2026年1月6日、データセクション株式会社<3905 [東証G]>が、投資家の度肝を抜く業績修正を発表しました。前期は赤字だった同社が、2026年3月期の連結経常利益予想を従来の1億7000万円から29億7200万円へと約17倍に引き上げ、4期ぶりとなる過去最高益をさらに更新する見通しを示したのです。株式市場が即座に反応したのも当然でしょう。本記事では、決算資料と適時開示情報をもとに、この驚異的な数字の裏側と、同社の将来像を投資家目線で読み解きます。
赤字先行投資フェーズの終焉、利益回収局面へ
今回の業績修正は、単なる「好調決算」という言葉では片づけられません。データセクションはこれまで、AI向けデータセンター事業に巨額の先行投資を行ってきました。2025年11月時点の第2四半期決算では、AIデータセンター関連の投資負担により、13億円を超える営業赤字を計上し、市場では投資回収への懐疑的な見方もありました。
しかし今回の修正は、その評価を完全に覆す内容です。先行投資フェーズは終わり、想定を大きく超えるスピードと規模で利益回収に入ったことが、数字として明確に示されました。いわば「仕込みの時代」が終わり、「刈り取りの時代」に突入した瞬間といえます。
売上12.7倍、経常利益29億円超という異次元の成長
修正後の2026年3月期連結業績を見ると、売上高は372億7300万円と前期比で実に12.7倍に拡大する見通しです。さらに注目すべきは利益面です。営業利益は34億9800万円と、前期の約5億円の赤字から劇的な黒字転換を果たします。
市場を最も驚かせたのは、やはり経常利益でしょう。従来予想の1億7000万円から29億7200万円へと大幅に引き上げられ、下期(10~3月)だけでも約44億円の黒字が見込まれる計算になります。これは中堅IT企業の年間利益に匹敵する規模であり、新規上場企業としては異例の成長スピードです。
成長ドライバー① オーストラリア第1号データセンター
この急成長を支える要因のひとつが、オーストラリア・シドニーで建設中の第1号データセンターです。同センターは2026年3月に稼働予定で、今期はわずか1カ月分の売上として約41億5500万円が計上される見込みです。
1カ月で40億円超という水準は、単純計算すれば年間フル稼働時に500億円規模の売上ポテンシャルを示唆します。シドニーはアジア太平洋地域のデータ通信ハブであり、海底ケーブルが集中し、政治的安定性と再生可能エネルギーにも恵まれた立地です。AIデータセンター運営にとって理想的な拠点を押さえたことは、単なる海外進出を超えた戦略的意味を持っています。
2025年10月4日の記事(データセクション株、KDDIの保有株売却発表で急落直後、大口受注IRで急騰へ!)でお伝えしたことが、いよいよ前面に表れてきましたね。
成長ドライバー② 国内データセンター「遅延」が生んだ逆転劇
もうひとつの成長要因は、一見ネガティブに見える国内第1号データセンターの稼働遅延です。顧客からの追加要請により、GPUサーバークラスター構成やネットワーク・セキュリティ設計の変更が必要となり、サービス開始時期が2026年3月へとずれ込みました。
しかしデータセクションは、この遅延を単なる損失で終わらせませんでした。世界最大級のクラウドサービスプロバイダーである顧客との交渉を通じ、GPUサーバー利用単価を約14.3%引き上げ、契約期間も当初の6カ月から24カ月へと大幅に延長することに成功したのです。その結果、売上高および売上総利益は約35億5200万円も増加しました。
これはトラブル対応の域を超え、AIインフラ市場における力関係の変化を象徴する出来事といえるでしょう。
交渉力の源泉は「GPU確保力」と独自技術
なぜデータセクションは、巨大クラウド事業者を相手に有利な条件を引き出せたのでしょうか。その答えは、同社が握る“ボトルネック”にあります。生成AI時代において最大の希少資源は、NVIDIA製の最新GPUです。
データセクションはGPU不足が深刻化する前から、台湾のサーバー供給サプライヤーと提携し、安定した供給ルートを確保してきました。加えて、同社は大量のGPUをひとつの巨大クラスタとして最適に制御する独自アルゴリズムを開発しています。単なるハード提供ではなく、「性能を最大化した計算環境」という高付加価値ソリューションを提供できる点が、他社にはない強みです。
強気シナリオの先にある成長余地とリスク
今回の業績予想は、すでに契約が確定している案件のみを基に算出されています。会社側は、交渉中の大型案件が存在し、受注が確定すれば再度の業績修正を行う可能性があると明言しています。つまり、今回の29億円超という経常利益見通しは、なお保守的な数字と見ることもできます。
一方で、主要顧客への依存度が高い点はリスクとして意識すべきでしょう。ただし、現状のAIインフラ市場は売り手市場であり、代替困難な最新GPUを握るデータセクションにとっては、この強固なパートナーシップ自体が高い参入障壁として機能しています。
成長ストーリーは始まったばかりか
先行投資による赤字という最大のリスクを乗り越え、データセクションは今、確保した最新GPUという“戦略資源”から巨額のキャッシュを生み出し始めています。世界的なAIインフラ需要という追い風、技術と調達力、そして交渉力が噛み合った結果といえるでしょう。
契約相手は「世界最大規模のクラウドサービスプロバイダー」とのみ明かされていますが、このパートナーシップこそが、同社の最も価値ある無形資産かもしれません。今回の株価急騰しましたが、これは一過性の材料ではなく、壮大な成長ストーリーの離陸点となる可能性があります。投資家にとって、データセクションは今後も目が離せない存在となりそうです。
▼データセクション株価推移(2025年12月29日〜2026年1月6日)

データセクション株価推移(2025年12月29日〜2026年1月6日)
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Data Section Posts Stunning Earnings Upgrade on AI Data Center Boom
Data Section Inc. (TSE: 3905), newly listed on the Tokyo Stock Exchange Growth Market on January 6, surprised investors with a dramatic earnings upgrade for the fiscal year ending March 2026. The company revised its recurring profit forecast sharply upward from ¥170 million to ¥2.97 billion, marking a 17-fold increase and a decisive turnaround from a ¥610 million loss in the previous year.
This extraordinary revision signals a clear shift from an investment-heavy phase to a profit-harvesting stage. Data Section had previously absorbed large upfront costs to build AI-focused data center infrastructure, raising concerns among investors. The latest guidance, however, confirms that those investments are now generating returns at a much faster and larger scale than initially expected.
A key growth driver is the company’s first data center in Sydney, Australia, scheduled to begin operations in March 2026. Even with only one month of revenue contribution in the current fiscal year, the facility is expected to generate approximately ¥4.1 billion in sales, highlighting significant long-term earnings potential in the Asia-Pacific AI infrastructure market.
Another major upside came from the company’s domestic data center project. While the launch was delayed due to customer-requested design changes, Data Section successfully renegotiated contract terms with a global cloud service provider. GPU server pricing was raised by around 14.3%, and the contract period was extended from six to 24 months, resulting in an estimated ¥3.55 billion increase in revenue and gross profit.
Data Section’s strong bargaining power stems from its early access to NVIDIA’s latest GPUs and its proprietary software that optimizes large-scale GPU clusters. As demand for AI computing resources continues to outstrip supply globally, the company’s secured GPU supply and technological edge position it as a high-margin AI infrastructure provider.
With its upgraded forecast based solely on confirmed contracts and additional large deals still under negotiation, Data Section’s latest announcement suggests that its rapid growth story may be only just beginning.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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