三菱重工業株式会社(7011)が2月4日に発表した2026年3月期(今期)の業績見通しが、市場に強いインパクトを与えています。従来は「減益」予想だった同社の通期純利益計画が一転して増益へ転じ、過去最高益を更新する見通しとなったためです。決算発表後、株価は一時3%高まで上昇する場面があり、投資家の注目度の高さを示しました。
今回の決算は単なる好調決算ではなく、「受注の質と量」「事業構造の変化」「将来収益の見える化」という観点で、同社の企業価値を再評価させる材料となっています。
以下にて詳しく見ていきましょう!
通期純利益を上方修正、最高益2600億円へ
三菱重工は2026年3月期の連結純利益(IFRS)を、前期比6%増の2600億円とする見通しを示しました。従来予想では2600億円ではなく「2300億円(減益)」を想定していたため、今回の上方修正はポジティブサプライズとして受け止められています。
また、本業のもうけを示す事業利益も従来予想の3900億円から4100億円へ引き上げられ、利益面の強さがより鮮明になりました。一方、売上収益(売上高に相当)は10%増の4兆8000億円で据え置かれており、「売上成長を維持しつつ、利益率が上がる構造」に市場の評価が集まりやすい状況です。
4〜12月期も好調、利益成長が鮮明に
同時に発表された2025年4〜12月期(第3四半期累計)決算も堅調でした。売上収益は前年同期比9%増の3兆3269億円、純利益は23%増の2109億円と増収増益を確保しています。
さらに、直近の10〜12月期(第3四半期単独)では純利益が前年同期比47.8%増の960億円に拡大しており、足元の収益力が強いことを示しています。業績が期を追うごとに上向いている点は、投資家にとって安心材料になりやすいでしょう。
受注見通しを6000億円上積み、成長の持続性を示す
今回の決算で特に重要なのは、「利益の上方修正」だけではありません。三菱重工は今期の受注高見通しを6000億円引き上げ、6兆7000億円としました。受注の上振れは、単年度の利益ではなく“将来の売上・利益の源泉”を増やす意味を持ちます。
受注を押し上げた要因として、ガスタービンなどの上方修正が挙げられており、エネルギー関連需要の強さがうかがえます。受注環境が良い局面では、重工企業の利益は「一過性ではなく継続性を持つ」形で積み上がる可能性があり、株式市場が評価しやすい局面です。
事業ポートフォリオ変化――ロジスネクスト切り離しの意味
今回の業績見通しは、フォークリフト事業を手がける子会社・三菱ロジスネクストが連結対象から外れる予定であることを踏まえ、「継続事業ベース」で示されています。ロジスネクストについては、投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)がTOBを開始しており、事業構造の再編が進行中です。
この点は単純に「売上が減る」と捉えるよりも、投資家目線では「より利益率の高い領域へ資本と経営資源を集中させる動き」として見られやすい材料です。実際、売上収益が据え置かれる一方で、事業利益・純利益が上方修正されている点は、利益体質の改善が進んでいることを示唆します。
投資家視点:注目点は“利益”より“受注と構造変化”
短期的には、上方修正・最高益更新というニュースが株価の支援材料となり得ます。ただし、投資家がより注視すべきは「受注の上積み」と「高付加価値案件へのシフト」です。
受注高の増加は、将来の売上・利益の見通しを強くし、企業価値の算定において重要な前提条件となります。特に重工業は、受注残高の積み上がりがそのまま“未来の業績の確度”につながりやすいビジネスモデルです。
最高益更新と受注拡大が示す、三菱重工の強さ
三菱重工業は今回、通期純利益を2600億円へ上方修正し、過去最高益を更新する見通しを示しました。加えて、受注見通しも6000億円引き上げており、単年度の好調さだけでなく、将来に向けた成長の持続性も示した形です。
短期的には材料出尽くしで株価がもみ合う可能性もありますが、「受注の質と量が拡大し、利益率も改善する」という構造が続く限り、中長期では評価余地が残る展開も想定されます。今後は受注の進捗、利益率の推移、事業再編の進行が、次の株価評価を左右するポイントとなりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Mitsubishi Heavy Industries Raises Profit Outlook, Signals Stronger Earnings Momentum
Mitsubishi Heavy Industries (MHI) upgraded its earnings outlook for the fiscal year ending March 2026, now forecasting record net profit of ¥260 billion, reversing its earlier expectation of a profit decline. The revision reflects stronger-than-expected performance in areas such as steel machinery, as well as improved profitability across core operations.
MHI also lifted its full-year order intake forecast by ¥600 billion to ¥6.7 trillion, driven by higher demand for products including gas turbines. While revenue guidance was maintained at ¥4.8 trillion, the company increased its operating profit forecast, highlighting a shift toward higher-value projects.
Following the announcement, MHI shares rose as investors welcomed both the earnings upgrade and the stronger order pipeline, which supports medium-term growth visibility.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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