株式劇場 バークシャー、BYD株を全株売却!― バフェット氏の投資戦略転換、テーマは日本の商社株へ
米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いるバークシャー・ハサウェイは、中国の電気自動車(EV)大手、比亜迪(BYD)の保有株式をすべて売却しました。2008年の出資以来17年にわたる投資を完全に引き揚げました。今回の売却の要因は、1.中国EV市場の競争激化、2.株価の割高感、3.地政学リスクの回避などがあると考えられます。一方でバークシャーは、日本の大手商社株への投資を拡大しています。三井物産によれば、バークシャーの保有比率は議決権ベースで10%以上に達し、三菱商事の保有比率も10%以上になっています。バフェット氏は株主総会でも「日本での投資はまだ完了していない」と強調しており、中国リスクを避けつつ、日本市場に中長期的な成長機会を見出している姿勢がうかがえます。バークシャーによるBYD株の全株売却は、単なる利益確定にとどまらず、米中対立を背景にした投資方針転換の象徴的な動きといえます。今後の注目点は、日本商社株への長期スタンスが本当に「第2のBYD投資」になるのかどうかです。