政府は、株式配当や売却益などの金融所得を正確に把握し、医療費の窓口負担や保険料に反映させる仕組みについて、まずは75歳以上の後期高齢者を対象に先行導入する方向で調整を進めています。導入には数年を要する見通しで、関連法案は来年の通常国会に提出される予定とのこと。
現在、後期高齢者医療制度(75歳以上)および国民健康保険(主に自営業者・74歳以下)が負担する保険料や窓口負担は、自治体が把握する給与・年金などの所得を基準に決まります。しかし、株式配当や利子、売却益などの金融所得は、確定申告を行わない限り反映されないのが実情です。
未申告者の金融所得は自治体側で確認手段がなく、「金融所得のある人ほど有利になる」という不公平が指摘されてきました。
政府はこの解消に向け、金融機関が国税庁に提出する情報をオンラインで集約する金融所得データベースの構築を進め、自治体が保険料算定に利用できる仕組みを整備します。
影響:FIRE層・自営業者にも波及か
金融所得把握の仕組みは、将来的に74歳以下の国民健康保険加入者にも対象拡大される見通しです。
そのため、
・配当金でFIRE(早期リタイア)している人
・投資収入が生活の柱の自営業者
など、金融所得の比率が高い層にも負担増の影響が及ぶ可能性があります。
今回の制度は「金融資産」課税ではなく「金融所得」課税の強化であるため、保有資産そのものへの課税ではありません。しかし、所得として計上されれば社会保険料にも影響が及ぶため、「下手に配当や売却益を出すと保険料が増えるのでは」という投資家心理が生まれる懸念もあります。
この点では、「預金から投資へ」を掲げてきた政府方針と矛盾してしまいますよね?整合性が問われる可能性もあります。
富裕高齢者の反発と、現役世代からの支持
識者からは、今回の動きについて以下のような見方も出ています。
・資産余力のある高齢者に応分の負担を求めるのは制度維持のためにやむを得ない
・現役世代の負担が重く、若年層の制度不信が強まっている
・一方で、金融所得の多い富裕層の高齢者からは反発が予想される
実際、高齢層の中でも所得中位〜低所得層からの反発が多いという調査もあり、社会保障改革は今後も議論が紛糾する可能性があります。
投資家としての注目ポイント
今回の方針は、今後の税制動向や投資戦略に影響を及ぼす可能性があります。
・金融所得の“見える化”が進むことで、社会保険料の計算構造が変化する可能性
・配当重視の投資家やFIRE層は、所得の出し方や受け取り方の最適化を検討する必要
・金融所得課税の議論が再燃するリスク
制度導入には数年を要する見込みですが、税制・社会保障の流れを早めに把握しておくことで、投資方針への備えが可能になります。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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