地政学リスク

政治と株価

米軍が中東に大規模戦力集結、ホルムズ海峡リスク再燃――日本株は「原油高×リスクオフ」をどう織り込むか

米軍の中東での大規模戦力展開を受け、ホルムズ海峡の供給リスクが市場の焦点となっています。世界の原油輸送の要衝である同海峡が混乱すれば、原油価格の急騰を通じて日本経済に下押し圧力がかかる可能性があります。中東依存度の高い日本にとっては、円安と原油高が同時に進む局面は企業収益に逆風です。一方、エネルギー関連や商社には追い風となる可能性があり、今後は指数全体よりもセクター間の明暗に注目が集まりそうです。
株式劇場

【商船三井 決算発表】通期予想を上方修正!減益見通しでも「底堅さ」示す決算に

商船三井は2026年3月期の連結純利益予想を前期比53%減の2000億円へ上方修正しました。従来予想(1800億円)から減益幅が縮小し、市場予想も上回りました。自動車輸送の荷動きが堅調なほか、備蓄需要を背景に原油船市況が改善し、ドライバルクやエネルギー輸送なども寄与しました。一方、コンテナ船は運賃下落懸念が残り、スエズ運河再開動向など地政学リスクも注視点です。配当予想は年間200円を維持しました。
次世代技術

ミツバ、脱レアアース技術で株価急騰!EV時代の構造転換を映す“再評価相場”が始動

ミツバの株価は、レアアースを使わないモーター技術がテレビ番組で紹介されたことをきっかけに急騰し、東証プライムの値上がり率首位となりました。中国依存が課題となるレアアースを使わず、安価で調達しやすい材料によって同等の出力を実現した点が評価されています。同社は生産モーターの約半数を非レアアース化しており、EVや電動二輪向けでの普及が期待されています。足元の業績も堅調で、通期業績の上方修正期待や割安な株価水準を背景に、成長企業として再評価する動きが強まっています。
株式劇場

商船三井の株価はなぜ大幅下落したのか? ― スエズ運河再開観測と市況悪化で利益期待後退 ―

商船三井の株価は1月16日に前日比5%安と大幅に下落し、海運株全体が売り優勢となった。背景には、欧州の海運大手マースクがスエズ運河・紅海ルートへの段階的な復帰を進める姿勢を示したことがある。航路短縮は実質的な船腹供給増につながり、運賃に下押し圧力がかかるとの見方が市場で強まった。加えて、ばら積み船市況を示すバルチック海運指数の下落も逆風となっている。商船三井はLNG輸送など安定収益を拡大しているものの、依然として市況変動の影響を受けやすく、運賃低下懸念から利益や配当余力の見直しが意識され、株価調整につながった。
株式劇場

双日、中国依存に風穴 レアアース戦略が示す「経済安全保障銘柄」としての存在感

双日は、地政学リスクが高まる中で「経済安全保障」を成長機会と捉え、レアアース分野で独自の地位を築いています。EVや再生可能エネルギーに不可欠なレアアースは、中国依存という構造的リスクを抱えてきましたが、双日は早くから対策を進めてきました。2011年にはJOGMECとともに豪ライナス社へ出資し、軽希土類で日本需要の約3割を安定確保。さらに2023年の追加出資を経て、2025年には中国以外では初となる豪州からの重希土類輸入を開始しました。業績面でも2026年3月期は増益見通しで、累進配当による増配や自社株買いなど株主還元も積極的です。双日は国家レベルのサプライチェーン構築を担う存在として、中長期での投資妙味を高めています。
政治と株価

トランプ政権、ベネズエラ石油再建に大規模投資要請 ――シェブロン前向き、エクソンは慎重姿勢

トランプ米大統領は9日、ホワイトハウスで米石油大手幹部と会合し、老朽化が進むベネズエラ石油産業の再建に向け、最大1000億ドル規模の投資を要請した。政権が参画企業を選定し、現地操業の安全を保証する方針を示し、最大5000万バレルの原油を無期限に米国へ供給する合意を評価した。エネルギー供給拡大により価格下落効果を期待する。一方、シェブロンは投資拡大に前向きな姿勢を示したが、過去の国有化を経験したエクソンモービルは、法制度面の不透明さから現時点では慎重な見方を示している。投資機会と同時に政治・法的リスクが意識されており、今後の具体策が市場の注目点となる。
次世代エネルギー関連株

東洋エンジニアリング、深海レアアース期待で17年ぶり高値 ――国家プロジェクトへの関与と構造改革が投資家の視線集める――

東洋エンジニアリングは、南鳥島沖で来年1月から始まる深海レアアース泥の試験採掘を巡る報道を受け、12月29日に株価がストップ高となり、約17年ぶりの高値を更新した。海洋研究開発機構(JAMSTEC)から委託を受け、水深約6000メートルから泥を引き上げる中核システムの開発に関わっている点が、市場で高く評価されている。中国の軍事演習を背景とした地政学リスクの高まりも、レアアースの供給不安を意識させ、買い材料となった。一方、同社は足元で業績の立て直しを進めており、受注内容の改善やコスト削減を通じて通期黒字を目指す。レアアースへの期待が短期的な株価を押し上げる中、次世代エネルギー分野への事業転換を含めた中長期の成長力が投資家に問われている。
株式劇場

KOKUSAI ELECTRIC、株価急騰!米大手証券の強気評価が契機に。その技術力とリスクをどう見るか

KOKUSAI ELECTRICの株価は、米系大手証券が投資判断を中立から強気に引き上げ、目標株価を4,000円から5,800円へ大幅に上方修正したことを受け、12月22日に前日比12%超上昇した。背景には、AIサーバー向け投資を中心とした半導体製造装置市場の回復期待がある。同社は、先端半導体の立体構造に不可欠な「バッチALD」装置で世界シェア約7割を握り、長期的な成長余地が評価された。一方、足元では装置納入の時期ずれにより業績予想を下方修正しており、利益率の低下や研究開発費増加も課題となっている。売上の約半分を中国向けが占める点や、半導体市況の変動といったリスクもあり、短期的な不透明感と中長期の成長期待が交錯する状況にある。