までに最大3倍に拡大する可能性があり、
「納入したGPUのまま設備が稼働できない」事態が懸念されています。
フアンCEOも、最大の制約は何かという問いに明言を避けつつ、
「ワットあたり性能の改善が極めて重要」と述べ、電力問題への対応を強化する姿勢を示しました。
中国市場の制約と中東への活路
米国の輸出規制により、中国向けAI半導体の売上はほぼゼロとなりました。その一方で、中東市場への展開が進んでおり、米商務省はブラックウェルをサウジアラビアとUAE向けに最大3万5000個輸出することを承認しています。
強烈な成長モメンタムは継続、しかし物理的制約と投資過熱リスクに注意
エヌビディアの決算は、AI需要の底堅さと同社の圧倒的な競争優位を改めて示しました。一方で市場は、
・AIインフラ投資の持続可能性
・顧客集中リスク
・電力不足など物理的制約
・資金循環を巡るバブル懸念
といった課題にも注意を払う必要があります。
短期的には強気材料が勝るものの、中長期では「電力・土地・資金」というボトルネックが成長の制約となる可能性があり、投資家はこれらの点を慎重に見極める必要があります。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
ぜひ、ブックマークしてご購読くださいませ。
▼記事更新通知は 私のXにて♪
https://x.com/shun699





コメント