住友グループ なぜ住友商事はニッケル鉱山から撤退するのか?――累計損失4000億円超、アンバトビー売却が映す「責任ある撤退」と資本効率改革
住友商事がマダガスカルのニッケル事業「アンバトビー」から撤退するのは、EV需要が想定ほど伸びない一方、中国企業によるインドネシアでの増産で供給過剰が続き、大幅な採算改善が難しいと判断したためです。同事業は生産開始の遅延、設備やパイプラインの不具合、コロナ禍、サイクロン被害などに見舞われ、累計損失は4000億円を超えました。住友商事は約700億円の譲渡関連損失を計上しますが、税効果により純利益への影響は軽微としています。閉山ではなく、約9000人の雇用や地域貢献を継続できる相手への売却を選び、「責任ある撤退」を目指します。今後は低採算事業の整理と資本再配分が進み、ROEや企業価値の改善につながるかが焦点です。