産業用ロボット大手の株式会社安川電機(6506)が投資家の注目を集めています。10月3日発表の決算では、2026年2月期の連結営業利益予想を従来の430億円から480億円に上方修正しました。背景には米国関税コストの縮小や上期業績の堅調さがあり、減益幅は当初予想の14.3%から4.3%へと大幅に縮小しました。
さらに、米エヌビディアや富士通と協業し、「AI×ロボット」分野での生産改革に乗り出す方針を明らかにしており、同社の次世代成長戦略にも大きな関心が集まっています。
業績動向:米関税リスクの後退と収益性改善
2025年3〜8月期の営業利益は233億円と前年同期比1.8%増を確保しました。主力のモーションコントロール事業は売上が減少した一方で、付加価値製品の拡大やコスト削減により営業利益は9.2%増と収益性が改善しました。
一方、ロボット事業は売上収益が増加したものの、営業利益は微減にとどまっており、事業セグメント間で明暗が分かれる結果となっています。米関税の影響額は当初想定の65億円から35億円に縮小。短期的リスクの後退は投資家心理にプラス要因となっています。
成長戦略:フィジカルAIとヒト型ロボット
同社はエヌビディアの最新GPUと富士通のCPU技術を連携させたAIインフラを活用し、自律的に動く「フィジカルAIロボット」の実用化を推進します。これは従来のプログラム型ロボットを超え、センサーを通じて現実を認識・学習しながら行動する次世代技術です。
また、2023年にはエヌビディア製半導体を採用した製品を展開しており、協業は自然な流れとも言えます。さらにヒト型ロボット開発の東京ロボティクスを買収。これにより「頭脳(AI基盤)」と「身体(ヒト型ロボット技術)」を同時に獲得し、将来のロボット事業強化を狙います。小川社長は「2〜3年後にはニッチ市場で事業価値が生まれる」とコメントしており、成長シナリオに現実味を与えています。
投資家視点:短期の安定と長期の変革
投資家にとって注目すべきは二つの時間軸です。
・短期的視点では、関税リスクの縮小と収益性改善が株価の下支え要因となります。上期業績の堅調さからも底堅さが確認されました。
・長期的視点では、AIロボティクスによる企業変革の可能性が広がります。特にフィジカルAIとヒト型ロボットの融合は、数兆ドル規模産業に成長すると予測されており、安川電機が早期にポジションを築けるかが注目点です。
一方で、通期予想は依然として前期比で減益見込みであり、下期は前年同期比で大幅な減益が想定されています。AI関連事業の収益化には時間を要するため、期待先行による株価変動リスクも意識する必要があります。
安川電機は、足元の業績安定と将来のAIロボティクス成長シナリオという「二つのストーリー」を同時に抱えています。投資家にとっては、短期的な業績回復を狙うのか、それとも数年先を見据えたAIロボティクス変革に賭けるのか、その投資スタンスが問われる局面だと言ってよいでしょう。
安川電機の株価はここのところ冴えませんでしたが、将来に期待が持てる情報も次々と出てまいりましたので、週明けの株価には期待が持てるのではないでしょうか。
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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