三井金属工業株式会社(東証プライム:5706)は本日11月11日、2026年3月期の業績予想を上方修正し、純利益は前期比34%減の430億円となる見通しを発表しました。従来予想から260億円の上方修正となり、減益幅が縮小する見通しです。市場予想(QUICKコンセンサス、204億円)を大きく上回る内容で、投資家からはポジティブな反応が期待されます。
亜鉛価格上昇が収益を押し上げ
今回の上方修正の主因は、想定を上回る亜鉛地金価格の上昇です。これにより在庫評価益が発生し、原価を押し下げる効果が出ています。円安進行も追い風となり、金属事業全体の収益性が改善しました。また、電子機器向け銅箔を中心とした機能材料事業も堅調に推移しています。
売上高は前期比微増の7,150億円、営業利益は4%増の780億円を見込み、それぞれ従来予想から上振れとなります。営業利益の増加率は控えめながらも、構造的なコスト改善が進んでおり、収益基盤の安定化が見られます。
中間決算は特損で純利益減も、営業利益は堅調
同日発表された2025年4〜9月期(上期)の連結決算では、売上高が前年同期比5%増の3,643億円、営業利益は2%増益と堅調でした。一方で、子会社・三井金属アクトの譲渡に伴う特別損失を計上したため、純利益は49%減の190億円にとどまりました。
ただし、経常利益ベースでは前年同期比2.0%増の391億円と増益に転じており、従来の「40.1%減益予想」から大幅な上方修正となりました。
通期では2期連続の過去最高益見込み
通期では、連結経常利益を従来の440億円から770億円(前期764億円)へと約75%上方修正し、2期連続で過去最高益を更新する見通しです。下期(10〜3月期)の経常利益は前年同期比0.4%減の378億円とほぼ横ばいを見込んでおり、安定した収益を維持する構えです。
直近の7〜9月期(第2四半期)単体では、経常利益が前年同期比2.4倍の291億円と急拡大し、売上営業利益率も8.6%から14.5%へと大幅に改善しました。
累進配当方針を堅持、年間配当を210円に増額
業績上方修正を踏まえ、同社は今期の期末配当を従来予想の95円から110円へと引き上げ、年間配当は210円(前期180円)とする方針を発表しました。三井金属は「累進配当政策」を掲げており、安定的かつ持続的な株主還元を重視しています。
銅事業統合の動きも注目材料に
さらに同日、三井金属はJX金属、三菱マテリアル、丸紅の3社とともに、銅の原料調達・販売事業の統合に向けた協議を開始したと発表しました。4社は基本合意書を締結し、JX金属・三井金属・丸紅が共同出資するパンパシフィック・カッパー(PPC)に三菱マテリアルが合流する形となります。
これにより、銅精鉱の調達一本化やコスト削減が可能となり、銅事業の収益改善が期待されます。中国の製錬所増加によるマージン低下で苦戦していた国内製錬業界において、同統合は構造改革の第一歩として注目されています。
みずほ証券が新たに5%超保有、機関投資家の注目高まる
また、11月10日付でみずほ証券株式会社が財務局に提出した大量保有報告書によると、三井金属株式の保有比率が5.84%に達したことが判明しました。新たに5%を超える保有となり、機関投資家による中長期的な株価上昇への期待がうかがえます。
今後の展望
三井金属は、金属相場上昇と円安効果を追い風に業績を大幅に上方修正し、株主還元姿勢も強化しました。さらに、国内銅事業再編の動きや機関投資家による新規買いなど、ポジティブな材料が相次いでいます。
今後は、製錬事業の再編やグローバル供給網の再構築が焦点となり、同社の中長期的な成長戦略に注目が集まります。
本日の決算発表は、大引け直後に行われましたが、PTSで株価は8%近い急騰をしており、明日の株価にも期待できそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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