【三井住友FG決算】4~6月期純利益は33%増の5013億円、3年連続で過去最高!国内金利上昇と株高が追い風、通期1兆7000億円へ好発進

【三井住友FG決算】4~6月期純利益は33%増の5013億円、3年連続で過去最高!国内金利上昇と株高が追い風、通期1兆7000億円へ好発進 三井グループ

メガバンクの三井住友銀行SMBC)等を傘下に置く金融持株会社、三井住友フィナンシャルグループSMFG)<8316>は7月31日 15:30(大引け後)、「2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の連結決算」を発表しました。親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期比33.0%増の5013億円となり、4~6月期として3年連続で過去最高を更新しました。

国内金利の上昇によって預貸金収益が拡大したほか、企業のM&Aや資本政策を取り込んだ手数料収入、個人向け総合金融サービス「Olive(オリーブ)」を軸とする決済ビジネスも成長しました。さらに、株高局面を捉えた市場事業部門の運用益が大きく伸び、グループ全体の増益をけん引しています。

通期純利益目標1兆7000億円に対する進捗率は約29%に達しました。会社側は通期業績予想を据え置いたものの、国内利上げによる収益押し上げや貸出残高の増加などを踏まえ、今後の上振れ余地を追求する姿勢を示しています。
決算発表内容について、以下にて深堀りしていきましょう!!

純利益5013億円、経常利益は43%増

2027年3月期第1四半期の経常収益は、前年同期比16.6%増の2兆8504億円となりました。経常利益は同43.4%増の6931億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同33.0%増の5013億円でした。
前年同期の純利益は3768億円だったため、1年間で約1245億円の増益となります。増益率だけでなく、利益の絶対額でも力強いスタートとなり、国内金利の正常化が大手銀行グループの収益に本格的に反映され始めたことを示す決算となりました。

本業の収益力を示す連結業務純益は前年同期比1780億円増の7223億円に拡大しました。通期目標2兆4000億円に対する進捗率は約30%です。親会社株主純利益と連結業務純益のいずれも前年同期から1000億円以上増加しており、一時的な利益だけに依存しない、本業を中心とした増益基調が確認されました。

連結粗利益は前年同期比3157億円増の1兆4034億円でした。一方、営業経費はインフレや事業拡大に伴う費用の増加によって1125億円増え、7122億円となりました。それでも粗利益の伸びが経費の増加を大きく上回ったため、経費率は前年同期から4.4ポイント改善し、50.7%となっています。

国内金利上昇で資金利益が大幅拡大

今回の好決算を支えた最大の要因は、国内金利の上昇を背景とする資金利益の拡大です。
傘下の三井住友銀行(SMBC)の資金利益は、前年同期比1596億円増の5756億円となりました。このうち国内の資金利益は1407億円増の3953億円に拡大しています。国内貸出残高の増加に加え、政策金利の引き上げによって貸出金利が上昇し、預貸金収益が大きく改善しました。

三井住友銀行単体の業務純益は前年同期比52%増の4668億円となりました。国内預貸金の利回り差は1.31%と、前年同期から0.23ポイント改善しています。国内外の貸出金残高も6月末時点で前年同期比約7%増加しました。

企業による設備投資やM&A、大型資金調達などの需要を取り込んだことが貸出残高の増加につながっています。特に国内法人向けでは、大企業の大口案件を獲得したほか、新規融資案件を選別しながら採算性を改善させる取り組みも進みました。

銀行収益は貸出残高だけでなく、貸出金利と預金金利の差である利ざやによって大きく左右されます。今回の決算では貸出残高と利ざやがともに改善しており、金利上昇による収益効果が明確に表れました。

三井住友銀行 渋谷駅前支店/2026年7月16日。(C) 撮影:STOCK EXPRESS編集部(Photographer:SHUN)

三井住友銀行 渋谷駅前支店/2026年7月16日。(C) 撮影:STOCK EXPRESS編集部(Photographer:SHUN)

追加利上げで年間1800億円の資金利益増加を見込む

SMFGは、6月の政策金利引き上げによる資金利益への押し上げ効果を年間約800億円と試算しています。これまでの利上げ効果も合わせると、2026年度の資金利益は前年度比で約1800億円増加する見通しです。このうち第1四半期には約300億円の増収効果が表れたとしています。

会社側の試算では、政策金利が0.25ポイント上昇した場合、初年度の収益押し上げ効果は約1100億円、5年目には約1500億円まで拡大する見込みです。金利上昇の効果は一度にすべて発現するのではなく、貸出金や預金の金利更改を通じて段階的に業績へ反映されるため、今後も中期的な収益拡大が期待されます。

さらに、SMFGは貸出金残高の増加や貸出スプレッドの改善、国債ポートフォリオの再構築を進めることで、資金利益に一段の上振れ余地があるとの見方を示しました。

金利が長期間低迷してきた日本の銀行にとって、日銀の金融政策正常化は大きな事業環境の変化です。預金基盤が厚いメガバンクは、貸出金利や保有資産の運用利回りが上昇する一方、預金金利の上昇が比較的緩やかであれば、利ざや拡大の恩恵を受けやすくなります。SMFGの第1四半期決算は、この構造的な追い風が利益成長につながっていることを示しました。

M&Aや資本政策が活発化、手数料収入も伸長

金利収益だけでなく、非金利収益も好調でした。三井住友銀行の役務取引等利益は前年同期比201億円増の1517億円となっています。

企業によるM&Aや事業再編、株式・社債による資金調達など、活発なコーポレートアクションを取り込んだことが増益に寄与しました。融資に加えて、M&A助言、シンジケートローン、ストラクチャードファイナンス、為替取引など幅広いサービスを提供し、顧客1社当たりの収益機会を広げています。

国内法人向けのホールセール事業部門では、業務粗利益が前年同期比673億円増の3721億円、業務純益が497億円増の2715億円となりました。預金収益は300億円増、貸金収益は124億円増となり、金利上昇と企業の資金需要の双方が収益を押し上げました。

ホールセール事業部門の経費率は前年同期から3.2ポイント改善して34.1%となっています。トップラインの拡大に加え、収益性の高い取引が増えたことも、利益成長につながったとみられます。

「Olive」800万件突破、リテール事業も増益

個人向けのリテール事業部門も堅調でした。業務粗利益は前年同期比705億円増の4288億円、業務純益は456億円増の1209億円となりました。
金利上昇に伴って預金収益が225億円増加したほか、株高など良好な市場環境を背景に資産運用ビジネスの収益が365億円増加しました。決済ビジネスも97億円増となっています。

個人向け総合金融サービス「Olive」の利用拡大も成長を支えました。Oliveの獲得件数は2026年6月に800万件を突破しています。銀行口座、クレジットカード、デビットカード、ポイント、証券などを一体化することで、グループ内のサービス利用を増やし、買物取扱高や手数料収入の拡大につなげています。

リテール事業では経費も増加しましたが、粗利益の伸びが上回り、経費率は前年同期から7.0ポイント改善して72.1%となりました。今後、Oliveの顧客基盤がさらに拡大し、資産運用やカード、住宅ローンなど複数サービスの利用が進めば、顧客1人当たりの収益向上も期待されます。

Olive LOUNGE 渋谷/2024年8月31日。(C) 撮影:STOCK EXPRESS編集部(Photographer:SHUN)

Olive LOUNGE 渋谷/2024年8月31日。(C) 撮影:STOCK EXPRESS編集部(Photographer:SHUN)

株高を捉えた市場事業部門が大幅増益

市場事業部門では、株高局面を捉えた機動的なポートフォリオ運営が奏功しました。業務粗利益は前年同期比737億円増の2335億円、業務純益は639億円増の1789億円となりました。
顧客向けのセールス・アンド・トレーディング(S&T)ビジネスも着実に拡大し、収益の押し上げ要因となっています。市場事業部門の経費率は前年同期から6.1ポイント改善し、26.9%となりました。

連結ベースの株式等損益は前年同期比344億円増の755億円でした。政策保有株式の売却益は減少したものの、株高を捉えた上場投資信託(ETF)の売却益が増加しました。ETFの売却益は前年同期比約320億円増の460億円となっています。また、前年同期に計上した東亜銀行株式の売却に伴う損失がなくなったことも増益要因となりました。

ただし、市場部門の収益は株価や金利、為替などの市場環境によって変動しやすい面があります。投資家にとっては、今後も同水準の収益を維持できるかに加え、顧客取引を中心とするS&Tビジネスをどこまで安定的に伸ばせるかが注目点となります。

グローバル事業部門は減益、案件の採算性を重視

国内事業と市場事業が好調だった一方、グローバル事業部門は減益となりました。
同部門の業務粗利益は前年同期比66億円減の3867億円、業務純益は374億円減の1512億円でした。貸出案件を選別したことで貸金収益が減少したほか、経費の増加や、前年同期に計上したSMBC Aviation Capitalの保険金受領による利益がなくなったことが影響しました。

海外では貸出金を単純に積み上げるのではなく、資金調達コストを踏まえた採算性や資本効率を重視しています。そのため短期的には貸出収益が減少する可能性がありますが、低採算資産を削減し、収益性の高い案件へ資本を振り向けることができれば、中長期的な利益率や資本効率の改善につながります。

今回の決算では国内部門の好調さが際立った一方、グローバル事業の再成長が今後の課題として残りました。

与信関係費用は747億円、中東情勢の影響は顕在化せず

連結与信関係費用は約747億円となり、前年同期から約1%減少しました。通期計画は3400億円であり、現時点では会社側が想定する標準的な進捗範囲内で推移しています。

SMFGによると、中東情勢に関連する信用コストへの影響は現時点で顕在化していません。国内外の企業業績や信用環境も、グループ全体の利益を大きく損なう状況には至っていないとみられます。

もっとも、地政学リスクの拡大、原油価格や資源価格の上昇、海外景気の減速、為替の急変などが企業業績を圧迫した場合、与信関係費用が増加する可能性があります。足元の利益成長が力強いだけに、今後は信用コストを計画内に抑えられるかが通期業績を左右する重要なポイントになります。

通期純利益1兆7000億円を据え置き、進捗率は29%

SMFGは2027年3月期の通期業績予想を据え置きました。親会社株主に帰属する当期純利益は前期比7.4%増の1兆7000億円を見込んでいます。

第1四半期の純利益5013億円は、通期目標に対して約29.5%の進捗となります。単純な四半期均等ベースの25%を上回っており、順調な滑り出しと評価できます。連結業務純益も通期目標2兆4000億円に対して約30%まで進みました。

一方、第1四半期には株高を活用したETF売却益など、市場環境の恩恵も含まれています。今後の四半期で同様の利益が繰り返されるとは限らないため、現時点で会社側が予想を据え置いた判断には一定の合理性があります。

それでも、国内利上げ効果、貸出残高と利ざやの改善、国債ポートフォリオの再構築、法人手数料収入やOliveの成長を考慮すると、通期計画に対する上振れ期待は残ります。会社側も良好な業務環境と本業の増益を踏まえ、「アップサイドを追求する」としています。

年間配当180円を計画、9月末には1対2の株式分割

2027年3月期の年間配当予想は、株式分割前ベースで1株当たり180円です。前期の157円から23円の増配となる計画で、中間配当90円、期末配当90円を予定しています。

また、SMFGは2026年9月30日を基準日として、普通株式1株を2株に分割する予定です。株式分割を考慮した場合、期末配当は1株当たり45円に相当します。株式分割によって1単元当たりの投資金額が低下すれば、個人投資家が株式を購入しやすくなり、投資家層の拡大や株式の流動性向上につながる可能性があります。

SMFGは自己株式の取得も進めており、6月末の自己株式数は約2929万株となりました。利益成長に加えて、増配、自社株買い、株式分割を組み合わせた株主還元策は、株価を評価するうえで重要な材料となります。

投資家としての注目点は「金利効果の持続性」と上方修正の可能性

今回の決算は、国内金利上昇の恩恵が銀行の中核収益に表れたことに加え、ホールセール、リテール、市場の各事業がバランス良く成長した点が評価材料です。

特に、純利益だけでなく連結業務純益が前年同期から1780億円増加し、経費率も改善したことは、増益の質を判断するうえで重要です。政策保有株式の売却益だけに頼るのではなく、預貸金収益、法人手数料、資産運用、決済、市場取引など複数の収益源が伸びています。

今後の焦点は、国内貸出金と利ざやの拡大が続くか、追加利上げの効果が想定通り資金利益へ反映されるか、グローバル事業部門を立て直せるかという点です。加えて、与信関係費用や海外の地政学リスク、市場部門の収益変動にも注意が必要です。

第1四半期終了時点で純利益の進捗率は約29%に達しており、通期1兆7000億円に向けて好発進となりました。国内金利の上昇が続き、法人・個人双方のビジネスが堅調に推移すれば、今後の決算で業績予想の上方修正や追加的な株主還元への期待が高まる可能性があります。

三井住友銀行 三軒茶屋支店/2026年6月17日。(C) STOCK EXPRESS(撮影:SHUN)

三井住友銀行 三軒茶屋支店/2026年6月17日。(C) STOCK EXPRESS(撮影:SHUN)

金曜日の大引け後に発表された決算。PTSで株価はやや上昇しています。週明け月曜日の株価に注目していこうと思います。

なお、本記事は、投資判断の参考情報として提供するものであり、特定の株式売買を推奨するものではありません。投資の最終ご判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

STOCK EXPRESSの車掌、SHUN

STOCK EXPRESS車掌 SHUN

株主視点での経済ニュースサイト「STOCK EXPRESS」では、今後も最新情報を発信してまいります。
ぜひ、STOCK EXPRESS トップページをブックマークしてご購読くださいませ。
▼記事更新通知は 私のXにて♪
https://x.com/shun699

【Dear Overseas Investors: Summary in English】

SMFG Q1 Net Profit Jumps 33% to Record ¥501.3 Billion

Sumitomo Mitsui Financial Group (TSE: 8316) reported a 33% year-on-year increase in net profit to ¥501.3 billion for the April–June quarter, marking a record high for the period for the third consecutive year.

Higher domestic interest rates and loan growth boosted net interest income, while strong M&A activity and increased usage of its Olive financial platform supported fee income. The markets division also benefited from rising equity prices and expanded sales-and-trading business.

Consolidated business profit rose by ¥178.0 billion to ¥722.3 billion. Net profit reached roughly 29% of SMFG’s full-year target of ¥1.7 trillion, while the company kept its earnings forecast unchanged.

SMFG expects higher yen interest rates to increase annual net interest income by about ¥180 billion. Further upside could come from loan growth, wider lending spreads and the restructuring of its government bond portfolio.

The group plans an annual dividend of ¥180 per share before its scheduled two-for-one stock split in September. Investors will focus on the durability of interest-rate benefits, credit costs and the possibility of an earnings forecast upgrade.

Disclaimer: This article is provided for informational purposes only and should not be construed as a recommendation to buy or sell any specific securities. Please make investment decisions at your own discretion.

コメント

PROFILE

【STOCK EXPRESS(ストックエクスプレス)】(略称:STOCK.EX)株主視点の経済ニュース考察を発信してまいります!
語り手は、SHUN
渋谷桜丘 在住。立教大学法学部卒業。株主として様々な企業を応援し、経済活性化に努めております。報道カメラマンとして写真撮影もしており、数々の著名人を撮影。2000年代にはライブドアニュースにて経済記事執筆。(保有資格:知的財産管理技能士、化粧品検定1級、食生活アドバイザー、景表法検定など)

▼お問い合わせ

REQUEST(お問い合わせ)
下記メールアドレス(⭐︎を@に変えてお送りくださいませ。)s⭐︎shun.onl

▼Privacypolicy

Privacy policy (プライバシーポリシー)
私達のサイトアドレスは です。当サイトは、個人情報の保護に関する法令及び規範を遵守するとともに、以下のプライバシーポリシーに従い、ご提供いただいた個人情報を適切に取り扱い、及び、保護に努めます。また継続的な見直し、改善を行ないます。【個人情…

PVアクセスランキング にほんブログ村

タイトルとURLをコピーしました