総合商社の丸紅株式会社は2月4日、2026年3月期の連結純利益(IFRS)見通しを前期比7%増の5,400億円へ上方修正すると発表しました。従来予想から300億円の増額となり、市場予想平均(QUICKコンセンサス)も上回る内容です。発表を受けて株価は一時4%高まで上昇し、業績の上振れと還元策の同時発表が投資家心理を押し上げました。
以下にて詳しく見ていきましょう!
純利益5,400億円へ増額、資源・非資源の両輪が寄与
今回の上方修正の主因は、銅市況の改善による銅鉱山事業の伸長です。銅鉱山事業だけで利益が200億円上振れする見通しで、経営側も「来期も相当上振れが期待できる」と強気の見解を示しました。
さらに注目されるのは、一過性要因を除いた「実態純利益」も8%増の4,850億円へと、前回計画から250億円引き上げられた点です。単なる特殊要因頼みではなく、基礎的な稼ぐ力の底上げが確認できる内容となりました。資源市況の追い風に加え、金融・リース・不動産など非資源分野の利益見通しも上積みされており、収益源の分散が効いた構造が評価されます。
配当増額と自社株買い、株主還元姿勢を鮮明に
丸紅は同時に、株主還元の強化も打ち出しました。26年3月期の年間配当は107円50銭(前期95円)へ引き上げ、従来予想からも7円50銭増配となります。
加えて、自社株買いも発表しました。上限は150億円、500万株(発行済み株式総数の0.3%相当)で、取得期間は2月5日から6月30日まで。増配と自社株買いをセットで提示することで、利益成長の果実を株主に還元する姿勢を明確にし、株価の下支え要因にもなりそうです。
キャッシュ創出力も改善、基礎営業CFは上振れへ
企業価値の持続的成長を測る上で重要なキャッシュフロー面でも前向きな材料が出ました。運転資金の増減などを除いた「基礎営業キャッシュフロー(CF)」は、26年3月期通期で5,700億円となる見通しで、従来想定を200億円上回ります。
利益の増加だけでなく、キャッシュ創出力の底堅さが確認できたことは、成長投資と株主還元の両立を進める上でも安心材料となります。総合商社は投資案件の実行力が企業価値を左右しやすい業態であり、キャッシュの厚みは中長期の戦略遂行力に直結します。
4〜12月期は増益、評価益・売却益も寄与
同日公表された25年4〜12月期(第3四半期累計)の連結決算では、純利益が前年同期比2%増の4,322億円でした。第一生命ホールディングスとの国内不動産事業統合に伴う評価益や、北米リース事業の売却益などが寄与した形です。
一方で、直近10〜12月期(第3四半期単独)の最終利益は前年同期比32.2%減の1,267億円と減益となっており、四半期ベースでは資源市況の影響や反動要因も意識されます。ただし、通期計画に対する進捗率は高く、会社側の見通し修正とも整合的であるため、マーケットはネガティブ視しにくい状況です。
時価総額10兆円目標を前倒し、成長戦略の本気度示す
今回の発表で、投資家の関心を集めたのが経営目標の引き上げです。丸紅は、31年3月期末までとしていた「時価総額10兆円超」の達成時期を、28年3月期末までに前倒しすると発表しました。足元の時価総額は9兆円前後で推移しており、現実味を帯びた射程に入っている点が市場の期待を誘います。
大本社長は、既存事業の磨き込みや成長投資などの戦略が市場に評価されていると説明しており、株主還元強化と合わせて、企業価値向上を加速させるメッセージとなりました。
投資家視点:銅価格と非資源成長、還元強化が株価のカタリストに
投資家にとって、今回のポイントは大きく3点に整理できます。第一に、銅市況改善による資源分野の上振れが見込まれること。第二に、実態純利益の増額が示すように、非資源分野を含めた基礎収益力が底上げされていること。第三に、増配と自社株買いによって株主還元の強化が明確化されたことです。
資源価格の変動は依然としてリスク要因ですが、非資源収益の積み上げとキャッシュ創出力の改善が進むことで、利益のブレを抑えながら成長と還元を両立できる企業体質が整いつつあります。短期的には銅価格の動向が株価の変動要因となり得る一方、中長期では「時価総額10兆円」目標の前倒しが示す成長シナリオに注目が集まりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Marubeni Raises Profit Forecast on Strong Copper Prices, Boosts Shareholder Returns
Marubeni Corp. said it has raised its consolidated net profit forecast for the fiscal year ending March 2026 to ¥540 billion, up 7% year-on-year and ¥30 billion above its previous outlook, citing improved market conditions—particularly in its copper mining business. The revised guidance also came in above the market consensus, helping lift the company’s share price as much as 4% following the announcement.
The trading house also strengthened shareholder returns, increasing its annual dividend forecast to ¥107.5 per share (from ¥95 a year earlier) and announcing a share buyback of up to ¥15 billion. Management noted that underlying earnings power is improving, supported by stronger operational cash generation and a more resilient business mix across both resource and non-resource segments.
Marubeni additionally moved forward its target timeline for achieving a market capitalization above ¥10 trillion, now aiming to reach the milestone by the fiscal year ending March 2028.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.




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