半導体検査装置大手のレーザーテック株式会社(6920)が1月30日に発表した2026年6月期第2四半期(2025年7〜12月)決算が、市場予想を上回る内容となり、投資家の注目を集めています。上期の連結経常利益は651億円と前年同期比で4.3%増益を確保し、直近のIFISコンセンサス(約516億円)を大きく上回りました。足元の業績の底堅さが確認されたことで、同社が掲げる「最先端半導体の不可欠なインフラ企業」としての存在感が改めて浮き彫りとなっています。
上期決算は市場予想を大幅超過、通期は1000億円へ上方修正
今回の決算発表で最大のポイントは、上期実績が想定以上に強かったことに加え、通期業績予想が上方修正された点です。レーザーテックは通期の連結経常利益見通しを従来の850億円から1000億円へ引き上げました。前期比では16.3%の減益見通しとなるものの、減益幅は従来予想(28.8%減)から大きく縮小します。
市場では「半導体製造装置関連は調整局面入り」との警戒感も根強い中、レーザーテックは想定を超える利益水準を示した格好です。IFISコンセンサスもわずかに上回る水準であり、同社の収益力の強さが確認される内容となりました。
一見“矛盾”する構図:足元減速でも見通しは強気
一方で、投資家が注意すべき点もあります。直近3カ月(2025年10〜12月)の第2四半期単体では、連結経常利益が前年同期比23.6%減の379億円となり、売上高営業利益率も51.8%から48.9%へ低下しました。短期的には利益成長の勢いが落ち着いていることが読み取れます。
それでも会社が通期見通しを引き上げた背景には、円安進行の影響が大きいとみられます。同社は2026年6月期の連結純利益見通しを従来の600億円から720億円へ上方修正しており、為替前提の見直しが収益押し上げ要因となっています。外部環境(円安)が追い風となり、業績見通しの上方修正を可能にした構図です。
AI・先端ノード投資の継続が支える「検査装置需要」
レーザーテックの事業環境を語るうえで欠かせないのが、生成AIの普及に伴う先端半導体投資の継続です。AIデータセンター向けのGPU・CPUの高性能化が進むほど、半導体製造工程における欠陥検査の重要性は増します。
同社は最先端分野での検査工程に強みを持ち、特に微細化が進む局面では「検査精度」そのものが製造歩留まりを左右するため、顧客の設備投資が続く限り、レーザーテックの需要も底堅く推移しやすい構造です。AI関連の半導体は性能要求が高く、製造難度が上がるほど検査装置の付加価値も高まるため、同社の収益性を支える重要な要因となっています。
下期は減益計算も、上方修正で投資家心理は改善
ただし、今回の上方修正が「全面的な強気材料」と言い切れるわけではありません。会社計画ベースで試算すると、2026年1〜6月(下期)の連結経常利益は前年同期比38.8%減の348億円に落ち込む計算となります。つまり会社自身も下期は調整を見込んでいることになります。
それでも、上期で利益をしっかり積み上げ、通期予想を引き上げたことは、需給・投資家心理の面でポジティブなインパクトを持ちます。半導体関連株は期待先行でボラティリティが高くなりやすい一方、今回のように「コンセンサス超え+上方修正」というセットは、株価の下支え材料となりやすい局面です。
投資家向け視点:為替とAI投資の「2つの変数」が株価を左右
レーザーテックの今後を占ううえで、投資家が注視すべき変数は大きく2つです。
第一に、為替です。今回の上方修正は円安が寄与した側面が強く、為替が反転すれば利益見通しの前提が揺らぐ可能性があります。第二に、AI半導体投資の持続性です。生成AIブームが一過性ではなく、データセンター投資が継続する限り、先端検査装置の需要は粘り強く推移するとみられます。
足元では「短期の減速感」と「中長期の構造追い風」が同居する局面にあり、投資家は決算のヘッドラインだけでなく、下期の受注動向や為替前提の変化を含めて冷静に見極める必要がありそうです。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Lasertec Raises Full-Year Outlook After Strong H1 Results, FX Tailwind Boosts Profit Forecast
Lasertec Corp. (6920) said on Jan. 30 that its first-half earnings beat market expectations and raised its full-year guidance, supported by resilient demand for advanced semiconductor inspection tools and a weaker yen.
For the first half of FY2026 (July–December), operating profit came in at JPY 65.1 billion, up 4.3% year on year and well above the latest consensus estimate. The company upgraded its full-year operating profit forecast to JPY 100.0 billion from JPY 85.0 billion, narrowing the expected decline from the prior year to 16.3%.
While quarterly profitability softened—Q2 operating profit fell 23.6% year on year and margins edged lower—the company cited favorable foreign-exchange assumptions as a key driver behind the upward revision. Lasertec also lifted its full-year net profit outlook to JPY 72.0 billion from JPY 60.0 billion.
Investors are watching whether AI-driven demand for cutting-edge chips and ongoing process miniaturization can sustain inspection equipment spending, even as some normalization appears in the second half.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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