2026-01

column

なぜ日本企業の自社株買いが増えているのか

日本企業による自社株買いが過去に例のない規模で拡大しており、日本株市場は新たな局面に入っています。2024年度の自社株買いは約18兆円と過去最高を更新し、2025年も年初から5か月で12兆円に達しました。背景には、東京証券取引所によるPBR改善要請や、株主価値を重視する経営への転換があります。ROEやEPSを即座に改善できる手段として自社株買いが選ばれ、500兆円超の内部留保やアクティビストの圧力も動きを後押ししています。一方で、成長投資を伴わない買い戻しには慎重な見極めが必要で、投資家には資本政策の質を見極める姿勢が求められています。
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構造的円安とインフレが進む日本経済、投資家としてどう向き合うか

現在の日本株高の背景には、30年続いたデフレの終焉と、構造的な円安・インフレの定着があります。円安はもはや輸出数量を押し上げる局面ではなく、企業利益を直接拡大させる一方で、輸入物価上昇を通じて家計の実質購買力を低下させる「ねじれた構造」となっています。インフレは大企業の収益や株価を押し上げていますが、賃金上昇が追いつかず、生活実感との乖離が拡大しています。金利差だけでは説明できない構造的円安が続く中、投資家には円安恩恵銘柄とインフレ耐性資産を組み合わせた戦略的な資産配分が求められています。
株式劇場

商船三井の株価はなぜ大幅下落したのか? ― スエズ運河再開観測と市況悪化で利益期待後退 ―

商船三井の株価は1月16日に前日比5%安と大幅に下落し、海運株全体が売り優勢となった。背景には、欧州の海運大手マースクがスエズ運河・紅海ルートへの段階的な復帰を進める姿勢を示したことがある。航路短縮は実質的な船腹供給増につながり、運賃に下押し圧力がかかるとの見方が市場で強まった。加えて、ばら積み船市況を示すバルチック海運指数の下落も逆風となっている。商船三井はLNG輸送など安定収益を拡大しているものの、依然として市況変動の影響を受けやすく、運賃低下懸念から利益や配当余力の見直しが意識され、株価調整につながった。
株式劇場

三菱ケミカルグループ株が持ち直し基調、構造改革の成果が株価に反映

三菱ケミカルグループの株価は高値圏で推移しており、構造改革の進展が投資家から評価されつつある。新経営体制の下、同社は低収益事業の撤退・売却を加速し、約4,000億円規模の事業整理の大半をすでに決定した。これにより経営資源を成長分野へ集中させ、27年3月期以降の収益改善を目指す。人員削減や生産拠点の最適化によりコスト削減効果も見込まれ、高機能材料や半導体関連素材、炭素繊維部品を成長ドライバーとして投資を拡大している。PBRは依然1倍を下回る水準にあり、稼ぐ力の回復が確認されれば市場評価の見直しにつながる可能性がある。
株式劇場

キオクシア、上場から約1年でテンバガー達成! AI需要とメモリー逼迫が生む「新局面」

キオクシアホールディングスの株価が急伸し、1月16日に上場来高値を更新した。終値は1万4,750円と前日比8%超上昇し、公開価格からは10倍超となるテンバガーを達成している。背景には、生成AI向けデータセンター拡大や高性能スマートフォン需要を受けたメモリー需給の逼迫がある。供給増加が限定される中でNAND型フラッシュメモリー価格の上昇期待が高まり、業績改善観測が株価を押し上げた。米同業サンディスク株の上昇や強気なアナリスト評価も追い風となっている。さらに浮動株比率が低い需給構造も、株価上昇を加速させており、AI時代の中核メモリー銘柄として投資家の関心が集まっている。
次世代技術

レゾナックHDが急伸、材料値上げとAI半導体戦略に評価高まる

レゾナック・ホールディングスの株価が1月16日に大幅高となり、終値は7,772円と前日比8.9%上昇した。電子回路基板向けの銅張積層板やプリプレグについて、3月出荷分から30%以上の値上げを実施すると発表したことが、収益改善への期待を高めた。原材料や人件費、物流費の上昇を背景にした価格改定で、業績への寄与が見込まれている。加えて、生成AI向け半導体を支える後工程技術で日米欧企業と連携する「ジョイント3」への参画や、HBM向け材料などAI半導体分野での競争力も評価材料となった。市場では、同社が化学メーカーからAIインフラを支える成長企業へ転換しつつあるとの見方が広がっている。
株式劇場

ローツェ株が急騰、AI時代の半導体投資期待で出遅れ修正進む ― 足元業績の回復と高精度搬送技術に再評価 ―

ローツェの株価が1月16日に急騰し、終値は3,178円と前日比13.8%高を記録、東証プライム市場の値上がり率首位となった。背景には、AI関連投資拡大への期待と足元業績の回復がある。2026年2月期第3四半期累計の売上高は前年同期比6%増の944億円と堅調で、利益面は減益だったものの、第3四半期単独では大幅な増益に転じた。米国装置メーカーや台湾顧客向け需要の回復が寄与している。ローツェは高精度なウエハー搬送装置を強みとし、AI・先端半導体分野で不可欠な存在と評価される。株価は高値圏からはなお調整水準にあり、出遅れ修正への期待が投資家の関心を集めている。
政治と株価

日銀、保有ETF売却を開始へ― 市場影響を抑えた超長期処分が本格始動 ―

日銀は19日から、保有する上場投資信託(ETF)とJ-REITの市場売却を開始する。昨年9月の金融政策決定会合で決定した処分方針に基づき、市場への影響を抑えるため、少額かつ長期にわたり売却を進める。保有ETFは簿価で約37兆円にのぼり、年間の売却額は約3300億円、J-REITは約50億円と極めて緩やかなペースだ。市場全体の売買代金に占める割合は0.05%程度に抑えられ、短期的な株価への影響は限定的とみられる。一方で、完了まで100年以上かかる計算となり、大規模金融緩和からの出口戦略として象徴的な意味合いを持つ動きとして投資家の注目を集めている。
三菱商事

三菱商事、過去最大1.2兆円の米天然ガス買収 ― エネルギー安全保障とLNG成長を見据えた大型投資 ―

三菱商事は16日、米国でシェールガス開発を行うエーソン・エナジー・マネジメントを、負債引き受けを含め約1.2兆円で買収すると発表した。同社として過去最大のM&Aとなる。エーソンは米ヘインズビル盆地で有数の生産量と埋蔵量を持ち、LNG輸出基地に近い立地が強みだ。今回の買収により、三菱商事は米国で天然ガスの生産から販売まで一貫体制を構築し、LNG事業の収益基盤強化を図る。世界的な電力需要増加とLNG市場拡大、米国の輸出規制緩和を追い風に、中長期的な成長と日本のエネルギー安全保障への貢献が期待されている。
下水道関連株

日本ヒューム株が急騰、老朽インフラ対策と株式分割が追い風に

日本ヒューム(5262)の株価が急騰している。1月15日の終値は1,807円と前日比17.8%高を記録し、東証プライム市場の値上がり率上位に入った。背景には、2026年1月1日を効力発生日とする1株を2株に分割する株式分割があり、投資単位の引き下げによる流動性向上と投資家層拡大への期待が高まっている。加えて、政府の2026年度予算案で上下水道など老朽インフラ対策費が大幅に増額されたことも追い風となった。各地で下水道老朽化による道路陥没事故が相次ぎ、インフラ更新の必要性が社会的課題として再認識されている。下水道向けコンクリート製品の中核企業である同社は、補修・更新需要の拡大を取り込みやすく、中長期的な成長期待から投資家の注目を集めている。