― 下水道関連の中核銘柄として再評価進む ―
下水道関連株として注目を集める日本ヒューム株式会社(5262)の株価が急騰しています。1月15日の終値は1,807円と、前日比273円高(+17.80%)を記録し、東証プライム市場の値上がり率ランキングで第5位にランクインしました。足元では出来高も伴っており、投資家の関心が一気に高まっている状況です。
▼日本ヒューム株価推移(2026年1月13日~15日)

日本ヒューム株価推移(2026年1月13日~15日)
株式分割が投資家層拡大を後押し
株価上昇の土台の一つとして、同社が実施した株式分割もあると思います。12月28日の記事(日本ヒューム、1対2の株式分割!新NISA初日と重なり株価再評価へ)でもお伝えしたように、日本ヒュームは2025年12月31日を基準日(実質的には12月30日)として、普通株式1株を2株に分割しました。効力発生日は2026年1月1日で、投資単位の引き下げを通じた流動性向上と、個人投資家を含む投資家層の拡大を目的としたものです。
株式分割は需給改善につながりやすく、今回の株価急騰を見る限り、市場では早くもその効果が意識され始めているといえそうです。
国策テーマ「老朽インフラ対策」が株価を刺激
株高の背景には、より大きなテーマ性もあります。政府が示した2026年度予算要求は総額122兆円と過去最大規模となり、そのうち国土交通省関連は7兆円超に達しました。特に注目されるのが、上下水道やトンネル、空港などの老朽化対策費用で、前年度比3割増となる1兆円超が計上されています。
さらに、現実の事故が市場の関心を一段と高めました。埼玉県八潮市で発生した下水道老朽化が原因とされる大規模な道路陥没事故に加え、新潟市東区でも道路陥没が発生し、下水道管の老朽化やコンクリート腐食が原因ではないかと指摘されています。こうした出来事を受け、インフラ維持・更新の重要性が社会的課題として再認識され、「老朽化対策関連株」への物色が一気に活発化しました。
下水道分野のパイオニア、日本ヒュームの存在感
日本ヒュームは、ヒューム管やコンクリートパイルといったコンクリート二次製品を手掛け、下水道や地中化といった国土強靱化の最前線を担う企業です。創業は1925年と、まもなく100周年を迎える老舗企業であり、日本にヒューム管技術を導入したパイオニアとして知られています。
同社は長年にわたり、日本のインフラ整備の中核を担ってきました。その背景には「国利民福」という創業の精神があり、国と人々の生活を支えるという理念が、事業の根幹に据えられています。
業績は踊り場も、通期見通しは堅調
業績面では、2026年3月期の営業利益を22億円(前期比8.8%増)と予想しています。一方で、第1四半期(4~6月)は前年同期比29.6%の減益となり、資材価格の高騰や工事進捗の影響から、株価が一時的に下押しされる局面もありました。
しかし、日本ヒュームの強みは、単なる製品供給にとどまらず、補修・更新といったストック型需要を取り込める点にあります。インフラ老朽化という構造的な追い風を背景に、下期以降の巻き返しを見込む投資家も多く、株価は早々に持ち直してきました。
「守り」と「攻め」を両立する中長期ストーリー
同社は伝統的な下水道関連事業という安定収益基盤を「守り」としつつ、設計・製造・施工を一体で提供する「総合コンクリート主義」を掲げ、技術革新による「攻め」の姿勢も鮮明にしています。自動設計システムやICT施工管理、ロボットによる自動化などを通じ、人手不足という業界課題にも対応しています。
さらに、老朽化する下水道を次世代へつなぐ「ヒューム管2.0」構想では、高耐久コンクリートと先端診断技術を組み合わせ、インフラの長寿命化と維持管理コスト削減の両立を目指しています。
安定した収益基盤と、国策を追い風にした成長余地。その両方を併せ持つ点が、日本ヒュームの株式が再評価されている最大の理由といえるでしょう。老朽インフラ対策という長期テーマの中で、同社がどこまで存在感を高めていくのか、今後も注目が集まりそうです。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Japan Hume Shares Surge on Infrastructure Spending and Stock Split
Shares of Japan Hume Corporation (5262) jumped sharply on January 15, closing at 1,807 yen, up 17.8% day on day, ranking among the top gainers on the Tokyo Stock Exchange Prime Market.
The rally follows the company’s announcement of a 2-for-1 stock split, effective January 1, 2026, aimed at improving liquidity and expanding its investor base. The move has attracted renewed interest, particularly from individual investors.
Investor sentiment has also been lifted by Japan’s FY2026 budget proposal, which totals a record 122 trillion yen. More than 1 trillion yen has been allocated to aging infrastructure upgrades, including sewer systems, tunnels, and airports—an area where Japan Hume plays a key role.
Recent road collapse incidents linked to deteriorating sewer pipes have further highlighted the urgency of infrastructure renewal, strengthening the investment case for related stocks.
Japan Hume, a pioneer in concrete sewer pipes, forecasts operating profit of 2.2 billion yen for FY2026, up 8.8% year on year. While first-quarter earnings were weak due to higher material costs, investors expect a recovery driven by growing repair and replacement demand.
With stable core businesses and exposure to long-term infrastructure spending, Japan Hume is increasingly viewed as a beneficiary of Japan’s national resilience strategy.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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