決算発表を受け株価が大幅続伸、投資家の視線集中
ベアリング(軸受)国内最大手の日本精工(6471)が、決算発表をきっかけに株式市場で強い買いを集めています。2月4日の株価は前日比+9%超と急伸し、東証プライム市場の値上がり率上位(5位)にランクインしました。株価は一時1220円まで上昇し、1月に付けた昨年来高値1131円を更新するなど、いわゆる「新値街道」に入った格好です。

東証プライム株価値上がり率ランキング(2026年2月4日)
背景には、同社が発表した2026年3月期第3四半期決算(4〜12月)の好調な内容と、通期業績予想の再上方修正があります。市場では「想定以上に収益力が戻ってきた」との評価が広がり、全体相場が不安定な局面でも買いが優勢となりました。
営業利益は10-12月期で84%増、通期予想も大幅増額
日本精工が2月3日に発表した決算では、10〜12月期(第3四半期単独)の営業利益が109億円となり、前年同期比で84.3%増と大幅な伸びを示しました。さらに、4〜12月累計の営業利益も273億円(前年同期比75.2%増)と高水準で着地しています。
注目すべきは、同社が通期の営業利益予想を300億円→370億円へ上方修正した点です。これは前期比で30%増となる見通しであり、事前の市場コンセンサス(320億円台)も上回る水準でした。11月にも一度増額修正を行っていたにもかかわらず、さらに再修正したことから、足元の業績が会社想定を上回るペースで推移していることが明確になりました。
ステアリング事業の回復と円安効果、利益押し上げの二本柱
今回の上方修正の要因として、市場が特に注目しているのが、ステアリング事業の物量回復と為替(円安)効果です。自動車部品関連では、供給制約の緩和や生産回復が進む局面に入り、NSKの主要分野である自動車向けベアリング・ステアリング関連の需要が戻りつつあります。
また、為替相場が想定より円安方向で推移したことも、海外売上比率の高い同社にとって大きな追い風となりました。円安は売上の円換算額を押し上げるだけでなく、利益面でもインパクトが大きく、業績上振れの“加速装置”として働いた形です。
米国関税の価格転嫁も進展、収益構造の改善が鮮明に
もう一つ投資家が安心材料として捉えているのが、米国関税の価格転嫁が順調に進んでいる点です。製造業にとって関税コストの吸収は利益を圧迫しやすい要素ですが、日本精工は価格転嫁を進め、収益悪化を回避しているとみられます。
つまり今回の決算は、「円安という外部要因」だけでなく、「事業回復・価格転嫁といった内部努力」が同時に成果として表れた内容だったと言えます。市場がこれをポジティブに捉えたことで、短期資金だけでなく中長期目線の投資家も買いを入れやすい環境が整いました。
投資家目線:業績の底打ちから“回復局面”へ、株価評価の再構築も
日本精工は、全体相場が荒れる中でも下値を切り上げる形で上昇トレンドを形成してきました。今回の通期見通し引き上げによって、投資家の間では「収益回復が一過性ではなく、構造的に改善しているのではないか」という見方も強まっています。
今後の注目点は、上方修正後の370億円計画をどこまで上振れできるか、そして回復局面に入った自動車・産業機械需要がどの程度持続するかです。特に、ステアリング分野の回復が続けば、収益体質の改善はさらに進む可能性があります。
株価はすでに5年ぶりの水準である1200円台が視野に入っていますが、投資家にとっては「短期的な上昇」以上に、NSKが“業績回復局面に入った企業”として再評価されるかどうかが重要になってきます。円安が続く環境下では、利益上振れ余地も残されており、同社株は引き続き市場の注目テーマとなりそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
NSK Shares Jump on Strong Q3 Results, Full-Year Profit Forecast Raised
NSK Ltd. (Japan Seiko, 6471) surged sharply after reporting strong third-quarter earnings and upgrading its full-year outlook, drawing renewed investor attention to the bearing maker’s recovery story.
The company posted operating profit of ¥10.9 billion for October–December, up 84% year-on-year, supported by improving volumes in its steering business and favorable foreign-exchange conditions as the yen weakened. For the April–December period, operating profit rose more than 75% to roughly ¥27.4 billion.
NSK also raised its FY2026 operating profit forecast to ¥37 billion from ¥30 billion, exceeding market expectations. Management cited stronger-than-expected performance through the third quarter, continued benefits from a weaker yen, and steady progress in passing on U.S. tariff-related costs.
The upbeat revision triggered aggressive buying, pushing the stock to multi-year highs and making it one of the day’s top gainers on the Tokyo Stock Exchange.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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