日本の五大商社の一つ、伊藤忠商事株式会社(ITOCHU Corporation/ 東証プライム 8001)は2月6日後場(13:00)、2026年3月期第3四半期(2025年4〜12月)の連結決算(IFRS)を発表しました。非資源分野の好調を背景に、連結純利益は前年同期比4.3%増の7,052億円と、第3四半期累計として過去最高を更新しました。一方で、通期計画9,000億円に対する進捗率は78.4%と、5年平均をやや下回る水準にとどまっています。決算と同時に最大200億円の追加自社株買いも発表し、株主還元姿勢を改めて鮮明にしました。
以下にて詳しく見ていましょう!
非資源分野が成長を牽引、累計純利益は7,000億円超
2025年4〜12月期の連結純利益は7,052億円となり、前年同期の6,765億円から着実に増加しました。特に繊維、食料、第8カンパニー(ファミリーマートなど)といった生活消費関連を中心とする非資源事業が好調で、非資源分野の利益は過去最高水準に達しています。世界経済が米国の関税強化や中国景気の減速といった不透明要因を抱える中でも、同社の強みである生活密着型ビジネスが安定的な収益基盤として機能した格好です。
一方、金属資源分野では鉄鉱石や石炭価格の下落、為替影響などが重荷となり、前年同期比で減益となりました。資源価格の変動に左右されにくいポートフォリオへの転換が進んでいることが、今回の決算でも改めて示された形です。
第3四半期単体では減益も、利益率は底堅く推移
10〜12月期(第3四半期単体)の連結純利益は2,050億円と前年同期比13.9%減となりました。ただし、売上営業利益率は前年同期の4.6%からほぼ横ばいを維持しており、収益性そのものが大きく悪化したわけではありません。
会社側が据え置いた通期計画を前提に試算すると、1〜3月期(第4四半期)の連結純利益は前年同期比4.5%減の1,947億円程度となる見通しです。進捗率は5年平均を下回っているものの、例年4Qに利益が偏重しやすいセグメント構成を踏まえると、通期9,000億円達成は依然として射程圏内とみられます。
通期見通しは据え置き、配当42円を維持
伊藤忠商事は2026年3月期通期の連結純利益予想を前期比2%増の9,000億円に据え置きました。年間配当も1株当たり42円(株式分割後ベース)とし、増配基調を維持します。累進配当方針の継続により、安定的なインカムゲインを重視する投資家にとっては引き続き魅力的な水準といえます。
最大200億円の追加自社株買いを発表、総還元性向は50%超へ
注目される株主還元策として、同社は最大200億円の追加自社株買いを実施すると発表しました。発行済み株式総数(自己株式除く)の0.2%にあたる1,300万株を上限に、2月9日から3月31日まで取得します。昨年11月に表明した1,500億円超の自社株買いとは別枠であり、合計では約1,700億円規模となります。
これにより、今期の総還元性向は約52%に達する見通しで、経営陣が掲げる「ROEを意識した資本政策」を強く印象づける内容です。市場では「追加自社株買いの発表以外に大きなサプライズはなく、無難に決算を通過した」との受け止めが多いものの、下値を支える材料として評価されそうです。
投資家視点:安定感と還元姿勢が評価ポイント
今回の決算は、非資源分野の強さと株主還元の継続性が改めて確認できる内容でした。短期的には4Qの減益見通しや進捗率の鈍さが意識される可能性があるものの、中長期では生活消費関連を軸とした安定成長モデルと積極的な資本還元が、株価の下支え要因となりそうです。通期9,000億円達成と来期以降の成長シナリオがどこまで具体化するかが、今後の株価評価のカギを握るといえるでしょう。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
ITOCHU Posts Record 9M Profit, Boosts Shareholder Returns with Buyback
ITOCHU Corp. reported solid earnings for the nine months ended December 2025, with net profit rising 4.3% year on year to ¥7.05 trillion, marking a record high for the period. Strong performance in non-resource businesses such as food, textiles and convenience stores offset weakness in metals, highlighting the company’s increasingly stable earnings base.
Progress toward the full-year forecast of ¥9.0 trillion reached about 78%, slightly below the five-year average, and profit in the third quarter alone declined. However, profitability remained resilient, supported by steady margins.
Alongside the earnings release, ITOCHU announced an additional share buyback of up to ¥200 billion, reinforcing its shareholder-friendly stance. Combined with ongoing buybacks and a maintained dividend, total shareholder returns for the year are expected to exceed 50% of earnings.
For investors, the results underscore ITOCHU’s shift toward non-resource growth and disciplined capital allocation, with stable cash flows and enhanced returns continuing to support its investment appeal.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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