三井海洋開発株式会社(6269)は、2025年12月期第3四半期(1〜9月)の連結決算を発表しました。売上収益は前年同期比11.9%増の33億5,170万米ドル(約4,987億円)、営業利益は同19.5%増の3億520万米ドル(約454億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は同43.6%増の2億4,552万米ドル(約365億円)となり、大幅な増収増益を達成しました。
業績を押し上げた大型FPSO案件の進展
今回の好業績を支えたのは、主力の浮体式海洋石油・ガス生産設備(FPSO)事業です。
同社は、英国Shell plcの子会社Shell Brasil Petróleo Ltda社が進めるブラジル沖合Gato do Matoフィールド向けFPSO建造工事および運転・保守契約を新規受注しました。さらに、ExxonMobil Guyana Limited社からも南米ガイアナのStabroek鉱区Hammerheadフィールド向けFPSO建造・運用契約を獲得しています。
これら大型案件の影響により、受注高は84億7,672万米ドル(前年同期比13倍超)、受注残高は190億8,087万米ドル(前年末比47.4%増)と大幅に拡大しました。世界的な脱炭素化の潮流の中でも、エネルギー安定供給に向けた海洋開発投資が続いていることが追い風となっています。
財務体質の改善と堅実なキャッシュフロー
9月末時点の総資産は45億800万米ドル(約6,708億円)と、前年末からわずかに増加しました。
借入金の削減を進めた結果、**自己資本比率は29.7%(前年末26.3%)**へと改善。現金および現金同等物も約13億ドルに増加し、財務の安定性が一段と強化されています。
営業キャッシュフローは19億2,710万米ドルのプラスに転じ、前期のマイナスから大きく改善。プロジェクト進捗に伴う契約資産の回収が寄与しました。
通期見通しを上方修正、最終利益は過去最高へ
同社は通期業績予想を上方修正し、売上収益44億米ドル(前年比5.1%増)、営業利益4億4,000万米ドル(同36.3%増)、親会社株主に帰属する当期利益3億5,000万米ドル(同58.8%増)を見込んでいます。
1株当たり利益は5.12米ドル(約762円)と大幅増を計画しており、過去最高益水準を更新する見込みです。
配当方針:年間140円に倍増、株主還元を強化
配当についても前期から大幅増額となり、年間140円(中間60円、期末80円)を予定しています。これは前年の80円から75%の増配にあたり、好業績を反映した積極的な株主還元姿勢を示しています。
今後の展望:エネルギー供給と脱炭素の両立へ
同社は、原油価格が60〜70ドル台で推移する中でも、エネルギー安定供給と脱炭素の両立を目指した開発需要が堅調に続くと見ています。特に、深海油ガス田開発分野では技術力とコスト競争力を背景に、FPSOの需要が長期的に維持される見通しです。
ブラジルやガイアナといった主要産油国での受注基盤拡大を通じて、三井海洋開発は世界のエネルギーインフラを支える存在としての地位を一層強化していくとみられます。
三井海洋開発は、FPSO分野での大型受注と堅調なプロジェクト進行により、業績・財務・株主還元のいずれも過去最高水準へと到達しました。原油市況や地政学リスクの影響を注視しつつも、エネルギー需要の底堅さを背景に、今後も安定成長が期待されます。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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