東京海上ホールディングス(東証プライム・8766)の株式が、本日9月29日から、いよいよ15分割後の株価で取引開始しました。9月28日の終値は8,075円。これまで100株を購入するには約80万7,500円が必要でしたが、29日の前場終値527円で計算すると、100株を約5万2,700円で購入できます。個人投資家にとって、購入のハードルが大きく下がりました。私自身、NISA枠が6万円分ほど残っていたので、ちょうどいいタイミングだと思い、早速、購入。これでほぼ今年のNISA枠を使い切りました。
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分割後の取引初日となった29日の前場終値は527円と、前日比11円安、率にして約2.0%の下落でした。「分割で買いやすくなれば株価も上がる」と期待していた投資家には、意外な出足に映ったかもしれません。ただし、この日の値動きを読むには、株式分割に加えて中間配当の権利落ちも考える必要があります。
▼東京海上HD 株価推移(2026年9月25日~29日)

東京海上HD 株価推移(2026年9月25日~29日)
東京海上 株式15分割前後での動向について、以下にて深堀して考察してみます。
「8,075円から527円」は暴落ではない
今回の株式分割は、普通株式1株を15株にするものです。たとえば分割前に100株を保有していた投資家の保有株数は、分割後に1,500株となります。その代わり、理論上の1株当たり株価は15分の1になります。株数が増えたという理由だけで、保有資産の価値が15倍になるわけではありません。
東京海上が発表した分割の基準日は9月30日、効力発生日は10月1日です。市場では9月29日から分割後の株価を基準に売買されています。この日を「分割が正式に効力を生じた日」と混同しないことが大切です。
9月28日の終値8,075円を15で割ると、分割後の株価に換算して約538.33円になります。29日前場の527円は、この水準より約11.33円安い価格です。画面上では株価が8,000円台から500円台へ大きく変わりましたが、その大部分は分割に伴う調整です。投資家が見るべき実際の値動きは、分割前後の株価を同じ基準にそろえたうえでの差額です。
前場の下落には「中間配当の権利落ち」も重なる
9月28日は中間配当の権利付き最終日でもありました。東京海上が公表している2027年3月期の中間配当予想は、分割前の1株当たり122.5円です。29日から購入する投資家は、この中間配当の権利を取得できません。29日の株価には、分割だけでなく配当の権利落ちも重なっています。
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122.5円を分割後の株価に換算すると、1株当たり約8.17円です。前日の終値を分割後換算した約538.33円から、この配当相当額を差し引くと約530.17円になります。前場終値527円は、そこからさらに約3.17円低い水準です。これは値動きを整理するための単純計算であり、実際の株価は需給や市場全体の動きなどでも変わります。それでも、表示された前日比約2.0%の下落を、すべて分割への失望による売りと受け止めるのは早計でしょう。
分割前から保有していた株主は、株価だけでなく、取得した中間配当の権利も含めて考える必要があります。逆に29日に新たに購入した株主は、中間配当の権利を持ちません。前日に買った人と当日に買った人では、購入価格と受け取る権利の両方が異なるのです。
分割前と分割後、どちらで買うのがお得だったのか
株式分割の際には、「分割前に買うべきか、分割後に買うべきか」という議論が起こります。東京海上の場合、9月28日の終値を分割後の株価に換算した約538.33円に対し、29日の前場終値は527円でした。株式の購入価格だけを比べれば、分割後の29日のほうが1株当たり約11.33円安く買えたことになります。
ただし、「だから分割後のほうが必ず得だった」とは言い切れません。28日までに購入した株主には中間配当の権利があります。約11.33円の価格差のうち約8.17円は、その配当予想額に相当します。また、実際の損益は購入した時刻の株価や、その後の値動きによって変わります。前日終値と翌日前場終値の二点だけで、どちらの投資判断が優れていたかを決めることはできません。
それでも、購入に必要な資金が大幅に下がったことは明確です。昨日まで100株の購入に80万円超が必要だった銘柄を、今日は5万円台で100株購入できます。私自身もNISAの残り投資枠が約6万円あり、東京海上を100株買える金額だったため、29日朝に購入しました。今後の株価上昇を期待していますが、これはあくまで私個人の見方です。
15分割で広がる個人投資家の選択肢
東京海上は、今回の分割について、投資単位当たりの金額を引き下げ、投資家層を広げることを目的に挙げています。従来の約80万円という購入額では、関心があっても投資をためらう人や、NISAの残り枠では100株に届かない人もいたでしょう。5万円台になれば、ほかの銘柄との組み合わせを考えやすくなります。
もっとも、買いやすくなることと、株式の価値そのものが上がることは別です。株式分割だけで保険事業の利益が増えるわけではありません。購入できる投資家が増えれば売買の活発化につながる可能性はありますが、それが持続的な株価上昇につながるかどうかは、今後の業績や株主還元への評価に左右されます。
同社は分割と同時に、新たな株主優待制度も発表しています。2027年3月31日を初回基準日とし、100株以上を3年以上継続保有するなどの条件を満たした株主には、初回7,500円相当の電子マネー等を贈呈する予定です。初回の優待を受けた翌年以降も条件を満たして保有を続けた場合は、毎年2,500円相当とされています。ただし、29日に初めて100株を買えば2027年3月に直ちに優待を受けられる、という制度ではありません。継続保有期間と株主名簿上の株主番号など、条件の確認が必要です。
これからの株価を決めるのは何か
分割後の東京海上株を見るうえでは、新たに参加する個人投資家の買いがどの程度広がるかに注目が集まります。同時に、分割前から保有していた投資家が利益確定に動く可能性もあります。初日の前場だけで、その需給の方向を判断することはできません。
より長い目で見れば、重要なのは事業の利益成長と株主還元です。東京海上は今回、2027年3月期の期末配当予想を分割後の1株当たり8.17円に修正しました。会社は、この修正について、株数の増加を考慮すると従来予想と実質的に同額だと説明しています。数字が小さくなったことを、直ちに減配と捉える必要はありません。
9月29日の前場は、分割によって購入資金が約15分の1になった一方、株価は分割後の比較基準で下落しました。ただし、その下落には中間配当の権利落ちが含まれます。東京海上株を新たに買いやすくなった今こそ、「500円台だから安い」という額面の印象だけでなく、配当の権利、企業の収益力、今後の株主還元を合わせて見ていきたいところです。
【追伸.2026年9月30日】
東京海上が株式15分割について、ユニークな新聞広告を展開。話題になっております。

東京海上のユニークな新聞広告(株を食べ物の株で例え、15分割の15を食べ物のイチゴで例えています。)
なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESS車掌 SHUN
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【Dear Overseas Investors: Summary in English】
Tokio Marine Shares Become More Accessible After 15-for-1 Split
Tokio Marine Holdings (TSE: 8766) began trading on a split-adjusted basis on September 29 following a 15-for-1 stock split. At the morning session’s closing price of ¥527, a standard lot of 100 shares cost ¥52,700, compared with more than ¥800,000 before the split.
The shares ended the morning session about 2% lower on a split-adjusted basis. September 29 was also the ex-dividend date for the interim dividend, so the decline should not be attributed solely to the stock split. The split lowers the amount needed to invest, but does not itself increase the company’s value.
Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.





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